双風亭日乗

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2006年10月13日 (金)

白夜行、グロテスク、僕の歩く道、嫌われ松子の一生




最近、読んだり見たりしたものを箇条書きで。



東野圭吾著『白夜行』(集英社文庫)



ドラマでちょこっと見ていたのですが、多忙になり、途中から見るのをやめてしまいました。だから、ほとんど小説で初見だといっていいと思います。


こんなに長い小説を読むのは、京極夏彦シリーズ以来のことでした。でも、止まらず、一気に読むことができました。とてもおもしろかったです。


馳さんが解説で書いているように、登場人物の内面を一切書かず、客観情報だけでストーリーができています。つまり、台詞は出てくるが、「○○は××と思った」というような人物の内面を著者が記述するということがない。それで850ページを読む気にさせる筆力は、すごいものだと思いました。


ふたりの主人公のうちの女の子のほう(雪穂)には、家庭環境が私と似ていたので、かなり感情移入して読みました。けっきょくのところ彼女は犯罪者なわけですが、「そうだよなぁ」「うん、わかるわかる」などと、彼女の言葉や行動にうなずく機会が多かったのも事実です。


学問的に頭がいいけど、生きる知恵がない人もいるし、学問的には頭が悪いけど、生きる知恵は豊富な人がいます。これまで40年ほど生きてきましたが、前者には豊かな環境で育った人が多く、後者はあまり豊かでない環境に育った人が多いのではないか、と「なんとなく」思ったりします。


どちらがいいというのではなく、双方がうまく接点をもちながら、お互いの知恵を補い合えたらいいのになあ、と『白夜行』を読んでいて思いました。双方をつなぐブリッジの役割となる人も必要なのかもしれません。


時間ができたら、ドラマのDVDも見たいと思いました。



桐野夏生著『グロテスク』(文春文庫)



これまた強烈な小説でした。


私のまったく知らなかった世界、すなわち私立女子校のドロドロした部分に斬り込んでいます。さらに、そのドロドロが東電OL事件のあの女性とつながっていたりして、もう読み始めたら止まりませんでした。


人間の本質的な部分、つまり非の部分、マイナスの部分、闇の部分を、これでもかというくらい執拗に書き込んでおり、読んでいて気分が悪くなる一方、主人公である姉妹の振るまいを知るにつけ、たしかに「自分にもこういうところがあるなあ」などと考えさせられた次第です。


すごい小説だなあ、と思いました。



関西テレビ制作「僕の歩く道」(フジテレビ系列、火曜10時放映)



スマップの草なぎくんを見るたびに、なぜ彼がスマップのメンバーなのだろうと思ったりします。そんな、不思議な存在なんですね、草なぎくんは。いつもはテレビ朝日のバラエティー番組「プッすま」で、好感は持てるが、とりたてて目立つところのないキャラとして、草なぎくんを拝見しておりました。


ときどき、ドラマの主役をやっているようですが、彼が主役のドラマを初回からじっくり見たのは「僕の歩く道」がはじめてでした。


私は以前、知人の子どもが自閉症だということで、ほんのすこしだけその病に関する本を読んだりしました。が、具体的には何も知らないといってもいいと思います。


すこししかない自閉症の知識を前提として、「僕の歩く道」を見た私にとって、草なぎくんはかなり熱演しているのではないかと思えました。彼は役に入り込んでいるように見えました。


自閉症である主人公を支援する人びとが、しつこいくらいに「自閉症はこういうもので……」と説明するのがすこしウザく感じましたが、あれくらいしつこく説明しないと、自閉症のことを知らない人には理解してもらえないというのもわかる気がしました。


とりあえず、最後まで見てみようと思います。



TBS制作「嫌われ松子の一生」(木曜10時放映)



山田宗樹さんによる原作の小説があって、それが「下妻物語」をつくった中島哲也監督により映画化され、さらにドラマ化されたわけですね。原作の内容がおもしろくなかったら、「小説→映画→ドラマ」になるわけがありません。また、映画を観た知人からは、かなりおもしろかったとの報告もありました。見る前から期待して、ハードディスクレコーダーのスイッチを入れました。


やはり、おもしろかったです。主人公・松子を演じる内山理名さんが、いい味を出していました。前よりキレイになっているような……。


いくら真面目に生きても、いくら善意を信じて主張しても、出会う人やまわりの環境が不真面目や悪意に満ちていると、その真面目さや善意は裏目に出てしまう。そこに「したたかさ」があれば、不真面目や悪意とうまくつきあえるのかもしれないけれど、それがなければいとも簡単に人生から転落させられてしまう……。


まだ第1回しか見ていませんが、そんなことを予期させるような内容でした。映画版は、転落人生を歩む松子の一生が、悲惨さだけでなくユーモラスに描かれている点が秀逸だった、と知人から聞いています。小説もそうなのでしょうね。


さあ、ドラマではどのように展開するのか。この作品も最後まで見続けられればと思っています。




※エレベーターに、変わったかたちの虫がとまっていたので撮影してみました。いままで見たことのないかたちです。羽根の左右が1.5cmくらいの虫でした。


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