双風亭日乗

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2008年7月30日 (水)

最近、「あきらめない」といったように、「~ない」というたぐいの言葉を聞くことが多いですね。嫌になったらあきらめて、次のことをやったほうがいいと思っている私には、「あきらめない」なんて言葉は空念仏に聞こえてしまいます(笑)。もちろん、ときには「あきらめない」ことも必要だとは思いますが。

さて、「~ない」というたぐいの言葉で私が好きなのは、「群がらない」です。けっして群がることのすべてを、否定しているわけではありません。何か事が起きて、それに対処するために群がり、協力し合うことは必要だと思います。でも、その群れをいつまでも維持する必要はないとも思います。

群れが継続すると、いくら自由な雰囲気などときれい事をいっても、組織化したり硬直化したりしてしまいます。群れのなかの誰が古参かとか、誰がエラいのかとか、誰が責任をとるのかといった話になりがちです。さらに、群がることに安心してしまい、自分で考えたり自分で対処したりすることを忘れがちになったりもします。

だから、双風舎は出版関連の諸団体には入っていません。重要な案件を解決するために群れをつくり、一瞬でもいいから最大限の力を発揮し、案件が解決したら解散すればいいと思いますから。だらだらと仲よし倶楽部のように群れていても、あまり意味がないと思っています。

私自身は署名や募金をほとんどしません。とくに、何かを寄付すると、寄付した会社の社名や個人名を、寄付された側がどこかで紹介するようなタイプは苦手です。寄付するんなら、社名とか名前とが、どうでもいいじゃん、と思ってしまうんですよ。現場で寄付された人びとには、そんなのどうでもいいことですから。

もちろん、この「群がらない」をだれかれに押しつけるつもりなどありません。ただただ、したたかに、しなやかに、群れることなく、ひとり出版社のオヤジとして、著者や読者、書店、そして業者のみなさんとともに、生き延びていけたらいいなあ、と私は思っているんですね。

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2008年7月29日 (火)

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3泊の旅から帰りました。暖かい地域にいくと、どうしても眠くなります。昼間は寝たり本を読んだりしてだらだら、夜から外に出て食事&酒、というパターンで過ごしました。

気候は、基本的に激暑でした。しかし、ときどき降るスコールのあとは、気持ちのいい風が吹いていました。

ある日の夜は、トヨタのセンチュリーでタクシー業をいとなむ「センチュリー金城さん」の車(写真参照)に乗り、宮台さんや藤井さんと夜の那覇周辺をまわりました。もちろん打ち合わせをしつつ。あの最高級車であるセンチュリーをタクシーとして使っちゃうんですから、たいしたものです(笑)。乗り心地、よかったなぁ。

宿泊は藤井さん宅だったのですが、とにかく居心地が最高でした。

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2008年7月25日 (金)

本日午後から28日午後まで、『どんかんなサヨク』の打ち合わせのため、沖縄に滞在いたします。「沖縄で打ち合わせをするなど、なんて優雅な!」と思われるかもしれません。私自身は飛行機代を捻出するので一杯いっぱいなんですよ、まじで。でも、宮台さんと藤井さんに執筆へのモチベーションを高めてもらうためにも、ちょっと無理をしてみました。国内線の飛行機代、高いっすよね~。

このように資金的なリスクはありますが、「左翼=サヨク」の実状を考えたり、話し合ったりする場所として、沖縄は最適であるような気もします。読みごたえのある本をつくれるように、努力する所存です。

一昨日、前から探していた白石一文さんの『この世の全部を敵に回して』(小学館)を購入。数時間で読了。最近読んだ本のなかでは、もっとも刺激をうけました。この本については、後日、ぜひ読後感を述べてみようと思っています。

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2008年7月22日 (火)

■ひさびさに、伊集院光の深夜ラジオを聞きました。おもしろいねぇ。しゃべりもうまいし、とりあげるネタもおもしろい。そのあとのバナナマンがイマイチでした。

■織田裕二主演の『太陽と海の教室』(フジテレビ系)がスタート。前にやってた土曜の夜ドラ「ライフ」と出演者がかぶっているし、織田さん演じる先生が説教しないふりして説教しているのがウザいし。今後に期待しましょう。

■上記以外にも、7-9月でワンクールのドラマがたくさんはじまりました。木曜の『コード・ブルー』(フジテレビ系)は、まったく知らないドクター・ヘリの世界を描いているのと、主役の若手女医の二人(新垣結衣と戸田恵梨香)がいい感じなので、観ています。

■考えてみれば、日曜にやっている竹野内豊主演の『Tomorrow』(TBS系)も地方の市民病院を再建するという物語で、医者モノですね。べたべたな内容ですが、なんとなく竹野内さん演じる医者を応援したくなります。

■金曜の9時は『ロト6で3億2千万円当てた男』(テレビ朝日系)。初回の途中で観るのをやめました。以降、録画していません。

■金曜10時の『魔王』(TBS系)は、はじめに問いの答えを提示してしまい、答えが出る過程を追いかけるようなドラマ。内容はなかなかおもしろいけれど、主演のふたり(大野智と生田斗真)がいまひとつ。でも録画してあります。

■月曜の8時は『あんどーなつ』(TBS系)。おなじみの漫画作品を実写化したものですね。内容はまあまあといったところですが、舞台が我が町・浅草なので、地元の人と話すときのネタ用に見続けるつもりです。風吹ジュンがいい演技をしてますね~。

■最後は日曜の大河ドラマ『篤姫』(NHK)。超ひさしぶりに、NHKの大河ドラマをとおしで観ています。情けないことに、私は篤姫の存在を知らなかったので、とても勉強になります。宮崎あおいさん、とても演技が上手です。家定役の堺雅人さんも味のある演技をしてました。

■そのほかで録画しているのは、日曜の昼間にやってる『ノンフィクション』(フジテレビ系)と『NNNドキュメント 2008』(日本テレビ系)、『爆笑レッドカーペット』(フジテレビ)、『あらびき団』(TBS系)、おもしろそうなNHKスペシャル、『給料明細』(テレビ東京系)、そして『5時に夢中!』(東京MXテレビ)ってところですか。

■基本的には、なかなか観る時間がとれなくて、どんどんたまってしまいます。でも、週ドラを1回見逃すと「まいっか」となってしまい、以降の回を観る気がなくなるので、できるだけ放映した週に観るようにはしています。

■ん~、なんだかんだいって、私はテレビを観ていますね(笑)

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2008年7月21日 (月)

藤井健仁さんの個展についてご案内します。健仁さんは、藤井誠二さんの実弟です。
以下、個展に関する情報を誠二さんのブログから引用します。
ぜひ足を運んでみてください。もちろん私も訪ねます。

向暑の候、皆様におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます。
この度、ストライプハウスギャラリーにて、8月9日から24日まで、
藤井健仁 個展「鉄面皮Extended」を開催いたします。
本展は2005年、藤井が第八回岡本太郎記念現代芸術大賞にて準大賞を獲得し
ました「彫刻刑 鉄面皮 プラス」の続編となる展示となります。

藤井健仁は現在、鉄を鍛造するといった方法論を共有しながらも、全く異なる、
対極的ともいえる方向性を持つ「彫刻刑 鉄面皮」と「NewPersonification」
という二種の系統を並行させて制作し、鉄と人との因果について、ストイックな
一形式による極論を避けながら、その複数の系統により矛盾を孕みつつ多角的に
奥行きのある返答を試みる作家です。

藤井健仁 個展「鉄面皮Extended」
2008年8月9日(土) - 8月24日(日)   11:00 - 18:30  無休
〒106-0032東京都港区六本木5-10-33-3F
http://striped-house.com/after.html

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2008年7月16日 (水)

今回は、「『小学校でエコ』への疑問」という記事に対していただいたLLさんのコメントに応答します。議論の流れについては、お手数ですが同記事のコメント欄を読んでいただければ幸いです。

まず、何もわからずに人助けをしている子どもがいたら、私は何で人助けをしているのかをわかってもらうように、どうにかしたいと思いますね。無条件にその子どもを肯定することはできません。

その理由は、「人助け」が「人殺し」にもなる可能性があるからです。

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2008年7月15日 (火)

数日前に、ある小学校が「エコ憲章」なるものを制定し、子どもたちに対してエコロジーの思想を啓発している光景をテレビで観ました。いやいや、啓発しているというか、子どもら自身が委員会のようなものをつくり、いかに「エコる」(エコロジーを実践する、という意)かを提案し、それをほかの子どもたちに実践させていました。

皮肉な私は、この映像を観ながら、ポル・ポト時代のカンボジアを思い浮かべてしまいました。国力を上げる(→エコる)。そのためには米を増産する(→ゴミの分別を進める)。オンカーの指示には従う(→上級生の指示には従う)。しかし、末端の人々は国力を上げる理由を知らない(→下級生らはエコることの意味をあまりわかっていない)。そんな構図ですか(笑)。

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2008年7月15日 (火)

キムタク主演の「CHANGE」(フジテレビ系)は、昨日が最終回でした。毎回、「そうだったら、いいのになー」という気分で観ていて、最終回については「このまま内閣総辞職となって終わるんだろうなあ」と思ってました。

だがしかし……。あまり期待しないで進行を見守っていたところ、最近のテレビではありえないような映像が流されました。キムタク演じる朝倉総理が、総理としての最後の演説を国民に対してするのですが、その演説の長さが約22分半。それもワンカットですよ。

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2008年7月13日 (日)

昨日、ZeppでAngeloのライブ。このバンドはビジュアル系に含まれるらしいけど、私は良質なロックバンドだと思います。一階では数千人がスタンディング、二階は座席。私は二階。で、客の95%が女性でした。

みなさん、頭を振ったり、サク(腕をあげ、指先を閉じたり開いたり回したりしる行為)をするわけですが、一階の様子は二階から見ていて壮観でした。とにかく、その動きが揃ってるんですよ。たとえが陳腐ですが、バリ島のケチャダンスを思い出しました。すごい!

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2008年7月12日 (土)

耐震偽造問題では注目していた「きっこのブログ」。一応、いまもブックマークはしていますが、ほとんど読むことがなくなりました。

たまたま、木曜日の「5時に夢中!」(東京MXテレビ)で「巨人の二岡と山本モナには男女関係があったか?」みたいなアンケートをやっていて、木曜コメンテーターの中瀬ゆかりさんや岩井志麻子さんがコメントしていたので、この件がすこし気になっていたんですよね。

で、同ブログのタイトルが「夜の三振王、二岡智宏」だったので、ひさしぶりに読んでみると、これがひどい。

冒頭で「男と女が2人で『ラブホ』に入るってのは、99%は『セックス』するのが目的だ」と言い切り、以下、その理由について持論を振りまわします。そして、最終的にはふたりがセックスしたと決めつけるわけです。

まあ、誰が考えても、そりゃそうなんですけれど、二岡さんや山本さんの話を直接、きっこさんが聞いたわけでもないし、自分で事実関係を取材したわけでもないのに、よくそこまで言い切れるなあ、と思いました。

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2008年7月10日 (木)

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昨日と今日は、浅草の浅草寺で「ほおずき市」。
250の屋台でほおずきを売っているので、そこらじゅうが朱色になっていて、不思議な感じがしました。

ほおずきを漢字で書くと「鬼灯」または「酸漿」。ぜったい読めませんよね(笑)。あと、なんでほおずきというひとつの名称に対して、漢字がふたつあるのでしょうか。

ちなみに、花言葉は「偽り」なんだそうです。大勢の人が偽りの花の実を買いに来ていると思うと、なんとなくおもしろい気分になりました。

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2008年7月 8日 (火)

定食屋でランチを食べながら朝日新聞を読んでいたところ、秋葉原の事件に関連して、赤木さんと宮台さんのコメントが掲載されていました。

帰宅してテレビをザッピングしていたら、「徹子の部屋」に忌野清志郎さんが出ていました。トーク番組なのに、清志郎さんはぜんぜん話さず、黒柳さんの顔を直視しません。トーク番組をバカにしたような態度が、とてもいい感じでしたね~。いちばん盛り上がった話題が、アイシャドウの話。黒柳さんが困っていました(笑)。

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2008年7月 7日 (月)

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この前、新宿ゴールデン街の「クリシュナ」って店で飲んで感動しました。ベルギービールのヒューガルデン。近所の酒屋で買って、家で飲んだら、またウマイ!

自分でカレーをつくるときに使っているスパイスのコリアンダーが入っているんですね、このビール。

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2008年7月 7日 (月)

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■先日、墓参りで大磯にいったのですが、帰りにバスで平塚に寄ったところ、ちょうど七夕をやっていました。そういえば、平塚は規模の大きな七夕祭りをやるので有名な街。私が平塚に住んでいたのは、4歳から8歳のあいだでしたが、七夕祭りはいつも楽しみにしていました。今回、36年ぶりに七夕を見たわけですね。

■昨日の22時すぎから、いまも試合がつづいているウインブルドン・テニスの男子決勝。三年連続で、ロジャー・フェデラーとラファエル・ナダルの組み合わせなんですが、これを書いているいまも試合は続いています(現在5時15分)。男子決勝の試合時間では、最長とのこと。緊迫した試合内容がつづき、興奮しながら観戦しています。NHKもよく生中継してるなあ。と、書いてるあいだに試合は終了し、ナダルが勝ちました。いい試合でした。

■私がテニスをやりはじめたのは、ベッカーやレンドルが強かった時期の1980年代半ば。カンボジア滞在中にもよくやりました。でも、いまはめっきりプレーすることがなくなり、テレビ観戦のみ。たまにはやりたいなあ、とは思います。が、用具を買って、やる人を見つけて、コートを予約して、なんてことをするのがめんどうで、なかなか実現しません。

■昨晩に放映された日テレのドキュメント'08は、「犯人にされた男 検証 富山えん罪事件」でした。以下は番組紹介ですが、警察はひどいことをしていますね。この状況で、警察職員が誰も処分されていないんですから、あきれたものです。

ドキュメント'08(NTV)
「犯人にされた男 検証 富山えん罪事件」

6年前、富山県西部の港町で強姦、強姦未遂事件が相次いだ。警察はタクシー運転手・柳原浩さんを逮捕。当初犯行を否認した柳原さんは、取調べ3日目に犯行を認めた。取調官からは「はい」か「うん」しか言うなと言われ、持っていないスニーカーも「自宅の前で燃やした」ことにされた。柳原さんはその後2年余り刑務所で服役。父親は服役中に他界した。出所後も隠れるように世間の片隅でひっそり暮らした。ところが、犯人は柳原さんではなかった。別の事件で逮捕された男が自供したのだ。柳原さんはなぜ犯人にされたのか? その真相を追う。

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2008年7月 1日 (火)

新聞をとっていないので、情報が遅れてすみません。

2008年6月29日付けの朝日新聞読書面「話題の本棚」欄で、本田由紀著『軋む社会』が紹介されました。同欄の選書のテーマは、「若者の貧困――重圧にあえぐ声に耳を傾けて」です。

『軋む社会』のほかにも、フリーターズフリー編『フリーター論争 2.0』(人文書院)や大山典宏著『生活保護 vs ワーキングプア』(PHP新書)、川崎昌平著『若者はなぜ正社員になれないのか』(ちくま新書)などが紹介されています。

先日、テレビのザッピングをしていたら、テレビ東京で「カンブリア宮殿」なる番組がやっていました。日本を代表する経営者やら政財界人が、したり顔して自慢話を語るという、超くだらない番組でした。

あの手の番組にでるような人たちには、上記のような本は届いていないんでしょうね。届いたとしても、何もしないんでしょうけれど。

そうなると、「若者の現状」や「貧困の実態」といった諸問題を、どんなアクションを起こせばすこしでもましな方向に持っていけるのか、考え込んでしまったり。安直だけれど、やはり個人が変わり、政治が変わり、制度が変わっていくような方向がいいのでしょうか。

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2008年7月 1日 (火)

Uenohonda
先週金曜に三省堂書店神保町本店でおこなわれた上野千鶴子さんと本田由紀さんのトークセッションは、多くのお客さまに足を運んでいただき、大盛況でした。

当初、予定していた「家庭教育」という議題のみならず、「労働とジェンダー」や「格差社会」の話題が出るなど、主催者としては嬉しい脱線の多いトークセッションでした。

聴衆のみなさまには、会場でたくさんの本を買っていただきました。ありがとうございます。

そして、弊社のような零細出版社が主催するトークセッションへの出演を引き受けていただいた上野さんと本田さんに、この場を借りて深く感謝いたします。

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