双風亭日乗

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2008年8月31日 (日)

前エントリーのyamazakuraさんのコメントを受けて。

突き詰めたら、何をするにせよ自己責任になってしまうのは仕方がありません。だからこそ、それは前提なのだから、あえて「自己責任だ」などというのは愚の骨頂です。

私が言いたいのは第一に、海外で活動をする場合、日本に国籍があるという限りにおいて、日本国外務省はその国に滞在する日本人を保護するという「義務」があるということです。これは、国税を払っている日本人が受けるべき、当然の便宜です。

しかしながら第二に、海外でもとくに治安の悪い国では、思うように情報収集ができず、また現地の無頼な政治家や軍人と渡りあうこともできない結果、日本国外務省が日本人を守ってくれる状況にはないという現実があります。また、いった先の国で、大麻を吸ったり、自傷行為をするなど、逸脱した行動を起こす輩もいます。日本国外務省が保護する対象として、そういう日本人も含めるのかどうかは、疑問が残るところですし。

つまり、治安の悪い国では、日本国外務省の法人保護という活動を過剰に期待することは困難だ、ということを「承知」したうえで、日本人は滞在する必要があります。だからといって、日本国外務省の「義務」が免除されるわけでは、けっしてありません。

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2008年8月30日 (土)

「志ある青年のアフガニスタンでの死に思うこと」というエントリーに、いくつかコメントがつきました。いずれも、私の書いたことは「見誤っている」という主旨のものです。すこし説明不足の部分があったかもしれませんので、コメントに答えるかたちで追記いたします。

戦争も紛争も内戦も、なければいいに決まっています。私もそう思っています。でも、争いごとが起こる原因は複雑怪奇であり、起きてしまうと歯止めがきかなくなる場合が多く、そう簡単にはなくなりません。ですから、まずは「なぜ戦争がなくならないのか」を考えることは、重要なことだと思います。

また、治安が悪い戦争・紛争・内戦地域のことを考えるときに、戦争が悪いとか、戦争をなくそうと考えるのは自由ですし、そう考えたくなる気分もわかります。でも、そういった地域で実際に活動する場合、戦争の複雑さをショートカットしたうえで「戦争が悪い」とか「戦争をなくそう」という飛躍した考えを持つことが、「自分は正しい」という思いこみを抱く契機となり、その思いこみが「死」への第一歩になったりする場合があります。

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2008年8月30日 (土)

今日は、サンバカーニバルでした。14時すぎからはじまり、前半は薄曇りでしたが、途中から豪雨。参加者は、さぞかしたいへんだったことでしょう。私は、薄曇りのときに短時間の見物を終え、あとは台東ケーブルテレビの生中継を見ていました。じつは、カメラ小僧のみなさんが、どんな感じでダンサーにかぶりついて撮影しているのかを見たかったのですが。この楽しみは、来年に残しておきましょう(笑)。

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2008年8月30日 (土)

NGO「ペシャワール会」の伊藤和也さん(31)がアフガニスタン東部で銃撃され、死亡しました。テレビの報道は、伊藤さんの功績を讃え、美化するものばかり。死者に鞭を打つ気はまったくありませんが、あまりにひどい報道姿勢に対し、苦言をていさざるをえません。なにが問題なのでしょうか。

まず、アフガニスタンで活動していた伊藤さんが、おもに農業指導というかたちで、すばらしい仕事をされていたという事実があります。行方不明になったときには、現地の多くの人々が伊藤さんの捜索を手伝ったとのこと。いかに伊藤さんが現地にとけ込み、現地の人々から信頼されていたのかを示すエピソードです。

一方で、アフガニスタン情勢は、とくに今年に入ってから悪化の一途をたどっていました。カルザイ政権が実効支配する地域は国土の一部であり、多くの地域はタリバンを中心とする反政府勢力が支配しているという見方は、もはや常識となっていました。つまり、アフガニスタンの治安は、日本人が地方で働くのには厳しい状況であったといえましょう。

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2008年8月23日 (土)

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弊社にも、ときおり「持ち込み原稿」というものが舞い込みます。今回は、そういった原稿に対する、弊社のスタンスをはっきりさせておこうと思います。

双風舎の本は、基本的に、私が出したい本を出しております。そして、私が出したいと思う本の基準は、私自身が「世の中に対して訴えたいこと」と「おもしろいと思ったこと」の2点です。

そうなると、書籍をはじめ、雑誌、ウェブ、テレビ、映画など、さまざまな媒体の、莫大な量の情報をみずから歩きまわり、上記2点のいずれかの基準を満たすものを探すことになります。宝探しのような感じですか。宝が見つかると、執筆の可否を確認したあと、いざ企画成立というはこびになります。

さらに、弊社のように小規模なかたちで経営していると、中小出版社のように「決められた点数の本を毎月出す」ということはできません。年間の発行点数は限られていながら、上記の基準2点をクリヤーしつつ、確実に一定の部数が売れるような企画を進めていく必要が生じます。

まあ、このように企画出版で本を出していると、けっこうハードルがあるわけです。そして、「持ち込み原稿」には、そのハードルを跳び越えるようなものが、いまのところありません。さらに、こうして「ありません」といえるのは、プリントアウトして、郵送されたものに限っており、メールで送ってきたものに関しては、基本的に目をとおしていません。

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2008年8月20日 (水)

といっても、新聞じゃありませんよ(笑)。うちは7階で、ほぼ真東を向いているので、晴れた日の朝は、いつも日の出が見えるのです。写真の左側下から上に走る道路は「花園通り」。ここを自転車で1分くらい東に走れば、そこは吉原のソープ街です。

最近、多忙につきブログの更新ができず、もうしわけありません。一段落したら、マメに更新いたします。書きたいネタはたくさんありますので。

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2008年8月14日 (木)

gooランキングがおもしろかったっす。「合コンで異性に熱く語られるとウザいと思うランキング」。以下は、同ランキングの1位から20位まで。

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2008年8月14日 (木)

■双風舎の次の企画は、ノンフィクションライターの藤井誠二さんの本です。罪と罰について、芹沢一也さんや松江哲明さん、郷田マモラさん、宮崎哲弥さん、そして宮台真司さんと、藤井さんが議論を交わしたものとなっています。くわしい内容は、後日発表いたします。発売は10月末あたりです。ご期待ください!

■そんなわけで、宮台真司さんと藤井誠二さんの『どんかんなサヨク』は、藤井さんの本が出たあととなります。

■オリンピック。選手たちを取りあげるマスコミの姿勢が最低。選手たちに陳腐なキャッチフレーズをつけ、持てはやすだけ持てはやして、メダルがとれないとポイ。ノスタルジーにひたるわけではありませんが、昔は「参加することに意味がある」がオリンピックのキャッチフーズでした。いまや「参加しても、メダルをとれなきゃ意味がない」になっているような気がします。それでは、選手たちもやってられませんよね~。

■グルジア情勢に注目。アメリカが非戦闘員とはいえ、軍隊を派遣。戦況はアメリカ対ロシアになりそうな雰囲気。アフガンの二の舞にならぬよう、ただただ祈るばかりです。

■サンボマスター→ABBA→ラルクアンシェル→銀杏BOYZ→マービン・ゲイ→小島真由美→ラビアンローズ→トッド・ラングレン→CHER→ダンス☆マン→徳永英明→PIERROT→ビートルズ……。仕事をしながらiTUNEを聴いていたら、いつのまにかすごいことになっていました(笑)

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2008年8月11日 (月)

昨日、「ザ・ノンフィクション」(フジテレビ系)の特選で「僕がホストになった理由2~友情と裏切りの街角~」が再放送されました。内容は、大阪ミナミのホストクラブをめぐる、さまざまな情景でした。

この番組を観ていて、もっとも気になったのは、以下のようなシーンでした。あるベテランホストには、自分の仕事が親に認められていないという悩みがある。その悩みを解消するため、ホストクラブの若手会長が彼と一緒に長崎までいって、彼の親に会おうとする。母親は在宅中だったが、彼の仕事を認めていないので、大阪からやってきたふたりを家に入れない。

で、その母親は盛んに「認めてませんから」っていうんですよ。怒った口調で。彼の仕事を、私(と夫)は認めていない、ということなんでしょう。この「認めてませんから」というのが、私にはとても気になりました。これって、おかしくありません?

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2008年8月 6日 (水)

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今日の「5時に夢中!」(東京MXテレビ)。コメンテーターは、中村うさぎとマツコ・デラックスでした。で、マツコが番組の冒頭から終了まで、「変なことをいうとBPOに訴えられちゃうから」と何度もいってました。番組の進行が、何か変な感じだったんですよ。

BPOというのは、放送倫理・番組向上機構の略称です。この任意団体は、「放送への意見や苦情、放送倫理上の問題に対して、自主的に独立した第三者の立場から対応する放送界の自律機関で、三つの委員会を運営してい」るそうです(BPOウェブページより)。

同番組には、黒船特派員と称するコーナーがあります。月曜から金曜まで日替わりで、日本語が達者な外国人が登場し、日本のさまざまな文化や出来事を紹介するコーナーです。水曜に関しては、ここ数週間、同コーナーでブティックホテル(つまりラブホテル)の紹介をしていました。私は、「17時の番組としては、たいへんおもしろい試みだ」と思って見ていました。

ところが、このブティックホテルを紹介する企画に対し、どうやらBPOからクレームがついたようなのです。視聴者がBPOにクレームをあげたのか、BPOが独自に判断したのかはわかりませんが。結果、そのコーナーは急遽、内容が芸能ニュースに変更されていました。

同番組とBPOの関係についての詳細はわかりませんが、マツコがしつこいくらい「BPOに……」と連呼し、うさぎも「へたにコメントするとBPOに訴えられちゃうからね」なんていっていました。あきらかに番組の進行がおかしくなっているなかでの、コメンテーターのふたりによるBPOの連呼に、私は終始、笑いっぱなしでした。

ブティックホテル紹介ごときでクレームをつける視聴者も、それをうけて番組に(おそらく)クレームをつけるBPOも、了見が狭いなあと思いました。とはいえ、それを皮肉って、BPOを連呼するふたりを放置している「5時に夢中!」という番組は、やはりなかなかおもしろいなあと思ったりしました。そもそも、倫理って誰が決めるんだよ、って話のような気もします。

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2008年8月 6日 (水)

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日本国内における1日の自殺死者数 … 約90人
日本国内における1日の自殺未遂者数 … 推定1000人


日曜の『NNNドキュメント 2008』(日本テレビ系)のテーマは自殺。「自殺企図――精神科医との生きる約束」というタイトルで、愛知県の病院で救命救急を担当する精神科医・赤松拡(あかまつ・かく)さんの活動を紹介していました。

冒頭の数字は、番組の最後に紹介されたものです。つまり、自殺死者数の10倍くらい、自殺未遂者がいるということなんですね。さらに、救命救急をたずねる患者のうち、2割くらいが自殺をはかった人とのこと。そんな状態なのに、救命救急に精神科医が配属されるのは、いまのところ稀なケースなんだそうです。

日本の自殺者が年間3万人以上だということは知っていましたが、「1日の自殺死者数が約90人」という数字にはあらためて驚いたし、「1日の自殺未遂者が推定1000人」という数字には、驚きを通りこして薄ら寒さを感じました。「1日の……」ですから。きれい事は言いたくありませんが、自殺したり自殺しようとする人が毎日1000人いる社会って、やっぱりおかしいんじゃないかなぁ。

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2008年8月 4日 (月)

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■赤塚不二夫さん死去。赤塚さんを「天才」だ何だと神様あつかいするのはどうかと思います。でも、生前の赤塚さんの生き様を、いろんな人から聞いたり読んだりするたびに、尊敬に値する人だと私は思っていましたし、いまも思っています。

自分の才能で山ほど金を稼ぎ、放蕩ともいえる金の使い方をする一方、困っている人がいれば見返りなしにばらまく。この見返りなしという部分が、ほんもののボランティアってものなんだと思うのですが(赤塚さんは、そんなことを思っていなかったかもしれませんが)。もちろん赤塚さんの周辺にいなければ、そのばらまきの恩恵にはあずかれないわけですが、生きているうちに知り合える人間なんて限られているんだから、そんなのは当然のことですよね。

代表作の「天才バカボン」については、子どものころに大きな影響をうけました。「何かほんとうなのかは、誰にもわからないし、決められない」ことなんかを、子ども心に学びました。去年、アニメの「天才バカボン」と「元祖天才バカボン」を通しで娘と観ましたが、けっこう楽しんで観てましたよ。

■福田改造内閣。ぱっとしないっすね。以下の記事に見られるような動きが拡がると、自民党はマジでやばい状況になってしまうのでは。自民党県連の幹事長が以下の動きをうけて、「次の選挙は厳しい戦いになる」と弱腰なコメントをしていることに注目。といっても、だから民主党に政権をまかせれば安心とは思えないのが困ります。

「燃料無策」と自民支持する団体への献金中止 奈良

 高騰する燃料費問題に業を煮やした奈良県トラック協会郡山支部(中秀夫支部長、54社)が自民党を支持する関連政治団体への政治献金を中止することを決めた。政府・与党が燃料費高騰問題に無策というのが理由。「倒産する会社もあるのに何もしてくれない」と、選挙応援の取りやめも決め、民主党など他党の応援を検討している。

 中支部長らによると、6月上旬の支部会で会員が献金廃止を提案し、全会一致で決まった。同協会(12支部、約500社)加盟社の約7割にあたる約370社が「県トラック運送事業政治連盟」にも加盟。同連盟は1社あたり年額5千円を徴収し、自民党支部などに献金している。

 協会は「政治献金はあくまで個人が行うもので、決議はおかしい」と郡山支部に再考を要請。自民党奈良県連の服部恵竜幹事長は「政府の対応に立腹されていると聞いていたが、残念。次の選挙は厳しい戦いになる」と話した。

(asahi.com 2008年8月3日10時48分)

■「篤姫」(NHK総合)。今回のタイトルは、「さらば幾島」。長いあいだ篤姫の老女として仕えてきた幾島が、篤姫のもとをはなれるシーンには、不覚にも涙。松坂慶子のすばらしい演技が見られなくなるのは、ちとつらいところです。

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2008年8月 4日 (月)

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■「プリンツ21」(プリンツ21)の2008年秋号が発売になりました(写真参照)。特集は、大正中期から昭和初期にかけて活躍した挿絵画家の高畠華宵です。華宵の書いた画をボーイズラブ好きの女性に見せて、感想を語り合うなど、おもしろいアプローチの記事があったりします。

■ゴルフの全英女子オープン。不動と宮里がトップ3のまま最終日をむかえ、30数年ぶりに日本人がメジャーで優勝するかもしれない、という状況でした。しかし……。優勝は韓国の申ジエで、不動は3位タイ、宮里は5位で終わりました。それでも、たいしたものだと思います。韓国勢はすごい活躍ぶりですね。ゴルフは「見るだけ」なのですが、メジャーだと緊迫の駆け引きが生中継で放送されるので、けっこう楽しみながら見ています。

■F1。チェッカーフラッグまであと3周のところで、トップを走っていたマッサがエンジントラブルでリタイア。「まさか……」の展開です。ん~、何があるかわかりませんね。

■「サラリーマンNEO」(NHK総合)のサラリンピック2008が、とてもおもしろかったです。

■昨日、東京ビッグサイトのエスカレーターで事故。メーカーは、しっかり点検したといっているようですが、一昨日に訪ねたときには、事故のあったエスカレーターが止まっていたんですよ。ほかのエスカレーターは動いていたのに。いずれにしても、岡田さんがこちらで書かれているように、この事故の責任はおそらく「イベント関係者やお客さん」にはないのでしょう。エスカレーターの責任ですよ、きっと。

■「週刊金曜日」8月1日号に、本田由紀著『軋む社会』の書評が掲載されています(41ページ)。評者は、弊社刊『若者を見殺しにする国』の著者・赤木智弘さんです。

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2008年8月 3日 (日)

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本日、東京ビッグサイトにてワンダーフェスティバル[夏]が開催されます。お時間のある方は、ぜひ訪ねてみてください。ワンフェスの詳細は、ここをクリック

というわけで、昨日、ワンフェスを主催する海洋堂の方に、取材でお会いしました。海洋堂という会社の歴史も、そこで働くスタッフの方々も、ワンフェスというイベントも、たいへん興味深いものがありましたので、有意義な取材をさせていただきました。

じつは、私はけっこうフィギュアが好きなのです。小学校の高学年までは、超合金ロボットフィギュア(ライディーンとかマジンガーZとか)を集めたりしてたんですよ。最近は、置く場所がないのと、高価なので、買いたくても買えませんでした(笑)。

フィギュアといえば、基本は少量の限定生産でプレミアがつくかわり、値段が高い場合が多いですよね。しかし、海洋堂のリボルテックというシリーズのフィギュアは、できるだけ品質を落とさないまま値段を「安価」にするため、さまざまな工夫がなされた商品となっています。

まだまだ世の中からの関心が薄いフィギュアというものを、幅広く認識してもらおうという海洋堂スタッフの思想が、リボルテックにはあるような気がします。早く本棚を買って、いくつか買おうと思います。まずは、DMCとエヴァのシリーズですか。

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