双風亭日乗

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2009年1月30日 (金)

1月28日のエントリー(誰に生け贄をささげるのか)に対して、以下のようなコメントをいただきました。

生贄はオーバーかと。
隣家が赤白だったら落ち着かないですよ。窓からの風景が赤白なんですよ?迷惑以外なにものでもない。
そりゃいらいらしますって。いたってノーマルな反応かと。
プロ市民みたいな人というのもレッテル張りでは?
この件についてほとんどしりませんが、生贄という表現にはひっかかりました。
これからも「限界の思考」みたいにおもしろい本たのしみにしています。

以下、コメントを書いてくれたmさんに対する返信を書いてみます。

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2009年1月28日 (水)

Umezu
訴えること自体がアホらしいと思っていた「楳図かずお宅が住宅街の景観を壊しているかどうか」訴訟。当たり前の判決がでました。

ワイドショーは「いいネタだ」ということで、ムキになって楳図かずおさん宅の批判をするプロ市民みたいな人のインタビューとか取りあげていましたが。

「ここまで騒ぐネタなのか」という意味では、この騒動も「子猫殺し」騒動も似たり寄ったりだと思います。この騒動は、たまたまネタが「住宅」だったから、食いつく人がすくなかったのかもしれません。

ワイドショーで楳図さんを批判していた人の雰囲気を観ていると、この人はどうしてこんなにムキになるのか、どうしてこんなにイライラしているのか、ということが気になりました。

「楳図かずお宅」にしても「子猫殺し」にしても、騒動を起こす人たちが、まるで何かにささげる生け贄を探しているように見えるのは、私だけなのでしょうか?
誰に、何に、生け贄をささげるのでしょうか?

楳図さんの赤白ストライプ住宅OK、外壁撤去の請求棄却

漫画家の楳図かずおさんが東京都内に建てた赤白ストライプの外壁の住宅が閑静な住宅街の景観を壊しているとして、周辺住民2人が外壁の撤去などを求めた訴訟の判決で、東京地裁(畠山稔裁判長)は28日、「周囲の目は引くが、景観の調和を乱すとまではいえない」として住民側の請求を棄却した。

楳図さん宅は2階建てで2007年に着工し、08年3月に完成。外壁は幅約48センチの赤白横じま模様で、壁の一部は緑色に塗装された。屋根の南側には赤色の円筒が建てられている。
(NIKKEI.NET, 17:58)

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2009年1月26日 (月)

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日本の経済が不況であったり、雇用不安がまんえんしていることの発端は、小泉純一郎元首相による構造改革であることは、もはや確認するまでもないことだと思います。ところが、国民を不幸に陥れた小泉政権を、多くの国民が支持していた時期があります。

一方、坂東さんの「子猫殺し」騒動を、一歩引いた目でながめてみましょう。坂東さんが子猫を殺したことに過剰反応した人たちが、あらゆる卑劣な言葉を使ったうえで坂東バッシングをしていたわけですが、その人たちの多くは、「自分の飼い猫に去勢をすることの意味は、どういうことなのか」というみずからへの問いかけを、棚上げにしたまま坂東さんを罵っていました。

このふたつの事例に共通することは、ある種の空気が社会にまんえんしてしまうと、その空気のなかにいる人たちには、その空気が「正」なのか「負」なのか、よくわからなくなってしまうということだと思います。もし、その空気が「正」なのであれば、とくに問題はないのですが。

しかし、その空気が「負」の場合、早めに気づかないと、とりかえしのつかないことになることもあります。その場そのときには、自分が絶対に正しく、よいことをしていると信じている。しかし、あとから考えてみると、自分は絶対には正しくなかったし、よいことをしていたとも思えない。そういうことは、けっこうあると思います。

前置きがながくなりました。今回は『ファニーゲーム U.S.A.』という映画を紹介します。この映画は、ミヒャエル・ハネケ監督が1997年に製作した『ファニーゲーム』という映画のリメイクです。私は、渋谷のシネマライズで観ました。上映時間は111分ですが、半分くらいのところで、観つづけるのが苦痛になってきました。でも、我慢して最後まで観ました。

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2009年1月25日 (日)

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たいへんお待たせしました。
2月25日に配本を予定している坂東眞砂子著『「子猫殺し」を語る』。アマゾンドットコムにて予約が可能となりました。

2月初旬から発売まで、おそらく隔日のペースになると思いますが、同書に関するキャンペーンをおこないます。書誌データや刊行する理由、執筆者からのコメントなどを、当ブログで掲載する予定です。

2006年8月19日に日本経済新聞夕刊プロムナード欄に坂東眞砂子さんの「子猫殺し」というエッセイが掲載され、同月下旬から9月下旬までの約1カ月にわたり、ネットや週刊誌で坂東バッシングの嵐が吹き荒れました。

あの騒動とは、いったい何だったのか。坂東さん、東琢磨さん、小林照幸さん、そして佐藤優さんと、じっくり考えていこうと思います。

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2009年1月24日 (土)

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NHK-BS2の「週刊ブックレビュー」で、本田由紀著『軋む社会』が紹介されました。刊行から8カ月が経過している本を、紹介していただけるなどとは思っていなかったので、とても嬉しいです。

しかし、うちは残念ながらBSが見られません。明日の23:45から再放送があるので、BSが見られる方はぜひご覧になってください!

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2009年1月22日 (木)

びっくりしました。
昨晩、携帯版の「朝日・日刊スポーツ」を開いたら、逆走の記事が三つ。高速道で逆走されたら、対抗車線にいる車は、たまったものじゃありませんよね。

あと、逆走した三人のうち、ふたりが80歳代でひとりが60歳代。

こういう記事を読むと、運転歴26年で44歳の人(私ですね)の免許更新が半年遅れたから、仮免からやり直せなんていう制度を維持するより、高齢者の免許更新を徹底しておこなう制度をつくったほうが、世のため人のためになるんじゃないかなあ、なんて思ってしまうのは負け惜しみみたいなものでしょうか(笑)。

これらの記事を読んだ印象からいうと、高齢者による交通事故っていうのは、けっこう起きているのではありませんか。別に高齢者バッシングをしようというわけではありません。年をとったら、だんだん身体にガタがくるのは仕方のないこと。

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2009年1月19日 (月)

明治大学で臨床社会研究特論という講義を選んでくれている学生さんへ。

最後の講義で何を話そうか考え、講義の前日にメモをつくっておきました。しかし、講義の当日にそのメモを忘れたため、おぼろげな記憶をたどって、お話することしかできませんでした。

以下の文章は、最終講義のためにつくったメモを整理したものです。講義を聴いてくれたみなさんに伝えたかったことが記されています。参考になるかどうかはわかりませんが、袖すり合うも多生の縁だと思うので、私の思いをあらためてみなさんにお伝えできれば幸いです。

半年間、講義を聴いてくれてありがとうございました!

では、以下は学生さんに贈る言葉です。

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2009年1月13日 (火)

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徹夜明けで窓を開けると、浅草の空が燃えてました。

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2009年1月 9日 (金)

おそい昼飯を食べるため、浅草のラーメン屋「青木亭」に入る。
「塩赤ラーメン」の食券を買い、カウンターに出す。
ほぼ同時に、水とおしぼりが出される。
「たまには、新聞でも読むか……」と思い、カウンターに置いてあった新聞を手に取る。
厚い新聞を読むのはダルいので、薄い新聞を選ぶ。
嗚呼、ついに銘柄ではなく、厚さで新聞を選ぶようになってしまった。
こうして手にとったのは、毎日新聞であった。
一面から順番に読んでみる。
「なんだ、薄いけど、けっこうおもしろい記事があるじゃん」なんて思いながら、ページをめくる。
「論点」のページなど、どうせおもしろくないと決めつけている私は、四面あたりから流し読みモードに入っていく。
そして、あっという間に最終面に到達。
「さて、今日はどんな番組やるのかな」
テレビ番組面をながめていると、流し読んだ記事の写真で、見覚えのある顔がふたつあったような気がしてきた。
番組面を読むのを中断し、また一面からながめ直す。
すると……。
赤木智弘さんの顔写真が掲載されているではありませんか。
ぶったまげたなぁ。
「2009年日本への提言」という記事のなかで、茂木健一郎さんと猪口孝さんに並ぶかたちで、赤木さんの論考が掲載されている。
ふむふむ、いいこと書いてるねえ。さすが双風舎の著者。
見覚えのあるもうひとつの顔は、いうまでもなく茂木さん。
「斎藤さんとの往復書簡、どうしてくれるのかなあ。このままシカトじゃあ、ちょっと無責任だよなあ」
考えてみれば、赤木さんも茂木さんも、双風舎に因縁がある人だから、流し読みをしながらも写真が「脳」に焼きついたのかもしれない。
この現象は、新聞を流し読みしながらも、「茂木さんみたいな感じ」と「赤木さんみたいな感じ」という「質感」に私の「脳」が反応した、すなわちクオリアがなした技なのであろうか。
脳のことはよくわかんないけれど、たぶん違うと思うね(笑)。

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2009年1月 9日 (金)

だんだん作業が忙しくなってきました……。

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2009年1月 6日 (火)

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本田さん関連のイベント情報です。
札幌近辺にお住まいの方は、ぜひ足を運んでいただければと思います。

こういう時期だからこそ、本田さんの出番が増えているのでしょう。大学のお仕事だけでも忙しいのに、その合間に講演やテレビ出演などをこなしている本田さん。なによりも、ご自身の身体が軋まないように、くれぐれもご注意くださいませ。

そして、こういう時期だからこそ、より多くの方に『軋む社会』を読んでいただきたいですね。

札幌弁護士会 憲法市民講座 「現代日本の貧困と格差を考える」
― ビンボーなのはボクのせい? ―

北海道現状報告
北海道新聞社「ぼくらに、希望を」取材班

講 演:
「現代の若者の労働問題」
講 師: 本田 由紀 先生

日 時: 2009年01月28日(水) 午後18:00~
場 所: 教育文化会館 小ホール
札幌市中央区北1条西13丁目 TEL:011-271-5821
入場料:  無料
主 催: 札幌弁護士会
連絡先: 札幌弁護士会
〒060-0001 札幌市中央区北1条南10丁目 札幌弁護士会館7階
TEL.011-281-2428(代表)
詳細はこちら

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2009年1月 6日 (火)

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さきほど、NHK-BS2で放送されている「週刊ブックレビュー」の制作元(テレビマンユニオン)から連絡が入りました。同番組で本田由紀著『軋む社会』が紹介されるとのことです。

「書評する人」は、高野明彦さん(国立情報学研究所コンテンツ科学研究系教授)です。どんな書評をしていただけるのか、とても楽しみですね。

以下に、放送日などの情報を記します。BSを観られる方は、ぜひご覧になってください!

NHK-BS2
「週刊ブックレビュー」
1月24日(土) 8:30~
再放送 1月25日(日) 23:45~

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2009年1月 6日 (火)

派遣村について、坂本哲志総務政務官が昨日、「本当にまじめに働こうとしている人たちが日比谷公園に集まってきているのかという疑問がした」とか「(集まった人が)講堂を開けろ、もっといろんな人が出てこいと(言っていたのは)、40年前の学生紛争の時の戦術、戦略が垣間見えるような気がした」と述べました。

この発言について、「よくいった」「本当のこと」などという人がいるらしい。また、派遣村がサヨクによって設営されたといって、バカのひとつ覚えのように(いまだに)サヨクに文句をいっている人がいるらしい。

そんなことをいう人たちは、どれだけ恵まれた環境のなかで働いているのでしょうか。どれだけ危機感を持たずに、日々の暮らしを送っているのでしょうか。自分が派遣村にいるかもしれないという状況を、考えたりしないのでしょうか。それとも、アホな政治家の発言に乗っかって、自分が厳しい状況を我慢していることに対する不満を、派遣村に集まった人に対してぶつけているのでしょうか。

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2009年1月 5日 (月)

昨日の時点で、テレビや新聞では、イスラエル軍による「空爆」でパレスチナ自治区ガザの人々が「500人以上」死亡したと報じています。一方、ハマス軍のロケット弾によるイスラエル側の死者は、「兵士1人を含む4人」と報じています。

国際情勢にうとい人であっても、戦闘の内容と死者数を見れば、どう考えてもイスラエルがおかしなことをやっていると思わざるをえないでしょう。にもかかわらず、「客観報道」だか何だか知りませんが、日本のテレビや新聞はただただ現地で起きていることを垂れ流すだけ。それも外電に頼りっぱなし。

死者が「500人対4人」であるという数字を見れば、どちらが圧倒的強者かは誰の眼にもあきらかです。そうなると、とりあえず弱者の側に立った報道をするのが、それこそバランスのとれた報道だと思うのですが。なぜかそういう報道をしません。

陰謀論を振りかざしたくありませんが、これでは日本の大マスコミがイスラエル寄りであり、イスラエルを批判すると利害があると思われても仕方がないような気がします。このへんの事情にくわしい方がいたら、ぜひご教示いただきたいところです。

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2009年1月 2日 (金)

小泉構造改革のツケが、これでもかというばかりにまわってきた昨年。
政権樹立の当時に、喜々として改革を受け入れた人たちは、いまいったい何をいうのでしょうか。

社会がガタガタと軋むなかで、派遣切りをされた人たちが注目されました。そして、この年末年始には、仕事が見つからない人に宿や食事を提供する活動が目立ちました。

そういった支援は、臨時の対処として効果的であると思います。しかし、それと平行して、「どうしてこのような事態になったのか」を考え、政策や制度のレベルでの対処を考えなければ、根本的な問題は解決しないようにも思えます。

つまり、現状への対処と政策・制度の整備を両輪として、労働の問題を考えていく必要があると思うのです。そんな問題意識をもちながら、本の企画を考えていけたらいいなぁ、と思っています。

今年の一発目は、2月下旬に刊行予定の坂東眞砂子著『「子猫殺し」を語る』です。お正月がすぎたら、この企画に関するエントリーを増やしていこうと思っています。

あと、懸案だった宮台真司・藤井誠二著『どんかんなサヨク』も、そのあとで出せればと考えています。宮台さん、藤井さん、なにとぞよしなに。

そして、読者のみなさん。昨年もみなさんに本を買っていただき、読んでいただき、こうやって生き延びることができました。感謝しております。本年も、なにとぞよろしくお願いいたします!

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