双風亭日乗

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2005年11月30日 (水)



講談社から創刊された「クーリエ・ジャポン」12月1日号を買いました。「海外1000メディアから発信されるニュースを厳選」と謳っています。たしかに、日本のメディアではあり得ないような切り口で、世界のさまざまな出来事を記事にしていました。


「世界が見たKOIZUMI」とか「『9.11』あの時、世界は何を伝えたか?」「国境を越えた村上春樹の世界」など、おもしろい記事が並んでいましたが、私の興味をひいたのは「女がすべてを決める島」という記事でした。アフリカ西部のギニアビザウにあるビジャゴス諸島では、伝統的に「女が夫を選び、気に入らなければ離婚する」とのこと。さらに「恋愛から政治まで女が全権力を握り、男はそのことに文句を言わない」。母権制のすばらしい社会じゃありませんか。


カンボジアの農村をまわっていると、家庭内では母権制なのに、世間では父権制のようになっていました。そういう社会で何が起こるかというと、世間的には男に権力があるように見えるが、実際に家庭内では権力があるように見える男を女が牛耳る、ということになります。


政治家もそうだし、農村の長もそうです。そうなると何が起こるのか。世間と家庭での権力ギャップに悩む男が家にいつかなくなり、カフェやビリヤード場がやたらと儲かることになります。そんな状況を10年ちかく見ていて感じたことは、「この社会の男は、いっそのこと、女にすべての権力を委譲してしまったら、どんなに楽な気分で暮らしていけるのか」ということでした。同時に、そういう社会は、まんざらでもないのではないか、とも思ったりもしました。


さて、「クーリエ・ジャポン」。日本の人たちが、国際問題にあまり興味がないことは、すでに常識だといってもいいことでしょう。日本の新聞において、国際ニュースの占める割合が、やたらと低いことは、日本の外で暮らせばよくわかることだと思います。私自身は、海外に長く住んでいた経験から、日本の人が日本のことだけ知っていればいいなどと開き直ることには抵抗を感じます。そして、海外の問題に詳しい書き手に知り合いは多いし、そういう書き手の本をどんどん出したいという意志はあります。


とはいえ、よほどタイムリーなネタでないかぎり、海外の問題をあつかった本を出しても、おそらく採算がとれません。双風舎の現状で、採算のとれない本を出したら、即、営業停止に直結してしまいます。(笑)


これは夢物語ですが、売れる本が出て、多少のリスクを背負えるようになったら、ぜひ海外の問題をあつかった本を出してみたい。すこしだけ海外にも目を向けてもらえるような、土壌をつくりたい。そう考えています。そういう意味では、アジアの本に特化したうえで経営を成り立たせている「めこん」という出版社は、尊敬に値します。ほかにも、海外関連のネタに特化した出版社があるのかもしれませんね。いずれにしても、「零細出版社は、専門領域に特化したほうがいい」という定石があるとはいえ、この日本で、海外ネタのみで勝負して採算をとるということは、マジックのようなことでありましょう。


話を戻します。以上のような状況のなかで、いま、あえて、海外メディアのニュースを中心に据えた雑誌を創刊するという点で、「クーリエ・ジャポン」には拍手を送りたいところです。しかしながら、国際問題興味なしの日本市場には、棘の道がつづいていることでしょう。あえて創刊する勇気に答えるかたちで読者が反応し、売れ行き不振で廃刊なんてことにならないことを、祈っております。


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2005年11月29日 (火)



写真界における荒木経惟さん(アラーキー)と篠山紀信さんの関係が、社会学業界における宮台真司さんと大澤真幸さんの関係に似ているなあ、と思ったりしました。


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2005年11月28日 (月)



昨日、「残席わずか」と告知しましたが、おかげさまで予約は満員になりました。ありがとうございます。


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2005年11月27日 (日)



内藤×宮台トークですが、もうすぐ満席との連絡をジュンク堂書店よりいただきました。


通常は定員40名のところを、60名にしてもらったのですが、それでも残席わずかです。



JUNKU 連続トークセッション


宮台真司×内藤朝雄 「精神的売春を強いる社会」


日 程: 2005年12月29日(木) 19:00~


入場料: 1000円(ドリンク付) 


場 所: ジュンク堂書店池袋本店 4階カフェにて


定 員: 40名(お電話またはご来店にてお申し込み先着順)


お問い合わせ: 03-5956-6111(池袋本店)



いま、学校や職場で、何が起きているのか。あらゆる組織では、「なかよしごっこ」が演じられているが、その裏では日々、いじめやパワー・ハラスメント、そしてセクシャル・ハラスメントが発生している。こうした社会状況を、『いじめの社会理論』の著者・内藤は「精神的売春を強いる社会」と呼ぶ。


ニート、フリーター、下流社会……。最近、話題になっている若者の労働意識は、「精神的売春」とどのように関係があるのか。また、そうした社会状況を打開する手段はあるのか。


宮台真司をゲストに、現代社会の生態を徹底討論する。内藤が、しゃべり捲る!



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2005年11月27日 (日)



本年4月30日から本格始動した拙ブログですが、本日で10万アクセスに達しました。212日で10万ですから、1日平均472アクセスとなります。うち、日記をつけた日数は146日。初期は1日20アクセスなどが当たり前でしたが、最近は1日500~700くらいアクセスしていただけるようになりました。


ブログに比べると、webページのほうは2004年の初めから開設していますが、いまだ2万アクセスに届きません。いかに「更新」することが重要なのかを知らされた次第です。


つたない文章の羅列ですが、これからも、みなさんに読んでいただけるような情報を提供できればと思っております。今後ともよろしくお願いいたします。


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2005年11月27日 (日)



編集屋稼業をはじめてから、まともに1冊、本を読むことがなくなってしまいました。ほとんどの本は、ざっと読んで、要点に付箋をしたら終了~。


しかし最近、「どうせ全部読まないんだろうな」と思いつつ、『細野晴臣インタビュー』(細野晴臣著、北中正和編、平凡社ライブラリー)を買ったのですが、ひさびさに全部読んでしまいました。


細野晴臣さんを知っているか知らないかの世代的なボーダーラインは、何歳くらいなんでしょうね?


私らの世代は、イエロー・マジック・オーケストラ(YMO)で細野さんの存在を知り、音楽(とくにロックやポップス)に興味がある人だと、ティン・パン・アレーやはっぴーえんど、THE APRYL FOOLまでさかのぼるのが常でした。荒井由実のバックをやっていたのを知って、ちょっと感動したり。


それで、「やっぱ、細野晴臣のベースラインは、すごいなあ」とか「メロディー重視だから、歌謡曲をつくってもいいね」などと、勝手なことをいっていたわけです。私には、はっぴいえんどの「風街ろまん」というアルバムに入っている「夏なんです」と「風をあつめて」という曲のインパクトが、いまにいたっても残るくらい強烈でした。


いつだか忘れましたが、NHKが元旦にカンボジアのアンコール・ワットから生中継をやったことがあり、そのときのゲストのひとりが細野さんでした。2000年でしたか……。で、私も仕事でアンコール遺跡をうろうろしていたのですが、なんとバイヨン寺院で細野さんとお話しする機会があったのです。


「尊敬してます」とか「ベースを弾いているんですが、細野さんのベースは最高です」などと、そこらのファンと同じような(細野さんにとっては、迷惑きわまりない)ことをいったうえで、エラそうに「アンコール遺跡は、いかがですか」なんて細野さんに聞いてしまいました。細野さんはひとこと、「風が違うんだよね」と答えました。カッコよかったなあ……。


インタビュー本は、細野さんの生い立ちから音楽遍歴まで、かなり突っ込んで聞き出しているので、とても楽しめました。一番、印象にのこった部分を引用しておきます。YMOでバカ売れしていたころの回想です。「スターになるんだ」などという強い意志がなかった細野さんが、なぜか売れてしまったときの気分はどうかと聞かれたのに対し、こう答えます。



細野 イヤーなもんですよ。音楽をやり続けるために、成功するということは大事なことだと思っていたんですね。それでどんどん好きなことができるようになるし、売れていかなければ、いつかはできなくなっちゃうという法則もありますから。そのことで考えれば非常に嬉しかったんですけど、予測つかないことは人に顔を知られたりとか、いろんな人の耳や目にさらされて、視線に吸収されたり、刺激されたり攻撃されたりとか……ああ、そうかと思ったことがあって。例えばヨーロッパでは、文学者は大衆のいけにえなんていわれることがあったでしょ。特に緊迫した状況のなかでは、文学者が大衆に警告を発して、投獄されたり、不幸な目にあったりしている。その代わり、そういう人たちは大衆から大事にされていたわけですね。尊敬されて大事にされる。日本にはそういう伝統がなくて、大衆芸能の人たちがいけにえみたいなところがあって、べつに危機があるわけじゃないんだけど、人々の欲望のいけにえになるというか、しょせん芸人は食い殺されていくというような、消費されていくような感覚を持ったことがありますね。だから自分もやけに――YMOみんなそうですけど――ジャーナリズムの前あるいはメディアの前では、芸をしてるみたいにサービスしていましたね。(『細野晴臣インタビュー』p229-230)



これを読んだ私は、双風舎の著者のみなさんのことを勝手に考えてしまいました。もちろん人文系の物書きとミュージシャンを、単純に同一視するのはマズいとは思います。とはいえ、「大衆」に何かを訴えたり職能を有償無償で提供する意味で、両者は等価だと思います。さらに、細野さんがいうように、日本ではそういう職能人たちが、あまり「大衆」から大事にされていないということについては、このインタビューがおこなわれた1991年もいまも変わりがないように思えます。


「大衆」が職能人を大事にしなかったら、職能人も「大衆」を大事にしなくなるという悪循環になってしまうでしょう。いまのところ、「大衆」が大事にしていなくても、「大衆」を大事にしようとする職能人がすこしはいるからいいものの、そういう奇特な人がいなくなったら、世の中はどうなってしまうのでしょうか。


私は、「どうなってもいいじゃん」なんて、思いたくはありませんね。だから、奇特な職能人を大事にしていきたい、と強く考えています。



細野晴臣インタビューTHE ENDLESS TALKING

細野晴臣インタビューTHE ENDLESS TALKING





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2005年11月26日 (土)



ある日、内田春菊さんの事務所をたずねました。写真家の櫻田宗久さんは、内田さんのアシスタントをやっています。櫻田さんは「月刊薔薇族」にフォトエッセイの連載をしていて、いつしか「だれかいいモデルはいませんかねえ」なんて話になりました。で、いつしか宮台さんの名前が出て、私があいだに入って交渉したところ、写真撮影とインタビューを宮台さんにご了承いただけた次第です。ひさびさに、宮台さんが性について語っています。


こうして宮台さんの写真とインタビュー記事が掲載された「月刊薔薇族」1月号ですが、編集長・伊藤文学さんのブログ(ココログ)によると、売れ行き不振により廃刊となるようです。復刊して8号目です。


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2005年11月25日 (金)



だいぶ遅れてしまいましたが、以下のような面白い記事が掲載されています。とりわけ現役刑事によるカジノ汚職に関するスクープは、読みごたえがあります。久田編集長に拍手。あと、お笑い業界関係者の座談会と、大塚英志さんがイベントでキレたことをコラムに書いていたのが面白かったです。


■現役警察官カジノ汚職!!


■渡部昇一センセイの正体


■佐藤ゆかり研究


■お笑い業界関係者匿名座談会


■大塚英志の<反日>評論


などなど、盛りだくさんです。ぜびご購入くださいませ。


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2005年11月23日 (水)



しばらく更新できていませんが、双風舎も私も生きておりますのでご安心ください。笑


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2005年11月19日 (土)



11月17日付けの業界紙「新文化」に掲載された「ジャンル別週刊ベストセラー」での、弊社書籍のランキングは以下のとおりです。調査期間は、10月31日から11月6日。


●三省堂書店神田本店


<人文> 限界の思考 3位


●リブロ池袋本店


<人文> 限界の思考 11位


ちなみに、ご近所の千駄木・往来堂書店には、ポスターとポップも掲示されたうえで、『限界の思考』が平積みになっております。そのとなりには『デリダの遺言』も平積み。谷根千を散策した帰りには、ぜひ往来堂で弊社の書籍をお求めください。笑


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2005年11月18日 (金)



仲正昌樹さんと北田暁大さんのトークイベントに関する議論が、ここ数日、拙ブログをはじめ、その他のブログ日記で話題になっております。同イベントの講師である仲正さんと北田さんにもコメントをいただきました。 以下では、仲正さんのコメントをうけるかたちで、同イベントを企画した双風舎としての見解と謝罪の言葉を述べさせていただきます。


まず、トークイベント前後の事実関係を確認いたします。


第2回目のトークに関して、北田さんと双風舎とのあいだで、内容に関する事前の打ち合わせと呼べるものはありませんでした。議論の前ふりとして『デリダの遺言』に北田さんが触れることを確認したのみです。したがいまして、第2回目のトーク開始以前に、北田さんと三省堂、そして双風舎のあいだで、企画を中止にするような申し合わせも当然のことながら、一切ありませんでした。さらに、第2回目のトーク終了後も、北田さんは「本の企画は降りたいが、3回目のトークは予定通り参加します」とメールで私に連絡をくれました。


つまり、北田さんはトークを継続する方向で考えていました。とはいえ、本の企画が頓挫した以上、このトークは第2回で終了にしてはどうかと、私から北田さんに問いかけました。同時に、12月11日のトークは仲正さんの単独(私は補助役)でやってはどうかと仲正さんに確認しつつ、実施の可能性を三省堂さんに問い合わせました。三省堂さんからは、基本的にはトークイベントはふたりでやるものなので、12月分に関しては残念だが中止にしてはどうか、という回答がありました。こうして、第3回のトークが中止となり、そのことを仲正さんと北田さんにお伝えしました。


以上のような話がすすむなかで、北田さんは前述のとおり「デマやうわさが広がることを避けるため、また悪意のある宣伝をする人に口実を与えて、余計にシニカルな状況を作り出さないためにも、3回目もやろう」と私に伝えてきましたが、双風舎から中止の連絡をうけたわけです。くわえて北田さんは、以上のようなことを「仲正さんに伝える前に、中止が決まってしまった。よって、第2回トークのやりとりを勘違いして理解した人たちに対して、仲正さんが意見を発する機会をなくしてしまったことについては、申し訳なく思っている」と私にいっていました。しかし、それを仲正さんに伝えるタイミングを逸してしまい、結果として放置したような状況になってしまいました。この点については、いまさらながら、深くお詫び申し上げます。


以上のようなかたちで、第2回の仲正×北田トークが実施され、第3回の同トークが中止になるという流れのなかで、あたかも「仲正さんが統一教会の偽装脱会信者であるかのようなデマ」が発生してしまいました。このデマが、まったく根拠のないものであることは、読者よりも仲正さんと近くで接している担当編集者としての私が、もっともよくわかっていることだといえます。 よくわかっていながら、デマを放置し、そのデマに対して、仲正さんが拙ブログのコメント欄で反論せざるを得ないような状況をつくってしまった双風舎の責任は、重いものだといえます。そして、こうした対応の遅れについて、仲正さんが憤慨されるのは、至極当然のことだと考えます。


仮に、第3回の同トークを実施していれば、こういったデマに対する意見や批判などを、仲正さんが公的に表明することが可能だったかもしれません。同トークの継続を中止にすることにより、仲正さんからそういう機会を奪ってしまったことの責任は、すべて双風舎にあります。 以上のことから、仲正さんに関する名誉毀損的なデマやうわさが、まったく真実とはことなることを示すためにも、もう一度、トークイベントを開催させていただくべく、仲正さんに問い合わせているところです。 その場で、仲正さんには今回の事態の問題点を述べていただくとともに、双風舎が至らなかった点について、正式にお詫びできればと考えております。


最後になりましたが、トークイベントが発端になり、仲正さんに対するデマやうわさが流れてしまったのにもかかわらず、イベントを企画した双風舎の対応が遅れてしまったことを、仲正さんに深くお詫び申し上げます。


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2005年11月17日 (木)



 AMPについては、出品したことも、買ったこともないので、それほど注目していませんでした。とはいえ、京都の三月書房さんが出しているメルマガ「三月書房販売速報[083]」によると、アマゾンは「1円の商品を出品しても、出品者とアマゾンが損をしない」という、ものすごく合理的な仕組みをつくりあげているようですね。驚きました。以下、同メルマガから引用いたします。



AMPでの値下げ競争は、たとえば「世界の中心で、愛を叫ぶ」の単行本は現在たったの9円ですが、1円で売ってる本も少なくありません。1円で売っても損しないのは、送料が一律260円もらえるので、佐川急便あたりと大口契約すれば半分の130円位は残るからです。アマゾンの取り分は1円の15%ですから儲けにならないように見えますが、ここも送料の差額が1冊あたり80円あるので損はありません。1円とはいえ、購入者は送料340円がかかるわけですが、1円で売買してだれも損しないというのは、AMPがまことに合理的なシステムであることの立派な証明といえるでしょう。



一方、別のエントリーで「なか見!検索」に参加すると書きました。参加する理由の第1は、ネット書店を利用する読者に対するサービスの一環です。本を買おうと思ったら、立ち読みできないより、できたほうがいいでしょう。非常に単純です。


第2は、本文をネットに流すことにより、より多くの方がたが弊社の書籍と出会えると思いますし、利用していただけるようになる、という点です。一般読者から研究者まで、幅広い分野の方がたに読まれ、引用されることは、版元にとっても著者にとっても、意味のあることだと考えます。本をつくったら、けっきょくは読まれてなんぼ、引用されてなんぼ、参照項になってなんぼの世界だと私は思っていますので。


アメリカのアマゾンでは、ページ単位での購入も可能になっているとのこと。これも、ネット社会の潮流からいえば、必然的な流れであると思います。ネット書店も版元も、読者からお金をもらって、バラ売りできるうちがハナであり、最終的にはネット版は「無料でどうぞ」ということにもなりかねません。そして、それは仕方のないことだと私は思っています。もちろん、いますぐにそうなる、というのではありません。近未来の話です。


そうなると著作権の問題が出てくるでしょう。ネットで流した文書(それが版元が発売する書籍の一部または全部であれ)に「著作権」があるのかどうか、また、その「著作権」にこだわりつづけるのがどうなのか、という問題ですね。法大の白田さんが研究されている問題です。


私は、モノとしての書籍については、これからもずっと、著者とともに「著作権」を保持しつづけると思います。それが根拠になって、生活の糧が得られるわけですし、著者に印税を払うこともできるからです。とはいえ、アマゾンであれどこであれ、ネットに流す文書(書籍の一部または全部)については、著者と厳密なる相談をしたうえで、「著作権フリー」にしてしまうことも、ひとつの方向性だと思っています。当然、ネットに流した文書であっても、「著作権」があると考えられ、売れるとお金が入ってくるシステムが機能しているうちは、それにしたがうつもりですが。


いずれにしても、本を送ると、ネットで立ち読みできてしまうところまでの作業(これは、けっこうたいへんな作業でしょう)を引き受けてしまうアマゾンの覚悟は、半端ではありません。以上の通り、私にはこのシステムに抗う理由がないので、そのまま乗っかることにしました。


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2005年11月17日 (木)



 「ASAHIパソコン」の最新号に、トップ記事の扱いで「売上800億円!? アマゾンの成功の秘密を探る」という記事が掲載されていました。


 推定であるとはいえ、この売上金額は、紀伊國屋書店と丸善につづく第三位の規模なのだそうです。つまり、日本3位の書店、ということですね。ジャスパー・チャン社長は、顧客満足度の高さが、業績好調の理由だといっています。


 弱小零細規模である弊社のアマゾンの売上状況は、ジュンク堂書店、紀伊國屋書店につづいて、やはり第3位となります。「限界の思考」に限っていえば、ジュンク堂書店につづく第2位。売上では確実に、チェーン展開している大書店と肩を並べています。ネット書店とリアル書店の対比については、いろいろ議論があるようですが、弊社にとってのアマゾンは、たいせつなお得意様であることは確かです。


 弊社がお付き合いをしているネット書店は、ほかにbk1があります。こちらの売上実績は、本によってことなりますが、平均するとアマゾンの5分の1くらいです。ちなみに『挑発する知』では「アマゾンが3対bk1が1」であったのが、『限界の思考』にいたっては「アマゾンが10×bk1が1」という比率になっております。


 bk1(=図書館流通センター)には、ネットでがんばっていただきたい。とはいえ、5カ月の在庫期間がすぎると、実売分を精算したうえで、それ以降は弊社の書籍を取り扱っていただけないのは、ちょっと困ります。検索はできても、「現在お取り扱いができません」と表示されてしまうのは、悲しいものです。アマゾンは、弊社のすべての書籍をストックしてくれています。


 余談ですが、アマゾンの「なか見!検索」には、弊社も参加する予定で、ただいま手続きを進めています。


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2005年11月15日 (火)



すでにおふたりが言及しておりますが、12月11日に三省堂書店で実施を予定していた仲正×北田トークの第3回目は、中止にさせていただきます。次回を楽しみにしていただいていたみなさまに、この場をかりて、深くお詫びいたします。


トークは中止になりましたが、このことによって、仲正さんと北田さんが「決裂した」などと、くれぐれも早とちりをしないでください。おふたりは今後も、さまざまな媒体で、種々の仕事を一緒にされていくことでしょう。期待しております。


弊社では、今年から来年にかけて、いくつかの企画を準備しております。もちろんトークセッションも実施いたします。すこしだけ手の内を明かすと……、キーワードは「排除の社会理論」「丸山真男」「スピヴァク」といった感じです。


すでにお知らせしましたが、12月末には内藤さんと宮台さんのトークを企画してみました。みなさまのおこしを、心よりお待ちしております。


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2005年11月15日 (火)



北田さんにもコメントを書き込んでいただきました。トークの三回目が中止になった経緯を、とても丁寧に説明していただけました。ありがとうございます。


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2005年11月15日 (火)



なんとなんと、仲正さんご本人に、コメントを書き込んでいただきました。ご一読くださいませ。


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2005年11月15日 (火)



まだ正式な告知がされておりませんが、以下のトークセッションを企画しました。



JUNKU 連続トークセッション


宮台真司×内藤朝雄 「精神的売春を強いる社会」


日 程: 2005年12月29日(木) 19:00~


入場料: 1000円(ドリンク付) 


場 所: ジュンク堂書店池袋本店 4階カフェにて


定 員: 40名(お電話またはご来店にてお申し込み先着順)


お問い合わせ: 03-5956-6111(池袋本店)



いま、学校や職場で、何が起きているのか。あらゆる組織では、「なかよしごっこ」が演じられているが、その裏では日々、いじめやパワー・ハラスメント、そしてセクシャル・ハラスメントが発生している。こうした社会状況を、『いじめの社会理論』の著者・内藤は「精神的売春を強いる社会」と呼ぶ。


ニート、フリーター、下流社会……。最近、話題になっている若者の労働意識は、「精神的売春」とどのように関係があるのか。また、そうした社会状況を打開する手段はあるのか。


宮台真司をゲストに、現代社会の生態を徹底討論する。内藤が、しゃべり捲る!



内藤朝雄(ナイトウ アサオ)…1962年東京都生まれ。愛知県立東郷高校を中退。山形大学、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻博士課程を経て、明治大学専任講師。専攻は、社会学、臨床社会学、心理社会学。著書に『いじめの社会理論』(柏書房)、共著に『学校が自由になる日』(宮台真司氏・藤井誠二氏との共著、雲母書房)など。


宮台真司(ミヤダイ シンジ)…1959年仙台市生まれ。東京大学助手、東京外国語大学講師を経て、首都大学東京都市教養学部准教授。社会学博士。専攻は社会学、社会システム理論。著書に『権力の予期理論』(勁草書房)、『援交から天皇へ』(朝日文庫)、『挑発する知』(姜尚中氏との共著)、『限界の思考』(北田暁大氏との共著、ともに弊社刊)など。



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2005年11月15日 (火)


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2005年11月14日 (月)



 昨日もイベント、今日もイベントです。すでに満員かもしれませんが……。



トークイベント「憂国呆談スペシャル」


「週刊ダイヤモンド」誌上で田中康夫氏と浅田彰氏が連載中の人気対談「続・憂国呆談」に、特別ゲストとして宮台真司氏が参加。3名による公開鼎談が行われます。


 本イベントは、『ニッポン解散~続・憂国呆談』(田中康夫&浅田彰著、ダイヤモンド社)と『限界の思考』(宮台真司&北田暁大著、双風舎)の発刊を記念して行われるものです。


【講演者】


田中康夫氏(作家、長野県知事、新党日本代表)


浅田 彰氏(京都大学経済研究所助教授)


特別ゲスト・宮台真司氏(首都大学東京准教授)


●日時:11月14日(月)18:30~20:00(開場18:00)


●会場:八重洲ブックセンター本店/8階ギャラリー


    〒104-8456 東京都中央区八重洲2-5-1


●定員:100名(先着順)※定員になり次第、締め切らせていただきます。


●参加費:無料


●お問合せ:03-3281-7797(八重洲ブックセンター)



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2005年11月13日 (日)


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2005年11月13日 (日)



 3日前の情報では、すでに90人の方から予約をいただいたとのことでした。残席わずかです。私がいうのもなんですが、今回の討論は面白くなりそうですよ。


 会場でお待ちしております!



仲正昌樹×北田暁大トークセッション


「わかりやすいことは、いいことなのか?―メディア・政治・ロマン主義―」


日時:11月13日(日)16時~18時


場所:三省堂書店神田本店8階特設会場


参加条件: 要予約先着100名、参加費500円(当日)


予約・問合せ:三省堂書店神田本店 03-3233-3312(代表)



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2005年11月12日 (土)



 ロブさんがふたたび、事件に関して書いています。ごもっとも。


 http://www.wbbs.jp/user/ootsuki/blog/archives/2005_11_11_193.html#trackbacks


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2005年11月12日 (土)



 というのは、荒井由美由実の「中央フリーウェイ」という曲の一節ですが、本日、超久々に家族で東京競馬場へいってきました。私が競馬をやっていたのは、ミスターシービーが天皇賞で猛烈な足で差して勝ったり(この感動シーンは、現場で見ました!)、シンボリルドロフルドルフが無敗の三冠を達成したころのこと。それ以来、やっていませんでした。


 いやはや、競馬場はまったく様変わりしていました。そもそも、馬券の買い方がマークシートになっており、どうやって目的の馬券を買うのかという部分で、すでに四苦八苦していました。戦績は、4レースで4500円ほど使って、660円回収という惨敗……。とはいえ、場内は広々としており、競馬場の真ん中には子どもの遊技場があったりと、なんとなく特別な場所に来たなあと思える点で、子どもの散歩にはちょうどいいような気がしました。谷中からだと、ちと遠いのが難点ですが。


 ついでに、明日のGⅠレース「エリザベス女王杯」の馬券を買いました。単勝のオッズが高い順に、4点を100円ずつ(しょぼいっすね)。当たれば、明日のトークセッションの打ち上げで、すこしだけ豪勢なものが食べられるということで。まず、当たらないと思います。


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2005年11月12日 (土)



 業界紙「新文化」11月10日号の「週刊ジャンル別ベストセラー」によると、弊社書籍のランキングは以下のとおりです。調査期間は、三省堂書店とリブロが10月24日~30日、八重洲ブックセンターが10月27日~11月2日。


<三省堂書店神田本店>


 ■社会・人文


  「限界の思考」が2位


  「デリダの遺言」が3位


   ※ちなみに、1位は組織買いの「神秘の法」です。


<八重洲ブックセンター本店>


 ■人文・政治・社会


  「デリダの遺言」が10位


<リブロ池袋本店>


 ■人文


  「限界の思考」が20位



 以上、たくさん売っていただき、有り難き幸せ。


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2005年11月10日 (木)



 明大の内藤朝雄さんと宮台真司さんとのトークセッションを企画しました。テーマは「精神的売春を強いる社会」。12月29日の夕方で、場所はジュンク堂書店池袋本店です。細かいことは、ジュンク堂書店の告知がはじまってから、お知らせいたします。


内藤さんには、『いじめの社会理論』(柏書房)や宮台さんと藤井誠二さんとの共著『学校が自由になる日』などの著書があります。


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2005年11月10日 (木)



 ひさびさに出席しました。今回は、「宮台真司、自著を語る」の『限界の思考』編でした。面白かったです。内容の一部は、テープ起こしをして、そのうち掲載します(時間がかかりそうなので、「そのうち」ということで)。


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2005年11月 9日 (水)



 うれしいことに『限界の思考』が、10月の人文書売上で1位だったそうです。ブックファースト渋谷店では、全部門のランキングで10位(10月17日から23日の集計)。有り難き幸せ。


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2005年11月 9日 (水)



 「この人のつくるドキュメンタリーに、はずれはない」と思っているディレクターが、ふたりいます。ひとりは、ドキュメンタリージャパンの五十嵐久美子さん。98年に放映されたNHKスペシャル「なぜ隣人を殺したか・ルワンダ虐殺と煽動ラジオ放送」をつくった方です。もうひとりは、フリーの玄真行さん。ともに、カンボジアで番組づくりのお手伝いをしました。おふたりとも、映画もつくっているから、監督でもあります。


 このたび、玄さんがつくった映画が公開されるのを記念して、玄さんのドキュメンタリー作品2本も、シネマアートン下北沢で公開されることになったそうです。テレビ放送のドキュメンタリーは、たいてい一過性で、見逃したらお終いだというケースが多いと思います。この機会に、ぜひ観にいってください。


 で、玄さんの作品以外にもう1本、すばらしいドキュメンタリーが公開されます。観た方も多いと思いますが、中国の麦を刈る民を取材した佐野岳士さんの作品「麦客」です。佐野さんとは面識がありませんが、やはり「はずれのない」ディレクターのひとりだと思います。


 玄さんとは、TBSで放送していた「神々の詩」という番組をつくりました。トンレサップという湖で暮らす人びと(カンボジア人、チャム人、ベトナム人が共存している)を、雨季と乾期とに分けて取材しました。空撮のために空軍のヘリを借りて、撮影してヘリから降りると、料金が見積の倍になっていたり。夜明け前におこなわれる漁の取材をしようと思ったら、舟がマングローブに引っかかり、抜け出したときには夜が明けていたりとか。取材対象者に確定していた人が、いきなり行方不明になってしまうとか。いろんなことがありました。


 「はずれのない」ドキュメンタリー3本と映画1本。下北沢へ足を伸ばす価値はあります。




「シャウト オブ アジア<ニューバージョン>」上映記念企画


ドキュメンタリーの力


上映日程: 12月10日~23日 20:30~


場   所: シネマアートン下北沢 (でんわ 03-5452-1400)


A. 「無頼の遺言――棋士・藤沢秀行と妻モト――」


 これは、NHK「にんげんドキュメント」で放映された「かあちゃんは好敵手」のロングバージョンです。


B. 「そして僕は日本で生まれ育った――在日コリアン・家族の100年――」


 これは、NHKハイビジョンとBSで放映されたもので、在日である玄さんのルーツを探る旅を追ったロードムービーです。気合いが入っています。


C. 「麦客――中国・激突する鉄と鎌――」


 これは、NHKスペシャルで放映されたものです。現代中国の実像を、見事に描き出した作品だと思います。


上映予定などの詳細は、こちら→ http://www.cinekita.co.jp/schedule.html#documentary



こう見てみると、最近は日本放火協会(NHK)などといわれているNHKの番組も、けっして捨てたものじゃない、とつくづく思います。ていうか、上質のドキュメンタリーを制作できる土壌は、いまやNHKにしかないといっても過言ではありません。それだけに、続発する不祥事と幹部連中の稚拙な対応が、残念で仕方ありません。


玄さんの映画「シャウト オブ アジア」の情報も、上記webページで得られます。出演するアジアのミュージシャンのなかに、忌野清志郎さんが含まれていたりして、いい感じです。


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2005年11月 9日 (水)



まずは、これを読んでみてください。


http://www.wbbs.jp/user/ootsuki/blog/archives/2005_11_4_191.html#trackbacks


ロブ大月さんの見解は、まっとうだと私は思います。テレビや雑誌にて、したり顔で語る「評論家」や「精神科医」のコメントは、まゆつばなものばかり。畑違いなことでも、よく知らないことでも、平気でコメントをしてしまう人たちは、高額なテレビ出演料をもらう。まっとうなコメントをするロブさんは、日々の生活におわれている。「時間の穴埋め」のために、いい加減なコメントを垂れ流すワイドショー。それを製作しているテレビ局プロパーの人びとも、たいへんな高給取り。


いつもアンテナを張り巡らして、こういうときにロブさんからコメントをもらうようなディレクターやリサーチャーは、いないのでしょうか(もしいたら、ごめんなさい)。あの少女と潜在的な部分で似ている中高生なんて、たくさんいるんだから、今後もいろんな問題がおきるでしょう。そういうときに、ロブさんにサッと連絡をとって、コメントをもらい、高給コメンテーターの報酬の一部をロブさんに分配するくらいのことは、してもいいでしょ、ディレクターさん。そういう姿勢こそ、メディアが業界ぐるみで(エラそうな物言いで申し訳ありませんが)フリーライターやルポライターを育てるってことに、つながるんじゃないのかなあ。


以上ではロブさんの名前を使わせてもらいましたが、ネタや分野によって、テレビでも適切なコメントができそうなフリーライターやルポライターは、たくさんいます(ねえ、渋井さん)。で、大御所をのぞいた彼らは、ほとんど日々の生活におわれています。高給コメンテーターの報酬を彼らに分配し、彼らの取材環境を整えることは、テレビにとっても大きな利益になると思うのですが。


高給コメンテーターを起用するのは高給ディレクターや高給プロデューサーであり、その組み合わせで制作されるワイドショーのレベルが低下しているということは、つまり「高給」だと「レベルが低下」してしまう可能性がある、ということを示しているのでは? (ぜんぶが全部、そうだとはいいません。あくまでも「可能性がある」ということです。ディレクターのなかには、下請け低報酬でやっている人もたくさんいますから)


私自身は、本を出しながら、死なない程度に生きていければいいと思っているので、高給な方がたをストレートに「うらやましい」とは思いません。一方で、カネは無いよりあったほうがいい、というのも正直なところ(日々の資金繰りにおわれつつ……)。なんか矛盾していますが、やっかみやねたみで、こんなことを書いているわけではない、ということは確かです。


では、どうして書いているのかというと、高給な方がたが集まって制作される番組が低質であり、その方がたが潜在的な取材力(優秀なフリーライターやルポライターの力)を活かしきれず、その方がたに番組の質を向上させる気概も能力もないのだとすれば、もしかしたらその高給は「無駄金」なのかもしれない、なーんて一瞬だけ思ったりしたからです。まあ、その「無駄金」を私が直接払っているわけではありませんが、「広告宣伝費」としてあらゆる商品に加算されているお金で、民放のテレビ番組がつくられていることを考えると、「メーカーさん、『無駄金』を節約して、商品の代金を安くしてくれるか、ワイドショーの質が上がるよう、テレビ局に働きかけてくださいよ」と言いたくもなります。


テレビは好きだけど、最近のワイドショーは見る気がしなくなってきました。


タリウム事件については、こちらも参考になります→http://d.hatena.ne.jp/hatesbtetuya/20051104


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2005年11月 9日 (水)



英文は、さらにカッコいい文章です。


http://d.hatena.ne.jp/odanakanaoki/20051104


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2005年11月 8日 (火)



 ついに『波状言論S改』が発売になります。発売日前に重版確定とのことで、うらやましいかぎり。同書の刊行を記念して、以下のようなトークセッションが開催されます。ぜひ私も聞きにいこうと思います。



第28回新宿セミナー@kinokuniya


『波状言論S改』(青土社)刊行記念トークセッション


「ゼロ年代の批評の地平 ―リベラリズムとポピュリズム/ネオリベラリズム」


◎講師:東浩紀/北田暁大/斎藤環/山本一郎(切込隊長)


■日時:2005年12月25日 午後6時半開演(午後6時開場)


■場所:紀伊國屋ホール(紀伊國屋書店新宿本店4階)


■入場料:1,000円(全席指定・税込)


■ご予約・お問い合わせ:紀伊國屋書店事業部(03-3354-0141)10:00〜18:30


■チケット発売(予約):11月15日(火)より開始


■主催:紀伊國屋書店 協力:青土社



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2005年11月 7日 (月)



 今回は、仲正昌樹著『デリダの遺言』に対する北田さんの批評と著者による応答、さらに「生き生き思想」や「生き生き知識人」、そして「わかりやすい言説」について、徹底的に議論する予定です。


 ぜひご来場ください!



仲正昌樹×北田暁大トークセッション


「わかりやすいことは、いいことなのか?―メディア・政治・ロマン主義―」


日時:11月13日(日)16時~18時


場所:三省堂書店神田本店8階特設会場


参加条件: 要予約先着100名、参加費500円(当日)


予約・問合せ:三省堂書店神田本店 03-3233-3312(代表)



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2005年11月 5日 (土)



 いろいろありましたが、『限界の思考』を2000部ほど、来週金曜の出来予定で重版することにしました。広告・宣伝をほとんどしていないのに、ひとり出版社が刊行する人文書が、それも「対談本」が、このように版を重ねられるのは、著者のおふたりの力、読者人の方がたのあたたかい支援、そして書店人の方がたによる積極的な販売促進活動によります。宣伝力のない弊社の本が読者の目にとまるのは、書店の棚に平積みにしていただいているからであり、また口コミやブログで個人単位の宣伝をしていただいているからです。さらに、いつもながら取次のJRCには、絶大なるサポートをしていただいております。この場をかりて、みなさんに深く感謝いたします。


 一方、『デリダの遺言』も500部の重版が決まりました。来週金曜の出来予定です。仲正さんの底力を示すがごとく、予想以上に実売数・受注数が伸びております。


 今月10日には、東浩紀さん編『波状言論S改』が青土社から刊行されますが、この本の執筆者には宮台さんも北田さんも含まれます。定期購読していた「波状言論」を読むかぎりでは、内容が重なっている部分はあるものの、同書は『限界の思考』のライバルというよりも、相互補完的な位置づけの本になるような気がしております。


 したがって、ぜひともうまく連携しつつ、年末商戦に挑んでいければと考えています(青土社はどう思っているかわかりませんが……)。ひさびさに人文書が盛り上がりそうな雰囲気なので、「販促、販促!」です。宮台さんが雑誌「現代思想」の悪口を書いているからといって、それが双風舎の姿勢であるとは限りません。本がたくさん売れて、人文書業界が盛り上がって、著者の思考が読者に伝わって、読者が刺激をうけて、書店がもうかって、版元ももうかって、従業員の給料(弊社の場合、私の給料)が支払えれば、それでいいじゃありませんか(まあ、それでよくないのが「党派性」なわけですが、そんなものはドブに捨てたほうがいいかも)。


 とにかく、本は出た(出る)ことですし、東さんも積極的にイベントをやるようですし、弊社も年内にいくつかのイベントを仕込んでいますので、『波状言論S改』と『限界の思考』、そして『デリダの遺言』を核にしつつ(もちろん、他の刺激的な本が出れば、それらも含めて)、書店人や読書人を巻き込んだかたちで、人文書業界にちょっとした「祭り」を起こしたいものです。


 最後になりましたが、新刊2点が順調に売れていることへの感謝の意を込めて、『限界の思考』に掲載予定であった附録「三酔人社会学問答――千駄木の酒場にて――」を、近々、弊社のwebページにアップする予定です。ただいま筆者による最終校正中です。乞うご期待!。


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2005年11月 2日 (水)



 昨日、紹介した謎の鼎談は、「可もなく不可もなし」といった読後感でした。誰がどの意見に強く反発するわけでもなく、一部の議論をのぞいては「だよねー」の連続であるような気がしました。とはいえ、仲正さんが『諸君』に登場したことは、けっこう重要なポイントであると思いました。


 それよりも、『Quick Japan』Vol.62(太田出版)に掲載された山下達郎と山口隆(サンボマスター)の対談が、ひじょうにおもしろかった。年の差は、親子同然。どんな話になるのか、わくわくしながら読みました。雑誌の対談をわくわくして読むなんて、ひさびさですなあ。


 アイロニカルな視点で業界を眺めながら音楽をつくる山下と、熱い心とロックンロールを愚直に信じながら音楽をつくる山口が、世代を超えてリンクする部分があったり。マクルーハンとかが平気でポンと出てくる山下の博識に山口が諭されつつも、みずからの時代の気分を山下さんに解説したり。


 とりわけ、以下の山下の発言には、ぐっとくるものがありました。山下の曲には、企業とタイアップしている曲が多いが、消費される恐怖のようなものを感じないか、という山口の問いかけに対して、山下は以下のように答えます。



山下  (笑)。「心は売っても魂は売らない」――それがこの商売の根幹なの。すべての芸能、すべてのコマーシャリズムというのは、心のどこかのパートを売らなければならない。問題はその中でいかに音楽を作る上でのパッションや真実をキープできるか。ただの奴隷じゃなくて。モノを作るというのは、常にそういう問いかけがある。(『Quick Japan』Vol.62 p40)



 「やっぱ達郎はホンモノだ!」と思いました。言い回しは違うけれど、似たようなことを私は宮台さんからよくいわれます。そのとおりだと思うし、宮台さん自身も、それを実践している部分があるような気もします。「三羽烏」の一羽として『諸君』の鼎談を引き受ける仲正さんにも、そういう匂いを感じます。


 カッコつけて「心を売ったらおしまいだ」「心を売ることは、魂を売るのと同義だ」なんていって、肩肘を張っている人を、私はあまり信用できないんですよね。そうやって肩肘を張っている人ほど、思いこみや押しつけが多く、わけのわからない正義を主張したりします。


 というわけで、音楽の対談なのに、いろいろと勉強になりました。


 同誌vol.62の第1特集は山下達郎。全オリジナルアルバムに関するインタビューも、ヒストリカル・ソングブックも、興味深く読みました。山下ファンには、こたえられない内容です。


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2005年11月 1日 (火)



 『諸君』12月号(文藝春秋)に、以下のような豪華メンバー(!?)による鼎談が掲載されています。「異色異能の若手論壇三羽烏」というリードに、思わず微笑みが……。サイン会後の仲正さんによれば、意外に物静かな対談であったとか……。往来堂書店で買って、読んでみます。



タバコ・フェミニスト・監視カメラ・人権擁護法案…


本邦初顔合わせ! 異色異能の若手論壇三羽烏が、日本の混迷する知的状況を徹底解剖


小谷野敦(国際日本文化研究センター客員助教授、東京大学非常勤講師)


仲正昌樹(金沢大学教授)


八木秀次(高崎経済大学助教授)



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