2005年5月 1日 (日)
労働組合のいま
いま労働組合って、機能しているのでしょうか。
日本にいたころ(1990年まで)は、横浜市職員だと市従と統一労組懇というのがあって、前者が社会党、後者が共産党だったような気がする。20歳台なかばのころの感覚でいえば、労働組合はあったほうがいいなあ、と漠然と感じていた。
とはいえ、ボーナス時期に限ってオルグとかいいつつ、執行部の連中がやってくる。そしてカンパと称してカネを集めていたのだが、この行為は姑息に感じられた。普段はまったく組合員の意向など聞きにこないのに、組合員にカネがあるときだけ意見を聞きに来るのだから、ご都合主義の最たるものでしょう。それで組合が嫌いになった。
確かに市当局という体制に対し、反体制としての組合は必要なのかもしれない。でも、執行部が「前衛」となって、末端の意見などほとんど無視したかたちで、賃上げだ時短だと叫んでいるのだから、やはり滑稽な話だとしか思えない。ある日、「組合を辞めたいんですけど」と事務に相談したら、「君、そんなことしたら職場でつまはじきにされるよ」と警告され、落胆したこともある。
その後、1990年から2002年までカンボジアに滞在し、帰国してみたら、労働組合のことなど、ほとんど話題にならないような状況になっていた。この期間に、何があって労働組合は衰退したのか。浦島太郎のような気分だった。
まあ、組合自体が、戦後の社会主義や共産主義の盛り上がりの一環として成立したのだから、本家本元が衰退すれば組合も衰退していくということなのだろうか。基本的には、組織のなかに、働く側の権利や主張をくみ取り、それを代表して働かせる側に伝え、何らかの利益を勝ち取るような仕組みは、あったほうがいいでしょう。一方で、そういう気配りのできる幹部スタッフを、会社組織自体が育てていく必要があるような気もする。
いずれにせよ、1990年以降、ずっと個人商店をやっている私には、組合にお世話になるような機会が皆無なので、どうでもいい話なのだが……。
| コメント (0)
| トラックバック (0) |
コメント