双風亭日乗

« 打ち合わせ | トップページ | 情報収集の件 »

2005年7月27日 (水)

教えてください!



 このブログを読んでいる方に、お聞きしたいことがあります。もちろん自分でも、徹底的に調べるという前提です。ちょっとした本の企画で、「データがあったら助かるなあ」という感じの質問です。


 いずれも、著名作家や著名ルポライターなどが、ふだんは権力と戦っているような姿勢を見せておきながら、自分が批判されると、権力の側の力を借りようとする、という事例です。


 誤解をまねくといけないので、ひとつお断りしておきます。以上のような事例について情報を集めるとはいえ、事例の対象となる人物の作品を否定するつもりは、まったくありません。あくまでも、あるときは反権力、あるときは親権力、というダブルスタンダードはマズいのではないか、という程度の事例としてあつかえればと思っています。


 もちろん、「うる覚え」程度の情報でもネット上の情報でもかまわないのですが、実証データとして使いたいので、活字になっているものだと非常に助かります。 




<その一> 大江健三郎さん


 安原顕さんがある音楽雑誌で大江さんを批判したところ、大江さんは、安原さんが当時所属していた出版社(中央公論社)にクレームをつけて、安原さんをつぶそうとした、との噂。


<その二> 鎌田慧さん


 某新聞もしくは新聞系の雑誌で鎌田さんが批判されたところ、鎌田さんはその新聞の上層部と連絡を取り、執筆した記者(または編集者、ライター)に圧力をかけた、との噂。




 いずれも伝聞情報なので、まずは「そういうことが本当にあったのかどうか」ということから、調べられればと考えています。


「教えて君」みたいになってしまい、情けない限りですが、このようなブログの使い方を実験してみるのもよいかと思い、みなさんにお願いさせていただく次第です。


 もう一度、確認しておきます。こうしたデータを集めるのは、大江さんや鎌田さんの「作品」を批判する目的ではありません。たとえば、私は『殺す側の論理』や『中国の旅』、『カンボジア大虐殺』など一連の本多勝一作品は、みずからがジャーナリズムを志した契機になったという意味で、いまだに大好きです。しかしながら、リクルート問題で言い訳をしつづけ、『週刊金曜日』で不合理な権力を行使する本多さんは、あまり好きではありません。


 お知らせいただく手段は、本ブログのコメント欄でも、メールでもかまいません。


 では、なにとぞご協力いただきたく存じます。



※追記※ 「著名」と書きましたが、それなりに名がとおっている作家やライターでしたら、まったく問題ありません。


 いま7月27日16時過ぎですが、すでに貴重な情報をいくつかいただきました。ご協力に深く感謝いたします。



※追記2※


 考えてみると、学者や研究者の世界では、もっとすごいことが起きているような気がします。とりわけ人事などで。良識の府の大先生が、ちまちまと圧力をかけて、気にくわない若手をつぶしたり、窓際に押しやったりする事例も、ぜひ知りたいところです。こちらは、コメント欄でむずかしいようでしたら、メールでお願いいたします。


 いま7月27日の22時ですが、興味津々な情報をたくさんいただき、ありがとうございます。


| コメント (2) | トラックバック (0) |

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/211225/14904431

この記事へのトラックバック一覧です:
教えてください!:

コメント

こんにちは。笙野さんに批判されているひとりの栗原と申します。笙野―大塚「純文学論争」についての資料はほぼ全部読んでますが、『新潮45』03年5月号の「私の純文学闘争一二年史」(『徹底抗戦!文士の森』冒頭に収録されているエッセイ)で事態が急展開しているので、まずこのエッセイからお読みになられるといいと思います。このエッセイによると、圧力の主体は大塚よりもむしろ当時の群像編集長であったらしい。大塚と編集長がタッグを組んで笙野氏のパージをたくらんだ、というふうに笙野氏は書いておられますが、当事者たちの証言なりを突き合わせないとよくわからないところだけに、これはぜひ追求してみてほしいですね。ぼくも非常に気になっておりますので。なんでしたらお手伝いしますし。
『ユリイカ』今8月号の「われ発見せり」にこの件がらみのことをちょこっと書いたのでよかったら読んでみてください。

それから、大江―ヤスケンの件ですが、1989年に出た別冊宝島『現代文学で遊ぶ本』の大江の項でもちょっと触れられています。筆者は鈴原冬二氏(この人のことはよく知らないのですが)で、「ぼくの友人」となっていますが、ヤスケンのことでしょう。入手困難だろうから当該部分を引用します。
「ぼくの友人の編集者から聞いた話なのだが、大江はある時、大手といわれる出版社の社長に、その社の編集者を「たれ込んだ」ことがあるんだそうだ。つまりその編集者がある雑誌のコラム欄で大江の著作について相当ひどい罵詈雑言を書いたことがあった。それを読んだ大江は、その社の社長に対して「こんな暴言は許せない。したがって、その男が勤務している出版社には執筆拒否、さらにその社が主催している文学賞の選考委員はおりる」と手紙を出した。その編集者は当然、社の幹部に呼び出され「お前はどう責任を取るつもりか」と詰問されたため、「こういうたれ込みの手紙こそ思想・言論の弾圧ではないか。これはファッショではないか」と食い下がると、「お前の言うことにも一理はあるが、大江先生は社にとって大切な人なので、もう一度やるようなことがあればお前はクビだ」とのプレッシャーをかけられたんだそうだ。このことなども大江の典型的なヒステリー症状、つまり子供っぽいところなのだが、「上にたれ込んで下を叱りおく」という封建時代の発想と、「戦後民主主義を守れ」とか「反核」の思想とはどう考えても相反するものではないだろうか」
この原稿には他にも、大江はマイナー出版社からの依頼には一枚たりとも応じないとか、その権威主義者ぶりを示すエピソードがいくつか紹介されています。

あと、ヤスケンがらみでは、蓮実重彦との一見なんつーのもありました。まあヤスケン氏にかんしては、大江ふくめ、彼の本、『リテレール』のあとがきなんかをまとめた奴が何冊か出てましたが、そのへんにいろいろ書いてあったと思います(いま本が手元にないので確認できませんが)。

投稿: ykurihara | 2005/07/30 3:28:28

忘れたころで恐縮ですが、大江-ヤスケン情報の追加を。すでにお調べかと存じますが、村松友視『ヤスケンの海』(幻冬舎文庫)が、まるまる一章割いてこの事件について書いています。概要は上で引用した文でほぼ合っているようで新しい知見ははそれほどないんですけど、事件の発端になったヤスケンの『レコード芸術』のコラムが丸々引用・紹介されています。
「ヤスケンのことはだいたい知ってるからなあ」とこの本はスルーしていたんですが、さすが元同僚の筆だけあって、大江事件はさておき、いろいろと興味深いエピソードが記されています。やはり読んでみるものですね(笑)。

投稿: ykurihara | 2005/11/27 8:18:09

コメント書く