双風亭日乗

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2008年10月11日 (土)

「運用」の失敗を税金で尻ぬぐい?

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世界同時株安で、アメリカを中心に多くの金融会社が破綻しているようです。不思議なのは、破綻したり破綻しそうな銀行やら証券会社などの金融会社に、政府が公的資金を注入する、というアクションです。

理論的には、金融危機を回避するとか、不況を防ぐといった効果があるアクションなのかもしれません。しかし、それらの金融会社が破綻しかかったのは、多くの場合、資金の「運用」をミスしたことが原因なわけですよね。

ならば、破綻しそうなのは金融会社の自己責任なのではないか、と単純に思ったりするわけです。また、金融会社は顧客からあがすったカネを元手に「運用」をしているのでしょうが、カネをあずけた金融会社が破綻した結果、顧客のカネが目減りしたりなくなったりするのも、これまた自己責任なのではありませんか。

民間企業としての金融会社が、民間人のカネの「運用」に失敗したのに、どうして公的資金が注入する必要があるのかが、私にはよくわかりません。被害の金額がでかいからとか、社会が不安になるからという理由で注入するのであれば、それは規模のでかいギャンブル(株とか投資とか)をやればやるほど、失敗したときに政府が助けてくれる、という話にはなりませんか?

私は、株とか投資とかには、一切興味がありません。手を出したこともありません。クレジットカードも、ごく最近までつくりませんでした。なぜかというと、手渡し(もしくは振込)で現金をやりとりをするのが商売の基本だし、生きていくうえでの基本だと思っているからです。

人にあずけるとカネが増えるという仕組みはうさんくさいし、株のように数字が上下するだけで売ったり買ったりした結果、カネが増えるというのもうさんくさく感じます。これってギャンブルですよね。クレジットカードについても、現金なしでカネが動くことが嫌なので、ずっとつくりませんでした。最近つくったのは、PASMOのチャージをするためです。

バブル時のギャンブルのような資金「運用」で失敗し、大穴をあけた銀行を政府が助ける。その銀行は、ギャンブル「運用」などせずに、地道な経営で生き残りをかける中小企業をぜんぜん助けない。そんな銀行に危機がせまると、また政府は助け船を出す。それも、税金を使って。

ん~、ニュースを見ていても、金融会社への公的資金注入の「理由」がよくわからないんですよね。理由がわかれば、このような疑問もすこしは解消されるのかもしれませんが。この件については、なぜかおおまかな状況だけ説明して、具体的なことには言及していないように思えるのは、私だけなのでしょうか。

資金を「運用」できるような会社も個人も、普通の経営ができるカネがある(あった)のでしょうし、普通の生活には困らないようなカネはある(あった)のでしょうから、貧乏人の血税で尻ぬぐいをさせるような恥さらしは、してほしくないものです。

いずれにしても、「運用」の失敗でつまづいたのであれば、その会社も顧客も自己責任でつまづくのは仕方のないことだと思います。その尻ぬぐいを、「運用」などにまったく興味のない私の税金でしてほしくはありません。納得のいく説明をしてくれるのなら、話は別なのですが。

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» 藤巻プロパガンダ トラックバック 石井政之 BLOG
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受信: 2008/10/15 17:40:10

コメント

「規模のでかいギャンブルをやればやるほど、失敗したときに政府が助けてくれる」という状態がおかしいのはその通りで、だからシステム全体を壊しかねないようなギャンブルは基本的に禁止すべきです。レバレッジ比率の規制はそのためにあったのですが、それが撤廃されたことが今回の危機の原因の一つだと言われています。ほかにも、金融商品の不透明性だとか、安易な証券化によるモラルハザードだとか、今回の件で明らかになった問題はいくつもあり、規制が必要だと思います。
 そのうえで、どうして政府がいま介入するかというと、それは信用危機を止めるためだと理解しています。つまり、銀行が大損を出して潰れそうになると、あるいは担保の価値が減ったためにレバレッジ比率が過剰に上昇すると、自己資本率を高めようと貸し渋り・貸し剥がしをするようになります。それに加えて今回の場合は、住宅ローン担保証券が訳が分からないことになっていて、どの銀行にどれだけ損が出ているのか分かりにくいので、銀行同士の間でも不審感が広まって、銀行が日常的に行なっているような相互短期融資が滞っています。
 そうなると、おかしなギャンブルに手を出した銀行や投資家が損をするだけでなく、まともに事業をやっている優良な企業や銀行までもが、信用危機がなければ得られたはずの融資を得られなくなって資金繰りが悪化し続々と倒産する恐れがあるわけです。そうなれば、大恐慌に突入して失業の嵐が吹き荒れてしまいます。
 米国で7000億ドルという驚くほどの金額の介入が発表されたときには、放置すれば24時間以内に信用システムが機能停止すると言われていました。それには多少誇張も含まれているとは思いますが、かなり危ない状態だったのは事実のようです。
 と、そういうことだとグールズビー先生が言ってました。

投稿: macska | 2008/10/11 16:08:02

マチュカさん、震源地からのわかりやすい解説をありがとうございました!

投稿: lelele | 2008/10/12 0:16:44