双風亭日乗

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2007年3月28日 (水)




幼い頃に、「無責任男シリーズ」などの植木等さんが出演するコメディ映画をよく観ました。


おとなになってから、「ズータラ節」などのコミックソングをカラオケでよく歌いました。



エラくおもろいおっちゃんだなあ。


そう思いながら夜間大学に入って、生協の書籍売場をうろうろしていたら、朝日文庫の棚になぜか植木さんの著書が……。



『夢を食いつづけた男――おやじ徹誠一代記』(朝日文庫)、著者は植木等。


読んでみると、内容は植木さんのおとうさんの半生記でした。詳しくは同書にゆずりますが、おとうさんはかなり波瀾万丈な人生を歩んだ方。私はこの本で、水平社のことを知り、部落解放運動のことに興味を持ちました。



本物のお笑い芸人は、めったにみずからは笑わない。


これはあくまでもたとえですが、私には植木さんが韜晦と諧謔を体現した人のように思えてなりません。能ある鷹は爪を隠す。隠した爪がどんなものだったのか、ぜひ生きているうちに聞いてみたかったなあ。



まあ、そんなまじめなことを聞いても、「はい、それまでよ」と簡単にいなされてしまうのかもしれませんが。




夢を食いつづけた男―おやじ徹誠一代記

夢を食いつづけた男―おやじ徹誠一代記






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2007年3月28日 (水)



おかげさまで、ほぼ満席です。


参加を希望される方は、三省堂書店神田本店にお問い合わせください。



宮台真司×鏡リュウジ


真夜中のトークセッション at 三省堂書店



スピリチュアル・ブームの現在。テレビでは精神世界系の番組が視聴率をかせぎ、女性誌では占いの連載や特集が絶えず掲載されています。


一方で、「精神世界って何?」「占いって当たるの?」「うさん臭くない?」という素朴な疑問を抱く人も多いことでしょう。


宮台真司さんと鏡リュウジさんが、そんな疑問に答えつつ、精神世界とは何か、また占いとは何かを、それぞれの専門分野に引き寄せながら考えます。


第2回は、占いと社会の関係や占いと学問のつながり、そして占いのこれからについて、じっくり語っていただきます。西洋占星術と社会学のコラボレーション(!?)のもと、おふたりが日本の未来を占ってくれるかもしれません。


さらに、本日のイベントのために、鏡さんが宮台さんのホロスコープをつくってくれました。宮台さんの運勢はいかに?



シンジとリュウジの


「セカイの未来を占ってみよう!」


〈場 所〉 三省堂書店神田本店 本店内特設会場


〈日 時〉 2007年3月28日 20時30分~22時


〈参加費〉 1000円


■講師紹介


宮台真司(みやだいしんじ)


1959年、仙台市生まれ。社会学者。東京大学助手、東京外国語大学講師を経て、首都大学東京都市教養学部准教授。テレクラ、援助交際、オウム問題、郊外、専業主婦、少年犯罪、学級崩壊、盗聴法など、現在まで多くの分野で発言をおこなっている。著書に『権力の予期理論』(勁草書房)、『援交から天皇へ』(朝日文庫)、『挑発する知』(姜尚中氏との共著)、『限界の思考』(北田暁大氏との共著、ともに弊社刊)など。


鏡リュウジ(かがみりゅうじ)


1968年、京都府生まれ。占星術研究家・翻訳家。国際基督教大学卒業、同大学院修士課程修了(比較文化)。雑誌、テレビ、ラジオなど幅広いメデイアで活躍、とくに占星術、占いにたいしての心理学的アプローチを日本に紹介、幅広い層から圧倒的な支持を受け、従来の『占い』のイメージを一新する。著書に『占いはなぜ当たるのですか』(講談社文庫)、『12星座の恋物語』(新潮社)、『鏡リュウジ 星のワークブック』(講談社)など。


■お問い合わせ・ご予約


三省堂書店神田本店 電話 03-3233-3312 



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2007年3月27日 (火)




外山恒一さんの政見放送。


東郷健さん以来の、政見放送の秀作だと思いました。



D


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2007年3月27日 (火)




宮台さんとお弟子の鈴木弘輝さん、そして堀内進之介さんの共著で、『幸福論――〈共生〉の不可能と不可避について』という本が刊行されます。NHKブックスより、3月30日に発売。


NHK出版の大場さん、ありがとうございました!



まだパラパラとめくった程度ですが、「幸せな社会」とは何かについて、スリリングな議論がなされている模様。世代の異なる3人が、それぞれ「幸福」についてどのような見解を持っているのか。ゆっくり読むのが楽しみです。



ちなみにオビ写真は、左から堀内さん・宮台さん・鈴木さんとなっております。


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2007年3月25日 (日)




不覚。


ばたばたしていて、気づきませんでした。




カメラマンの鴨志田穣さんが死去


2007年03月20日17時49分


鴨志田穣さん(かもしだ・ゆたか=カメラマン・エッセイスト)が20日、腎臓がんで死去、42歳。葬儀は近親者のみとし、後日「お別れの会」を開く。喪主は元妻で漫画家の西原理恵子さん。


高校卒業後、タイに渡り内戦のカンボジアなどでカメラマンとして活動。著書に西原さんとの共著「アジアパー伝」、アルコール依存症を克服した体験をもとにした私小説「酔いがさめたら、うちに帰ろう。」など。


asahi.com



最後に会ったのは、2002年に溜池山王で徹夜麻雀をしたときでした。


すこし痩せていたけど、元気でした。


そういえば、カンボジアつながりだったんですよね。



西原さん、離婚した鴨志田さんと復縁して、亡くなるまで彼の面倒を見ていたんですね。


すごい。



闘病記はこちら→ http://www.ozmall.co.jp/entertainment/kamo2/vol15/



鴨志田穣、享年42歳。


私もいま42歳。


せつないですなあ。


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2007年3月24日 (土)




『いじめと現代社会』の書評が「月刊教職課程5月号」(協同出版)に掲載されました。


また、同誌には内藤さんの「いじめ被害者が自殺した後の、『学校的』な生徒や教員のふるまい方から見えてくる、『学校的』なものの問題」という論考も掲載されております。


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2007年3月24日 (土)




最近、いただいた本をまとめて紹介します。



■藤井誠二著『殺された側の論理』(講談社)



ただ知り合い(悪友)だからというのではなく、日本のノンフィクションライターで、私がもっとも信頼をおいている人物は、この本の著者である藤井誠二さんです。


まず、基本的には高校時代から筆一本で喰っているのがすごい。いまは、たまたまラジオもやってるけど。


クールな文体の素となっているのは、身を削っての綿密な取材であり、取材対象者との関係構築については、すでに神業(とかいうと嫌がるかもしれないけど)の域に達しています。


藤井さんが犯罪被害者家族の肩を持っていることについて、転向だなんだと指摘する左翼の阿呆がいます。私には、自分は転向していないと勝手に信じ込んで、藤井さんのスタンスを批判する輩こそ、旧態依然の日和見主義者に見えます。そういう輩こそ、内藤さんが指摘するような「論点抱き合わせ」に没入する、二項対立が大好きなアンチ・リベラル勢力に見えます。


まあ、そんな輩は無視して、これからもほんとうの草の根の声(すこしだけ関わって、ちょっと新鮮な体験をしたから「草の根、草の根」といっている半端な方々とは異なるという意味での「ほんとうの草の根の声」)を取材し、それをかたちにし、筆一本で喰えるとこまで喰い続けてくださいね。


あと、この本の刊行祈念でイベントがあるそうです。日時は4月3日(火)の午後7時(開場午後6時半)から。場所は、書店の丸善・丸の内本店3階日経セミナールーム。参加方法は、当日、この本を丸善で買うと、先着100名様に整理券が渡されるそうです。


藤井誠二のブログ→ http://ameblo.jp/fujii-seiji/entry-10028433148.html





殺された側の論理 -犯罪被害者遺族が望む「罰」と「権利」

殺された側の論理 -犯罪被害者遺族が望む「罰」と「権利」








■渋井哲也著『明日、自殺しませんか』(幻冬舎文庫)



2005年に刊行されたものの文庫化です。


「いきずらさ系」の取材では定評のある渋井哲也さん。一読すればわかると思いますが、この本はかなり力を入れて取材し、執筆したものだと推測します。藤井さんによる「泣ける解説」も必読。


渋井さんも筆一本で勝負している人ですね(あっ、ちょっと前はバーテンもやっていたか……)。


筆一本勝負というのは、私が実行している零細出版社一本勝負と同様に、かなりリスキーな職種であることは間違いありません。安定なんて、あり得ませんからね。だから、藤井さんと渋井さんには、職種は違うけれどもある種の親近感を感じます。


酒を飲み始めると、けっしてみずから「帰ろう」といわない渋井さんの粘り強さ(笑)ゆえに、なかなか一杯呑む機会が得られないのが残念です。そんな粘り強さが、取材に活きているのかもしれません。





明日、自殺しませんか―男女七人ネット心中

明日、自殺しませんか―男女七人ネット心中








■本田由紀・平沢和司編著『リーディングス 日本の教育と社会2 学歴社会・受験戦争』(日本図書センター)



本田さん、ありがとう。ちょっと値が張る本なので、自分では買わなかったかも。


「リーディングス」というタイプの本に出会ったのは初めてでした。何よりも引用する文章の選択が命になるわけで、それが確実ならば、このタイプの本はとても便利に使えると思いました。まあ、使うのは学部生や院生、そして研究者とかなんでしょうけれど。


リーディングスの編者だからといって、本田さんはけっして手を抜かない。はしがきは、以下の熱いメッセージで締めくくられています。




さて、どうしたらいいものか。ことは差し迫っている。この社会の、家族(階層と言ってもいい)、教育、地位(仕事と言ってもいい)の関係を急いで立て直すべき時期がとっくに来ている。この巻が、為政者のみならず社会成員の中でそうした危機意識を高め、多くの取り組みへの着手を促進するように役立つことを、祈らないではいられない。(はしがきより)



正直、「みなさん、買いましょう」というよりも、「図書館でもいったら読んでみてください」というタイプの本だと思います(本田さん、ごめんなさい)。


本田さんはいま、活きのいい院生たちが共同執筆する本を編集しているとのこと。楽しみにしております。





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2007年3月20日 (火)




■脳科学、クオリア、記述の限界


脳科学が記述できることの限界は何なのか。科学の知と人文の知は、どのように相互交流できるのか。科学が絡むとお手上げな部分が多く、疑問が山積み。企画を立ちあげて、すこしずつ疑問を解消しようと思う。



■希望は戦争。それは生死をかけた叫び


『論座』1月号での赤木智弘さんの発言について、同誌4月号で「知識人」による応答がなされている。吉本さんと鶴見さんの応答は読みごたえがあるものの、その他の人の応答は、多くが「価値観の押しつけ」&「紋切り型の若者批判」に思えてしまう。柄谷さんにいたっては、見当違いの呪文を発しているのでは。この論争に触発されて、企画を立ちあげることにする。ちなみに、この件については、4月6日発売の「週刊金曜日」(「読み方注意!」というコラム)にも書いた。ご一読いただければ幸い。



■講義の準備


4月からT大で実践メディア産業論(全15回)の講義がある。15回のうち9回は、人文書や新書などの書籍編集者のみならず、月刊誌や週刊誌の編集長や副編集長、デザイナーや印刷屋さん、書店人や取次の方など、出版の最前線で活躍する方がたをゲストに迎える。よって、講義内容の詰めと日程調整などを同時進行でやっている。けっこうしんどいけれど、そのしんどさが心地よかったりもする。俺はMか(笑)。



■宮台さん×鏡さんトーク


第2回は、来週の水曜日。前回のトークを聞き直しつつ、構成を練っている。一カ月というのは、あっという間に過ぎるのですね。



■現代思想


最近、「現代思想」本を何冊も刊行されている仲正さん。じつは弊社からも「現代思想」がらみの本を刊行する予定。時代とか学派ではなく、「人と思想」に焦点をあてた内容。とりあげる「人」は、アドルノやアーレント、ベンヤミン、デリダ、フーコー、マルクス、ニーチェ、ハイデガー、ラカン、スローターダイク。仲正さんと私との独断と偏見で選んだ。正直、かなりおもしろい内容。できれば5月、無理なら6月に出したいところ。



※写真は、ちょっと不機嫌な寅専務


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2007年3月16日 (金)




一昨年に宮台さんや藤井さんたちと見物してから、ぜひもう一度いってみたいと思っていた、あの愛知県小牧市・田県神社の天下の奇祭「豊年祭」(ちんこ祭り)にいってきました。



このお祭りは、曜日にかかわらず毎年3月15日におこなわれます。今年は木曜日。平日なので、いろんな仕事をぶっちぎらざるを得ませんでしたが、なにしろちんこ祭りですから仕方がありません。



f:id:lelele:20070316011430j:image 出発地点に鎮座しておりました。


f:id:lelele:20070316011452j:image 巫女さんたちも持っております。


f:id:lelele:20070316011511j:image 神輿が坂をくだります。


f:id:lelele:20070316011520j:image 2mくらいの長さでしょうか。かないません。



名古屋では、中区栄の老舗喫茶店「ライオン」で一服。広い室内をストーブで暖めていました。珈琲はおいしかったです。



f:id:lelele:20070316011536j:image とりあえず「ゆで卵」がでてきて、びっくり!


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2007年3月16日 (金)




弊社刊『いじめと現代社会』のキャンペーンブログが開設されました。


『バックラッシュ!』に引き続き、チキ大先生のご手配によるものです。ありがとうございます。



いじめと現代社会BLOG http://d.hatena.ne.jp/izime/



著者・内藤朝雄さんのインタビューや執筆原稿などの特別コンテンツが順次掲載される予定です。


ブログの開設を記念して、ブログをお読みの皆様の中から抽選で3名の方に、『いじめと現代社会――「暴力と憎悪」から「自由ときずな」へ――』をプレゼント。くわしくは同ブログをご覧になってください。


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2007年3月12日 (月)




「実話ナックルズGON」の増刊「本当にあったアウトローの話」が発売されました。久田編集長が退職してからも、ミリオン出版さんには「ナックルズ」を毎号、お送りいただいています。しかし、ばたばたしていたため、ここ数号は拙ブログで紹介できませんでした。申し訳ありません。



この増刊号は、おもに編集部員のヨイショ中山さんがアウトローの世界を体験取材するという、「ナックルズ」での連載が構成のメインになっています。毎号、楽しみにしている連載がまとめて読めるので、私にとっては嬉しい企画です。



あるときは歌舞伎町の裏ツアーを体験し、あるときは横浜・黄金町の風俗地帯を歩き、あるときはドラッグ密売人に成り下がったホストを取材し、あるときは極道のプライベートをのぞき見する。おもしろいではありませんか。アンダーグランドな社会でアウトローな人びとと接触するんですから、取材者である中山さんは、けっこうたいへんなんだと思います。ごくろうさまです。



いずれにしても、世間一般の人たちって、「ナックルズ」で紹介されるようなアウトローの世界に対して、どういう思いを抱いているんでしょうね。


自分と関係ないから、興味がない。あんな世界、子どもにはぜったいに見せたくないし知らせたくない。自分と関係ないけど、おもしろそう。自分と関係ないけど、どこかで自分とつながっているような感じもするので、すこし気になる、などなど。



いろんな経緯があって、極道になったり売春婦になったりする人がいる。その人たちのやっていることが非合法か合法かという点は、すこし考える必要はあろうと思います。でも、そういうアウトローな人たちの稼ぎの一部が、その人たちを取り締まる人たちにまわっていたりするし、アンダーグランドな社会が行き場のない人たちがたどりつく漂着点になっていたりしますよね。「ダメ」の一言で片付けてしまえるほど、単純な社会ではないでしょうし、単純な人びとでもないと、私は思ったりします。



小学校付近の道路に「あいさつ通り」などという名前をつけて、「みんなであいさつをしましょー!」なんて運動を推進している文京区のごとく、清く正しいことが絶対だといわんばかりの風潮には、あきれてものがいえません。そんな運動をしている地域のおっさんには、「おっさん、錦糸町のキャバレーで花びら大回転とかやったことあるでしょ!?」なんて聞いてみたくなります(笑)。



だから、アウトローやアンダーグラウンドが善だとは言いません。また、それらは一般社会からはあまりよく見えない部分の話なので、よくわからないからこそ不気味だと思い込んでしまう気分もわかります。まあ、極道の人たちが自分らのことを、一般の人びとによく知ってもらおうなどとは思っていないのかもしれません。それでも、「ナックルズ」などのおかげで、よく見えない部分がすこし見えるようになることは、けっして悪いことではないと思ったりします。



「ナックルズ」の記事をベタに信じてしまうのはどうかと思います。そのへんは、読む側のリテラシーの問題ですからね。しかし、「予約のとれない『真珠入れ』クリニックが大阪で大流行!」なんていう記事が増刊号の目次にあったりすると、リテラシーだ何だという前に、「なにそれ~!」と思ってついつい読んでしまう自分がいたりします。


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2007年3月12日 (月)




初版2000部でスタートした内藤さんの『いじめと現代社会』ですが、在庫が100部を切ったので、1000部ほど増刷します。読者のみなさま、ご購入いただきまして、誠にありがとうございます!



じつは、この本の初版は1500部にしようか2000部にしようか、けっこう悩みました。内藤さんの単著である『いじめの社会理論』は少し前の本で、かつ社会学の理論書ですから、この本の刷り部数はあまり参考にはならない。ほかにも『学校が自由になる日』(雲母書房)と『「ニート」って言うな!」(光文社新書)がありますが、これらは共著なので、刷り部数はあくまでも参考程度といったところ。



最終的には、内藤さんと私とで「まずは2000部を売りましょう!」という感じで、かなりアバウトな合意を元に部数を決めたんですよね。結果としては、配本前の段階で1500部弱の注文が書店から集まり、配本後も順調に追加注文をいただけたわけです。平積みにしていただいている書店も多く、書店人のみなさまにも感謝しなければ!



アマゾンドットコムの在庫表示が、なぜかなかなか「在庫あり」になりません。納品先の取次・大阪屋さんに理由をたずねてみましたが、発売日がズレるとしばらく在庫表示が安定しないことがある、とのことでした。そういえば、オビ騒動で発売が1週間ほど延期になりました。いずれにしても、アマゾンさんには初回100部、追加で150部が納品されていますので、売れ行きは順調なのだと思われます。



弊社の書籍はネットに強いので、ぜひともbk1さん(図書館流通センター)にもがんばってほしいと思っています。しかし、bk1さんが弊社の本を売ってくれるのは、配本してからの5カ月間だけ(5カ月間は在庫をストックして、図書館からの注文にそなえる「ストック・ブック」というシステム)で、以降はまったく取り扱ってくれません。これは何とかして欲しいと思っているのですが、交渉してもスルーされてしまっています。K社のときは、いつでもどの本でも大手取次を経由して納品していたから、やっぱ大手取次と付き合いがないとあつかってくれないのかな?



いろいろありますが、『いじめと現代社会』はみなさまのおかげで増刷できそうです。


重ねてお礼申し上げます。ありがとうございます!





いじめと現代社会――「暴力と憎悪」から「自由ときずな」へ――

いじめと現代社会――「暴力と憎悪」から「自由ときずな」へ――



  • 作者: 内藤朝雄

  • 出版社/メーカー: 双風舎

  • 発売日: 2007/02/22

  • メディア: 単行本(ソフトカバー)





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2007年3月 8日 (木)




茂木さんのココセレブ・インタビューがアップされました。


僭越ながら、私が取材させていただきました。


ご一読いただければ幸いです。



ココセレブSpecialインタビュー


読者への贈り物を届ける場所


それが僕にとってのブログ


茂木健一郎さん


http://celeb.cocolog-nifty.com/interview/2007/03/post_4ad8.html



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2007年3月 7日 (水)




話はとてもおもしろかったです。


でも、ひじょうに遠かったです。


大阪・吹田市の阪大は、わが家から片道四時間。かつ日帰り。



昨日のセミナーは、阪大大学院が主催するもので、斎藤さんが語ったテーマは「脳はなぜ心を記述できないか」。いま日本は脳科学ブーム。脳で人の心や社会が説明できるかのような言説に対し、斎藤さんが疑問を投げかける、という内容でした。



『文脈病』(青土社)と『生き延びるためのラカン』(バジリコ)の2冊のエッセンスを抽出した内容に、くわしい解説を付けるかたちで話されていました。


今回の話の前提だけメモしておくと、まず脳については、たいしたことがわかっていないということ。にもかかわらず、脳科学を根拠にする行き過ぎた言説が多いこと。その証拠に、「ゲーム脳」や「脳内汚染」などというあまり根拠のない言説が量産されていること。つまり、脳が危険なキーワードになっていること。さらに、科学の学問的な倫理として、記述の限界を踏まえることがたいせつだということ。



そこから先は、前述の2冊を読んでいないとすんなり理解できそうにないので、くわしい内容の紹介は控えます。ようするに、心の問題と脳の問題とを、安易に結びつけるのはどうか、と斎藤さんは問いかけているようでした。



たしかに、脳の問題というのは、素人にはよくわからない。脳に科学がついて「脳科学」となってしまえば、それを聞いただけでなんとなく「そうなのか~」なんて、うなずいてしまうこともあるでしょう。とくに私などは人文系ですから、理系がつむぎだす人文系の言説に、いままでは安易にうなずいてしまっていたような気がします。



今回、そんな私に「ちょっと待ったー!」と斎藤さんが声をかけてくれたのかもしれません。しかし、ちょっと待つためには、ある程度の予習が必要なんですね。だって、「ちょっと待ったー!」と斎藤さんにいわれ、何が問題なのかわからないまま「はい、待ちます」というのでは、よくわからないけど脳科学を信用してしまっている状態と同じことですから。



ですから、もしこのブログを読んでいる方のなかで脳科学に興味のある方がいらっしゃったら、ぜひ上記の2冊を一読してみるのがよいかと思います。そうすれば、「脳はなぜ心を記述できないか」がなんとなく見えてきます。そうすれば、きっと「脳は心を記述できる」と書かれている本を注意深く読むようになると思います。



勉強になりました。ありがとうございます、斎藤さん!



※写真は、生まれてはじめて見た「太陽の塔」です。


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2007年3月 5日 (月)




先月末に、オビの付け替えをせずに納品した件に関する顛末書が、印刷屋さんから届きました。以下に文書の内容を記します。ちょっと宅八郎さん(どこにいってしまったのでしょう?)風になってしまいますが……(でも復讐とかではないですよ!)。


「このような信じられないことも、起きることがあるのか」ということで、お読みいただければ幸いです。



有限会社 双風舎


代表取締役 XXXX様



顛末書



「いじめと現代社会」におきまして、正しい腰帯に掛け替えずに納品いたしました。


たいへんご迷惑をおかけしましたことを心よりお詫び申し上げます。


下記にその経過をご報告申し上げます。


なお、今後はこのような指示の不徹底が発生しないよう努める所存でございます。


何卒、今後ともよろしくお願い申し上げます。





1. 状況


腰帯の刷り直し・掛け替えのご指示を頂きましたが、担当営業の指示連絡が不徹底であったため、掛け替え作


業をせず納品しました。


2. 経過・原因


製本所の担当営業から現場への作業指示が正確に伝達されておりませんでした。さらに急ぎの作業だったため、


納品前の抜き取り検査を怠りました。


3. 対策


今後は作業前指示、作業後の点検検査を急ぎの場合にこそきちんと行います。併せて、製本会社の選定には十分


注意を払います。



以上


平成19年2月27日


XXXX印刷株式会社


代表取締役 XXXX


住所 XXXXXXX


電話 XXXXXXX



※写真は、今日の寅専務。何かを狙っております。


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2007年3月 4日 (日)




昨日、私がカンボジアでたいへんお世話になった石澤良昭さん(上智大学学長)に関する番組が、NHK教育テレビで放映されました。カンボジアの現代史を振り返りながら、石澤さんの遺跡修復にかける情熱を紹介するスタンダードな番組でした。



制作したのは日本電波ニュース社。おそらく日本のマスコミでは、もっとも深く長くインドシナに関わってきた通信社だと思います。


ところが……。何を勘違いしたのか、番組のなかでポルポト政権の時代を、何度も「4年半」だったといっているではありませんか。これは、正しくは1975年4月から1979年1月までの「3年8カ月」です。



ポルポト時代がおわってから、日本人の誰よりも早くカンボジアに入って取材した方が、その番組をつくっていたわけですが、そういう方がもはや常識ともいえるカンボジア現代史の1ページについて、間違った情報を流してしまっていることに驚きました。



魔が差したのでしょうか、忘れてしまったのでしょうか。


人の記憶なんて、あいまいなものなのですから、わからなかったら人に聞けばいいのに。


それとも、「4年半」だと思い込んでいたのでしょうか?



※写真は、今日の寅専務。「ハイル・ヒトラー!」気味なのが気になりますが……。


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2007年3月 3日 (土)




以下に研究会と講座の告知をします。


いずれもたいへん興味深い内容です。



まず一件目は、東大教育学研究科の院生有志を母体とする非行研究会が、内藤さんの『いじめと現代社会』の合評会をおこなうとのことです。中心人物の岡邊さんから連絡をいただきました。飛び入りも大歓迎とのことなので、時間がありましたらぜひ参加してみてください。



●[非行研] (since 2002)


第46回定例研究会のご案内


2007年3月25日(日)16時~(15時45分開場)


東京大学本郷キャンパス教育学部3階演習室


(丸ノ内線 本郷3丁目駅下車 徒歩8分)


ゲスト:


明治大学助教授 内藤 朝雄 氏


今回は、先日刊行された『いじめと現代社会―「暴力と


憎悪」から「自由ときずな」へ』(双風舎刊)の内容を


中心に討論します。お気軽にご参加ください。事前申込


は不要です。


●非行研は、東大教育学研究科の院生有志を母体とする


研究会です。(非行に限らず)広義の社会問題全般を扱


っています。どなたでも、ご参加いただけます。


●東大教育学部へのアクセスは、以下をご覧下さい。


 http://www.u-tokyo.ac.jp/campusmap/cam01_09_01_j.html


●お問い合わせ先:


 okabet@mail.goo.ne.jp(岡辺)


●非行研ウェブサイト:


 http://www17.plala.or.jp/obt710/delinq.htm



つづいて、アジア太平洋資料センター(PARC)というNPO/NGOの「PARC自由学校」で、2007年度に開講する「『不安社会ニッポン』をどう生きるか」という講座です。こちらは、PARCの細野さんから連絡をいただきました。


おもしろそうなテーマ、そしておもしろそうな講師ばかり。双風舎がらみでは、上野さんをはじめ、北田さんや内藤さんも講師陣に含まれています。よくこれだけ集めたなあ、と思います。30代の方もたくさんいる!


基本料金が3万8000円で、入会金が1万円。これが高いか安いか?


私自身は、聞きたいけれど、払えそうもないので参加は断念。払える方は、ぜひ参加してみてください。



PARC自由学校2007年度講座


「不安社会ニッポン」をどう生きるか


http://d.hatena.ne.jp/parcfs2007/


少子高齢化、格差社会化、セキュリティ化……。得体の知れない閉塞感が広がる日本社会。私たちから共感や共存を奪い、生き難さを感じさせている本質には何があるのか? この隘路から抜け出すために、私たち一人ひとりはどのような現状認識を持ち、思考し、対処していけばいいのか? ここでは「不安」をキーワードに、現代日本を象徴する諸問題を取りあげながら、思考や眼差しの転換と〈オルタナティブ〉の構築に向けた議論を展開していきます。


●2007年5月~2007年12月


●基本的には隔週月曜日19:00~21:00


●全14回/定員30人


●受講料38,000円(※PARC自由学校を初めて受講される方は入会金10,000円が必要です)


5/7 19:00~21:30


オリエンテーション


若者の貧困と日本の未来


杉田俊介(ケアワーカー・ライター)


湯浅 誠(「自立生活サポートセンター・もやい事務局長・便利屋あうん代表)


5/21


「野宿者襲撃」が起こる社会から「連帯」を育む社会をどうつくるか


生田武志(野宿者ネットワーク)


6/1(金)


「放送禁止」「自主規制」「翼賛化」のメディアに抗して


森 達也(映画監督・作家)


6/4


自殺者3万人の社会――みんなが生きられる社会への視点


清水康之(自殺対策支援センター・ライフリンク代表)


6/18


社会的排除とスペクタクル国家


渋谷 望(千葉大学文学部助教授)


6/23(土)16:00~18:00


学校を「聖域」にするな! 追い詰められる教室からの脱出作戦を考える


牧野 剛(河合塾講師・翔学舎校長)


内藤朝雄(明治大学文学部助教授)


7/2


国家再編と「下から」のナショナリズム


萱野稔人(東京大学21世紀COE研究員)


7/23


「尊厳死」法案と生命の切り捨て


小松美彦(東京海洋大学海洋科学部教授)


9/3


生きる権利を奪う「自立支援」─自立を阻むこの国の制度


多田 薫(きょうされん(旧・共同作業所全国連絡会)事務局長)


9/29(土)16:00~18:00


ロストジェネレーションの闘争/逃走論


雨宮処凛(作家)


赤木智弘(ライター・フリーター)


10/15


「保守化」とは何か―若者との関わりを中心に


高原基彰(日本学術振興会特別研究員)


10/29


ベーシック・インカム―持続可能な税制と社会保障を考える


小沢修司(京都府立大学教授)


11/12


格差/階級社会日本―何が問題なのか


橋本健二(武蔵大学社会学部教授)


12/10


〈不安社会〉からの出口を設計する


上野千鶴子(東京大学大学院人文社会系研究科教授)


北田暁大(東京大学大学院情報学環助教授)



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2007年3月 1日 (木)




昨晩、告知しておりました宮台真司さんと鏡リュウジさんのトークセッションが、三省堂書店神田本店の4F人文書売場でおこなわれました。



20時前に鏡さんがいらっしゃって、応接室で打ち合わせをしたのですが、なかなか宮台さんがあらわれません。


20時10分に宮台さんから電話があり、「谷川くん、車のタイヤがパンクしちゃって、いま外苑前なんだよね」とのこと。


20時30分の開演時間になっても、宮台さんはあらわれません。


鏡さんがナイスフォローで、宮台さんのトラブルを占星術で説明していただいているそのときに、宮台さんがやってきました。


そして、22時30分に無事、トークは終了しました。



鏡さんと話していたのですが、平日の20時すぎにイベントをやると、仕事帰りでも参加することができていいんじゃないかと思いました。


この三省堂でのミッドナイトセッションは、じつは弊社企画の宮台さんと仲正昌樹さんの対談で試験的にはじめたものです。二年前のいまごろでしょうか。そのトークがきっかけで、宮台さんに運命的な出会いがあり、結婚したという経緯もあったり。



人文書売場の書棚を移動するのは、かなりたいへんな作業です。初期は50人くらいが座れるスペースしかなかったのですが、三省堂のすばらしきスタッフのみなさんはさすがです。何度かミッドナイトセッションをやるうちにノウハウを身につけ、昨日は100人程度が座れるスペースを確保しておりました。



3月28日にも三省堂で宮台さんと鏡さんのミッドナイトセッションを実施します。


ぜひお越しくださいませ。



寒い中、いらっしゃった聴衆のみなさん、三省堂のみなさん、そして宮台さんと鏡さん、ほんとうにおつかれさまでした!



追記……ココセレブニュースでトークの様子を紹介していただきました。


http://celeb.cocolog-nifty.com/news/2007/03/post.html


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