双風亭日乗

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2006年5月24日 (水)

新刊のお知らせ――宮台真司・上野千鶴子ほか著『バックラッシュ!』




あまり詳細をあきらかにせず、着々とすすめていた企画が、ようやくかたちになります。


以下、6月末に配本予定の新刊に関する情報を公開いたします。


なお、本書に関するくわしい情報やバックラッシュ全般(争点や問題点)について、著者の声、また編集作業の進行などについては、5月26日本日中に新設するブログのほうに掲載いたします。ご期待ください!


装丁については、デザインの詳細や色などについて、ただいま検討中です。今回、ご紹介したものは、あくまでも「ラフ」の段階のものなので、デザインや色が変わるかもしれません。ご注意ください。


さて、内容の詳細を紹介するのは、新設ブログにゆずります。ここでは、ごく簡単に企画の経緯などを。


そもそも、私が書店で宝島ムック『男女平等バカ』を目にしたのがきっかけでした。「男女平等」と「バカ」がどのように関連しているのか。そう思った私は、さっそく同ムックを読んでみました。そして、「つくる会」「正論」「諸君」的な論調で、ただただジェンダーフリーを叩くような内容に、あきれかえってしまいました。


同ムックを読んで、「男女平等で、何が悪い!」と思った私は、ある人に企画の相談をしました。そのときに、同ムックのような言説や論調が「バックラッシュ」と呼ばれる現象だと知りました。私自身は、「ジェンダーフリー」という言葉を擁護するわけでも非難するわけでもありません。とはいえ、「ジェンダーフリー」をめぐるバックラッシュ現象のひどさは目に余るものがあり、ここらでどうにかできないものかと考え、企画を思い立った次第です。


ですから、本書は「ジェンダーフリー」をめぐる現象や動きをテーマにはしていますが、けっして「ジェンダーフリー」を擁護するための本でもなく、非難するための本でもありません。ここは大きなポイントです。そのことは、執筆陣の顔ぶれを見ても、おわかりになるかと思います。とにかく、そろそろバックラッシュなんてやめて、第三の道をさぐろうではありませんか。それが本書の主たるコンセプトなのです。


半年の準備期間を経て、双風舎が送り出す、売れ筋の新刊です。


書店人の方がた、ひさびさに「祭り」の時期がやってきました。関連書のリストをつくり、提供させていただきます。この本を核にして、人文書や社会評論コーナーの「祭り」をやろうではありませんか。このブログで「祭り」が起きてはこまりますが、書店で「祭り」が起きるのは大歓迎です!


読書人の方がた、ごぶさたしておりました。『チマ・チョゴリ制服の民族誌』に引き続き、『バックラッシュ!』もなにとぞよろしくお願いいたします。いずれもすでに、アマゾンで予約・購入していただけます。



■タイトル : バックラッシュ!


■サ  ブ : なぜジェンダーフリーは叩かれたのか?


■著  者 : 宮台真司、上野千鶴子、斎藤環、小谷真理 ほか


■定  価 : 本体1900円(予定)


■判  型 : 46判、並製、アジロ綴じ、400ページ(予定)


■初版部数 : 未定


■発行年月日: 2006年6月25日(予定)


■I S B N : 4-902465-09-4 C0036


■目  次 :


まえがき by 編集部


Ⅰ バックラッシュとは何か?


 宮台真司 ねじれた社会の現状と目指すべき第三の道


      ――バックラッシュとどう向き合えばいいのか――


Ⅱ 嗤う日本のバックラッシュ


 斉藤環 バックラッシュの精神分析


 鈴木謙介 ジェンダーフリー・バッシングは擬似問題である


 後藤和智 教育の罠、世代の罠


      ――いわゆる「バックラッシュ」に関する言説の世代論からの考察――


 <コラム> バックラッシュを知るためのキーワード一〇


Ⅲ 男女平等のアカルイミライ


 山本貴光+吉川浩満 脳と科学と男と女――心脳問題〈男女脳〉編


 澁谷知美 バックラッシュ言説は「非科学的」である


 小谷真理 テクハラとしてのバックラッシュ――魔女狩りの特効薬、処方します


 <コラム> 男女共同参画予算とは何か


Ⅳ ジェンダーフリー再考


 ジェーン・マーティン+バーバラ・ヒューストン ジェンダーを考える


 バーバラ・ヒューストン 「ジェンダー・フリー」概念に関するコメント


 山口智美 「ジェンダー・フリー」論争とフェミニズム運動の失われた一〇年


Ⅴ バックラッシュの争点を探る


 小山エミ 「ブレンダと呼ばれた少年」をめぐるバックラッシュ言説の迷走


 瀬口典子 「科学的」保守派言説を斬る!――生物人類学の視点から見た性差論争――


 長谷川美子 たかが名簿、されど名簿――学校現場から男女平等を考える


 荻上チキ 政権与党のバックラッシュ


 <コラム> バックラッシュ、七つの論点


Ⅵ バックラッシュを乗り越えるために


 上野千鶴子 不安なオトコたちの奇妙な〈連帯〉


       ――ジェンダーフリー・バッシングの背景をめぐって――


執筆者紹介



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新刊のお知らせ――宮台真司・上野千鶴子ほか著『バックラッシュ!』:

コメント

≪中華民国憲法は、男女平等と書かれているようです≫

 中華民国(台湾)憲法の第7条によると
 「中華民国(台湾)の人民は、男女、宗教、種族
  階級、党派を分つこと無く、法律上では一律の平等が在る。」
  と書かれているようです。 


http://info.gio.gov.tw/ct.asp?xItem=13370&CtNode=904&mp=1#2

http://74.125.153.132/search?q=cache:OtskNgNz6xsJ:www.gio.gov.tw/info/news/constitutionc.htm+%E4%B8%AD%E8%8F%AF%E6%B0%91%E5%9C%8B%E6%86%B2%E6%B3%95&cd=1&hl=ja&ct=clnk&gl=jp&lr=lang_zh-TW

 中華民國行政院新聞局

  中華民國憲法

  ・第 二 章 人 民 之 權 利 義 務 § 7-§ 24


   中華民國三十五年十二月二十五日制定
   中華民國三十六年一月一日公布
   中華民國三十六年十二月二十五日施行


   第一章 總綱

     ~

   第二章 人民之權利義務

    第七條 中華民國人民,無分男女,宗教,種族,
        階級,黨派,在法律上一律平等。


   版權所有:行政院新聞局‧10051台北市天津街2號

投稿: えもんかけ | 2009/09/18 6:13:56