双風亭日乗

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2007年5月30日 (水)

たいへんお待たせいたしました。

6月1日より、斎藤環さん(精神科医)と茂木健一郎さん(脳科学者)の往復書簡が、弊社ウェブページにて掲載開始となります。

この往復書簡は、茂木さんの思想を理解するための入門書ともいえる『脳内現象』(NHKブックス)を、議論のためのおもなテキストにいたします。もちろん、その他の茂木さんの著書や斎藤さんの著作も参照されることでしょう。

初回は、斎藤さんから茂木さんへの書簡です。以降は、設定したテーマとルール(以下を参照)にもとづいて、おふたりに書簡を往復していただく予定です。

■テーマ … 「脳は心を記述できるのか」
■字 数 … 1回の書簡は、400字詰め原稿用紙で15枚~50枚の分量。
■回 数 … 書簡は一カ月に1通で、10カ月ほど連載。つまり5往復となります。
■期 間 … 2007年6月から翌年3月まで。
■掲 載 … 期間中の毎月1日に、双風舎ウェブページに掲載します。

脳科学と精神分析をお互いの視点からながめると、協調や融合もあると思いますし、異論や反論もあるかと思います。主張するべきところは主張して、認め合える部分は認め合う。
学問的な公正さを保ちながら、おふたりが書簡を交わす。そんななかで、専門的でわかりづらい脳(科学)の本質について、読者と共に考えていければと思っております。

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2007年5月30日 (水)

ようやく弊社の本が、Googleのブック検索で見られるようになりました。とはいえ、まだベータ版なので、いったん英語版のGoogleに入る必要があるのですが。以下、見方を簡単に解説します。

・Google日本語版の検索窓の横にある「言語ツール」をクリックします。

・「お好きな言語でGoogleを」で「英語」をクリックします。

・Google英語版が表示されますので、検索窓の左上にある「more」をクリックします。

・「Books」をクリックします。

・これでGoogle英語版のブック検索にたどり着きます。(写真1参照)

写真1
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2007年5月29日 (火)

河瀬直美監督の「殯(もがり)の森」が、第60回カンヌ国際映画祭で審査員特別大賞「グランプリ」を受賞しました。最高賞「パルムドール」に次ぐ賞ですね。素直に、すごいと思います。
この映画、知人の師匠が撮影を担当していたので、奈良での制作の様子などがちょこちょこ耳に入っていました。

北野武監督やら松本人志「監督」の作品が、テレビを中心とするメディアで洪水のごとくパブリシティーを展開するなかで、試写をやったあとの河瀬作品の感想や評価は皆無に近かったことが、以下の松江哲明さんの日記に書かれています。

http://d.hatena.ne.jp/matsue/20070528

賞を受賞した「瞬間」から、手の平を返したようにニュースで取り上げるマスコミ。おそらく、今後は手の平を返したように河瀬作品を評価する映画評論家のみなさん。上映する気がなかったのに、手の平を返したように上映を決定する映画館……。

受賞前。「殯の森」は、6月23日から東京・渋谷シネマアンジェリカ、7月7日から大阪・九条シネヌーヴォで上映されることになっていました。つまり、単館上映なのです。では、受賞後にどれだけ多くの映画館で公開されるのか。映画館の豹変ぶりが、楽しみですね。

ほんものの作り手が集まり、ほんものの映画をつくると、ほんものの映画界はきちんと評価する。カンヌで河瀬作品が評価されたことの意味することは、ただシンプルに、そういうことなんだと思います。ということは、日本の映画界(とくに評論家)は、ほんものの作り手が集まって作られたほんものの映画を、事前にほんものだと評価できなかったんですね。ただただ有名人監督の映画のパブにいそしんでいたというその貧困さは、覚えておいてもよいかと思います。

じつはこの「殯の森」、本日、NHKのBSハイビジョンで放映されます。ハイビジョンを受信している(数少ない)方は、ぜひご覧になってください。受信していない方は、映画館に足を運んでみてください。

「殯の森」公式HP→ http://www.mogarinomori.com/index.html

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2007年5月28日 (月)

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中村うさぎ。

ただ者ではない、と思っていました。
どちらかというと、色物や際物だと世間に思われているふしがあるものの、ほんとうはぜんぜん違うのではないか、と思っていました。
さらに、色物や際物だと世間に思われているふしがあるにもかかわらず、なぜ大手出版社が彼女に原稿を書かせ続けるのだろう、と思っていました。

そう思いながら、「週刊文春」の連載を欠かさず読み続けています。
そして、この本を読んで、以上の疑問がすべて氷解しました。

『愚者の道』
作者: 中村うさぎ
出版社/メーカー: 角川書店
発売日: 2005/12

超おすすめです。
中村うさぎは、哲学者である。
この本を読んで、私はそう思いました。

思想家の言葉の引用などありません。
むずかしい哲学用語も出てきません。
この本は、彼女の実体験から導き出された言葉で編まれています。
まあ、彼女の著作は、ほとんどそうなのですが。

へたな哲学書を読むよりも、この本を読んだほうが勉強になります。
表現はわかりやすいのに、内容は底なしに深い。
ひさびさに、「読書って、いいなぁ」と思いながら読みました。

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2007年5月25日 (金)

いまフジテレビで毎週木曜の22時から、「わたしたちの教科書」というドラマが放映されています。中学生の娘をいじめ自殺で失った女性弁護士・珠子が、苦労しながら証拠を集め、いじめはなかったとする学校側と法廷で闘う、というのが話の概略です。


珠子が調査を進めるうちに、副校長はいじめの存在を知っていたことがあきらかになります。しかし、副校長は別の弁護士・直之(珠子の元恋人)を雇い、学校にはいじめがなかったことを法廷で証明する準備を進める。その過程で、いじめがあったことを知っている副校長に対して、直之がした質問がたいへん印象的でした。その質問とは、いじめがなかったことを証明するためには、本当のことを知っておく必要がある、というものです。


まだドラマのなかで、副校長が直之に対して「ほんとうはいじめがあった」といっているわけではありません。が、おそらくそういう流れになるであろうことは予想がつきます。ちょうど、このドラマを見る直前に、テレ朝の「ニュースステーション」を見ました。山口県母子殺害事件の差し戻し控訴審がトップニュースで、弁護側が取って付けたような理由を元に、被告の量刑が死刑ではなく傷害致死が適当であると主張したことが報道されていました。


たとえば、同事件の弁護人が、「わたしたちの教科書」のごとく、「死刑が妥当でないことを証明するためには、ほんとうのことを知っておく必要がある」と被告に問いかける。そして、被告が弁護人に事件の「ほんとうのこと」を話し、それがあきらかに死刑に相当する犯罪であったことを知ったうえで、弁護人が傷害致死が妥当といっている……。それも、死刑から傷害致死への減刑を求める弁護人のほんとうの狙いが、被告の弁護よりも「死刑廃止」の一般へのアピールにある(とニュースのコメンテーターの加藤さんはいってました)のだとすれば、被告の弁護人らの振る舞いには疑問を持たずにいられません。


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2007年5月24日 (木)

竹熊さんがブログで、著作権の非親告罪化の反対意見を書いたのをきっかけにして、大騒ぎになっているようですね。


http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_b72f.html
http://takekuma.cocolog-nifty.com/blog/2007/05/post_81b3.html


著作権については、書きたいことがたくさんあります。でも、いまは残念ながら時間がありません。そのうちゆっくり書きます。


著作権を非親告罪化することについては、反対です。竹熊さんがいうように、法案化を目指す動きがあるのなら、未然に食い止めるようなアクションは必要だと思います。


そう考える根拠は、竹熊さんがクリアーに指摘しているとおり、「あらゆる創作は模倣の土台のうえに成立しているというのが、昔も今も変わらない俺の持論であります。それゆえ、著作権は守られるべきであると同時に制限もされるべき」だからです。

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2007年5月22日 (火)

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藤井健仁さん(通称・健ちゃん)の個展にいってきました。

いやいや、健ちゃんの作品は写真で見ていましたが、やはり実物はすごかったです。
鉄の作品ならではの質感や色、大きさ、そして重量感。

ヨイショしているわけではありませんが、すばらしい作品が展示されています。
しなやかと不気味が共存している作品、まるで鉄に魂を吹きこんだような作品、思わず微笑んでしまうような可愛い作品、などなど。

とにかく、ひとりでも多くの人にギャラリーを訪ねていただき、ぜひ作品の実物を見てほしいと思います。

夜、健ちゃんと新宿2丁目のオカマバーにいったら、偶然、兄貴の藤井誠二さんがやってきました。
顔が似ている兄弟は、飲む店も似ているのでしょうか(笑)


人形の融点 藤井健仁 展

ストライプハウスギャラリー
5月31日まで
11:00am~6:30pm 無休
電話 03-3405-8108

http://striped-house.com/

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2007年5月17日 (木)

Oruta
というタイトルの記事を、特別非営利活動法人アジア太平洋資料センター(PARC)が出している『月刊オルタ』という雑誌に書きました。
フリーライターであり、弊社の将来の著者(!?)である赤木智弘さんと、雨宮処凛さんがひじょうに興味深い対談をしています。
ぜひご一読を!

といっても、同誌は一般の書店では販売していないとのことです。毎回、おもしろいテーマを取りあげているのに、定期購読だけで販売するのはもったいないですね。こうやって告知をしても、手軽に入手することができないのは、書く側としてもたいへん残念です。


発行元が「特別非営利活動法人」だから、書店で販売できないのかな?
でも、活動を広めるためには、同誌を書店でたくさん売って、活動費を得て、PARCの知名度をあげなきゃねぇ。
ん~、もったいない。


追記…編集のHさんから、コメントで販売店リストを教えてもらいました。以下です。

http://www.parc-jp.org/main/a_alta/alta/order
http://www.parc-jp.org/main/a_alta/alta_shop

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2007年5月17日 (木)

今回は、昨日のエントリー「仇討ちOK」のつづきです。

死刑の賛否に関する割り切れなさについては、森さんがいみじくも「死刑って、割り切れない、論理的整合性となじまないテーマだなという気が最近とてもしています。論理的には反対だけど、情緒的には否定しきれない後味の悪さ」と発言しています。つまり、論理的には反対、情緒的には受け入れざるを得ないということでしょうか。

これに対して、藤井さんは「死刑を理念的にどう考えるか。殺した人間の命で償わせるということの意味を、当事者を交えて社会のなかでどう議論していくか」が問題であり、「これを法制度のあり方や、正義とは何なのか等の総合的かつ複合的な議論の中から考え、どう『着地点』を見つけるのか」が重要だと指摘します。さらに、その着地点は時代によって変動するものであると付け加えます。

たいせつなキーワードが出てきました。「正義」と「変動」です。ここで押さえておきたいのは、何が正義なのかという物差しがあり、その物差しの変化によって法制度も変動していくのがよいのか、悪いことなのかということです。これまでの刑事司法では、あまりにもその物差しが加害者有利に設定されており、その点について藤井さんは、物差しを被害者有利に設定しなおすことによって、バランスをとるべきだといっているのでしょう。そして、物差しの基準を吟味するための素材が正義であり、正義の意味が変われば物差しの基準も変動するということですね。

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2007年5月17日 (木)

好評連載中の仲正昌樹「思想の死相」。
本日、第三回分「アドルノの思想を読む 3」をアップしました。

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2007年5月16日 (水)

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「週刊金曜日」2007年5月11日号に、藤井誠二さんと森達也さんの興味深い対談が掲載されていました。犯罪被害者とは何か、また死刑とは何かを考えるうえで、参照すべき点が多いものとなっています。


藤井さんのスタンスは、『殺された側の論理』(講談社)を読めば一目瞭然で、死刑も含めた量刑の「厳罰」化が必要というものです。もちろん、ただただ「厳罰」を要求するのではなく、犯罪被害者への取材をおこなった結果として、現在の量刑が軽すぎるという結論に達したわけです。
一方、森さんのスタンスは、量刑が軽すぎるのは認めるし、家族を殺した加害者を死刑にしたいと思う被害者家族の心情はわかるものの、それでも「厳罰」化は慎重におこなうべきであり、早急に進めることには反対というものです。


世間も法律に携わる人びとも、とくに人権派と呼ばれる人たちは加害者側しか見てこなかったのは、藤井さんのいうとおりです。人権を看板にしておきながら、加害者と被害者の双方に対するケアを怠り、加害者側ばかりに注目していた不自然さは是正されてしかるべきでしょう。
また、藤井さんがいうように、被害者家族の声が世間に届くことにより、「明日はもしかしたら被害者になるかも、という当たり前のことに自覚的にな」るのも、よいことだと思います。しかし、「被害者だけではなく、明日はもしかしたら加害者に、という発想も必要」という森さんの意見も見逃すことができません。


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2007年5月11日 (金)

今村仁司さん(元・東京経済大学教授)といえば、フランス現代思想の研究で有名な方でした。
しかし、私が今村さんのすごさを感じたのは、幅広い関心領域を活かし、さまざまな分野の人文系学問をコラボレートした学際研究(「学際」は、ちと古いか……)の実践でした。

私はあまり本を読み返さないのですが、『排除の構造』は何度も読みましたし、いまも時々読みます。ジラールとかガネッティを読むようになったのも、今村さんの影響です。

じつは、頓挫中のある企画のために、今村さんから原稿をいただいておりました。「国家と暴力」というタイトルです。企画が実現したら、遺族の方と相談したうえで、掲載させていただこうと思います。

心より冥福をお祈りいたします。

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2007年5月10日 (木)

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ポストから取り出した「ニューズウィーク日本版」2007年5月16日号の表紙を見てびっくりしました。「スピリチュアルと日本人」というタイトルの下に、江原さんの大きな写真(右の写真参照)。
同誌46ページからはじまる特集の第一記事が「ようこそ、江原ワールドへ」。そして、「勝ち組と負け組の二極化が進む日本で、スピリチュアルな世界に救いを求める人々が増えている」というリードが続きます。


記事の内容ですが、「入口のハードルを巧みに下げることで、江原流のスピリチュアリズムは急速に広まった」とか「日本のスピリチュアリズムの特徴は、常識的なアドバイスと超自然的な話をミックスさせている点」というもっともな指摘をしたうえで、「江原ファンに共通する特徴は『だまされやすさ』ではない。現代社会を生き抜く道を見つけたいという真摯な望みだ」「スピリチュアリズムに対する免疫力不足は、日本ならではの特徴のようだ」と現状を分析します。


記者のスタンスは基本的に、江原さんと彼をめぐるメディアの動向、信奉者の思い、アンチ宗教学者のコメントなどをなぞることにより、日本におけるスピリチュアリズムの現状を「批判的」に検証するというものです。そのスタンス自体は大歓迎なのです。とはいえ、「勝ち組と負け組」とか「これほど多くの日本人が飢えた魂をかかえていることだ」といった言葉のなかに、紋切り型な考え方が入り込んでいることと、そういったことを江原現象をもって決めつけるのはどうかと思ったりしました。たしかにそういう傾向はあるのかもしれませんが、現実はもっと多様でしょうし、江原さんに批判的な人だって、山ほど存在するでしょう。


第一記事のことはさておき、圧巻は第二記事のインタビューでした。実際は記者が、もっとていねいな質問の仕方をしているのだと思うのですが、誌面上では、かなり高圧的な質問の仕方で江原さんに話を聞いています。笑えますので、ぜひ読んでみてください。これを読んだら、内容のいかんにかかわらず、江原さんがかわいそうだと思ってしまう人がたくさんいるのでは。江原さんの言動に超懐疑的な私でさえ、すこしそう思いましたから。

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2007年5月 8日 (火)

昨日のNHK「クローズアップ現代」は、憲法9条がテーマでした。


護憲の立場からは、井上ひさしさんが登場。憲法をわかりやすく、親から子へ、おとなから子どもへ語り継ぐことのたいせつさを語っていました。


つづいて、財界人がふたり登場。ひとりは、改憲派の高坂節三さん(経済同友会の前憲法問題調査会委員長)。商社で海外勤務をしていたときに湾岸戦争が起き、まわりの外国人から日本の戦争不参加を問い質されたことを契機に、改憲を考えるようになったとか。もうひとりは、護憲派の品川正治さん(経済同友会終身幹事、元・日本興亜損保社長)みずからの戦争体験にもとづき、財界のなかで反戦平和を訴え続けているそうです。


そして、憲法と若者というコーナーで、作家の雨宮処凛さんと「31歳、フリーター、希望は戦争」の赤木智弘さんが登場。護憲派である雨宮さんが労働問題をとおして若者と積極的に対話している様子が紹介され、その若者の代表として「改憲でもいい」という赤木さんの発言が取りあげられていました。


最後に登場したのは、憲法学者でありながら改憲を主張して注目された小林節さん(慶大教授)。小林さんは、大学院の授業で護憲派の伊藤真さん(伊藤塾塾長)を招き、憲法改正に関する議論を改憲派と護憲派の直接対決というかたちで公開しているそうです。


以上が番組に登場した人びとです。井上さんのコーナー以外は、いかにもNHKといえるような両論併記を繰り返す内容でした。でも、最後の小林さんが改憲だから、井上さんの部分と相殺されて、けっきょく全体が両論併記ということでしょうか。


私自身は、憲法が国民による統治権力への命令であるという観点から、政治家や財界が改憲を推進するのは大きな間違いだと思っています。しかし、ゴリゴリの護憲派というわけでもありません。ここでは9条、それも財界が主張する改憲議論にしぼって考えてみます。

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2007年5月 6日 (日)

まず、海外に長く滞在してみて、日本国外務省ってダメな役所だなという感想を持ちました。滞在する国や滞在した立場などによって、いい役所だと思ったりする人もいるのかもしれませんが、とりあえず私はダメだと思いました。
あと、外務省全体というよりも、その出張所としての大使館というふうに、個別具体的なダメさ加減を指摘したほうがいいのかもしれません。が、長く滞在しているうちに、大使館の元締めがダメだから、末端もダメなんじゃないかと思うようになりました。

以下、体験にもとづくダメな理由。
現地の法人を保護するといいながら、保護されないことがある。
治安が悪化しても、まともな情報を提供しないし、情報を持っていない。
以上の2点は、大使館による「選民思想」が影響しているのかもしれません。「選民」の基準は、どんなお仕事をしているのか、ということです。その一端は「双風亭日乗」の以下のエントリーにも書きました。

http://d.hatena.ne.jp/lelele/20050507/p1
http://d.hatena.ne.jp/lelele/20050509/p1
http://d.hatena.ne.jp/lelele/20050510/p2
http://d.hatena.ne.jp/lelele/20050511/p1

さらに、大使館のトップである「特命全権大使」という役職が名誉職になっており、その国にほとんど脈絡がない人物が、いきなり着任することが多かったです。欧米や中国、そしてロシアなど「重要」な国では、あまりそのようなことはないのでしょうけど、カンボジアのような「重要」でない国の大使人事は、まさに名誉職的な雰囲気をかもしだしていました。

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2007年5月 3日 (木)

澁澤龍彦−幻想美術館
北浦和の埼玉県近代美術館にて。

刺激的でした。

ちなみにこれは、モブログのテストです!

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2007年5月 3日 (木)

リニューアル記念で開始する連載は、以下のふたつです。
いずれも力の入った双風舎の独自企画です。

●連載1 仲正昌樹 「思想の死相」

ひとつめは、仲正昌樹さんが「死」をキーワードにして、10人の「知の巨人」の思考を解説する「思想の死相」。仲正さんといえば、わかりやすさの罠を語る現代思想のトップランナーですね。とはいえ、今回は妥協していただき、できるだけわかりやすい記述で原稿を執筆してもらいました。いま私たちは、「知の巨人」たちの思想をどのように活かしていけばよいのか。仲正さんの道案内による現代思想への旅を、ぜひご堪能ください。
この連載は、リニューアルと同時に開始いたします。

●連載2 斎藤環と茂木健一郎の往復書簡 「脳は心を記述できるのか?」

ふたつめは、気鋭の精神科医・斎藤環さんと人気絶頂の脳科学者・茂木健一郎さんの往復書簡です。6月初旬から公開いたします。月に1通で5往復となる書簡のテーマは、「脳は心を記述できるのか?」です。6月初旬に掲載予定の斎藤さんの書簡からスタートとなります。
話題の焦点は、茂木さんの提示する「クオリア」という概念になるかと思います。つまり、この往復書簡の位置づけは、「クオリア」とは何かを再考しつつ、脳はどこまで心を記述できるのかを確認するものとなりそうです。

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2007年5月 3日 (木)

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5月3日より、双風舎ウェブサイトをリニューアル・オープンいたしました。
今後とも「ひとりと一匹出版社・双風舎」のウェブサイトを、なにとぞよろしくお願いいたします。
写真は、弊社の寅専務です。よろしくお見知りおきのほどを!

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