2008年7月30日 (水)
群がらない
最近、「あきらめない」といったように、「~ない」というたぐいの言葉を聞くことが多いですね。嫌になったらあきらめて、次のことをやったほうがいいと思っている私には、「あきらめない」なんて言葉は空念仏に聞こえてしまいます(笑)。もちろん、ときには「あきらめない」ことも必要だとは思いますが。
さて、「~ない」というたぐいの言葉で私が好きなのは、「群がらない」です。けっして群がることのすべてを、否定しているわけではありません。何か事が起きて、それに対処するために群がり、協力し合うことは必要だと思います。でも、その群れをいつまでも維持する必要はないとも思います。
群れが継続すると、いくら自由な雰囲気などときれい事をいっても、組織化したり硬直化したりしてしまいます。群れのなかの誰が古参かとか、誰がエラいのかとか、誰が責任をとるのかといった話になりがちです。さらに、群がることに安心してしまい、自分で考えたり自分で対処したりすることを忘れがちになったりもします。
だから、双風舎は出版関連の諸団体には入っていません。重要な案件を解決するために群れをつくり、一瞬でもいいから最大限の力を発揮し、案件が解決したら解散すればいいと思いますから。だらだらと仲よし倶楽部のように群れていても、あまり意味がないと思っています。
私自身は署名や募金をほとんどしません。とくに、何かを寄付すると、寄付した会社の社名や個人名を、寄付された側がどこかで紹介するようなタイプは苦手です。寄付するんなら、社名とか名前とが、どうでもいいじゃん、と思ってしまうんですよ。現場で寄付された人びとには、そんなのどうでもいいことですから。
もちろん、この「群がらない」をだれかれに押しつけるつもりなどありません。ただただ、したたかに、しなやかに、群れることなく、ひとり出版社のオヤジとして、著者や読者、書店、そして業者のみなさんとともに、生き延びていけたらいいなあ、と私は思っているんですね。
日乗 | 固定リンク | コメント (1) | トラックバック (0)