双風亭日乗

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2006年3月14日 (火)

ザ・ハードコア・ナックルズ発売



おなじみになりましたが、『ザ・ハードコア・ナックルズ』が発売になりました。


ライブドアがらみで「堀江貴文のブラックボックス」と「『野口英昭先輩他殺説』のストーリー」という記事があります。後者は、前編集長の久田さんが、じつは野口さんの高校・大学時代の後輩だった、という記事です。人は、いろいろなところでつながっているんですね。


また、「特捜部が狙う『ITとズブズブ自民党議員』」は、議員の実名が炸裂していて楽しめる内容です。ホリエモンの朋友の錬金術を暴露した「秋元康徹底研究」もおもしろかった。


大塚英志さんの連載「<反日>評論」のタイトルは、「極左の陰謀に戦いを挑む『夕刊フジ』。文藝春秋の記者が、社民党の応援をした香山リカに対して「色がつきますよ」といい、取材がおわると「ぼく香山さんのファンなんです、出版部に移ったら香山さんの本、出させてください」などといったこと。それについて大塚さんが「自分の仕事上の言動が『他人事』のように自分でふるまえるあたりはなるほどこの国の現在のことばを正確に反映して」いると指摘。


仕事をするうえで、本音と建前の使い分けは、ある程度は必要だと思います。とはいえ、やはり相手が何を書いてきたのか、また何を考えているのかということを踏まえたうえで接しないと、相手に「なんだこいつは」と思われてしまうのは必然。おそらく上記の記者は、素朴な発言をしたのだと思いますが、その素朴さって自己チューから発しているんじゃないのかなあ、などと思ったりもします。


私は「色がつく」という言葉が大嫌いです。たとえば記者さんの場合だと、「色がつく」んじゃなくて、あんたが「色をつけている」んでしょう。自分に色をつけて、同じ色の人たちだけで集まり、内部で「だよねー」なんて議論ばかりしている共同体。相手に色をつけて、自分の色とは違うという一点で、根拠のない議論を平気で持ちだしたりして相手を罵倒する人たち。けっこうたくさんいますね~。


さらに、香山さんあたりでも「極左」といわれてしまうことに困惑し、そういった状況は端的に、『夕刊フジ』による「極左」という言葉の使い方にあらわれていると大塚さんは言います。私は『フジ』を読まないので、そのへんはよくわかりませんが、「『フジ』を読んでいると全ての政争はいまや『極左』の陰謀との戦いってことになる」くらいのことになっているらしい。なんだか、ジェンダーフリーへのバックラッシュも、『フジ』と同根の問題であるような気がしました。


その他、盛りだくさんな内容なので、ぜひご一読ください!


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