双風亭日乗

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2009年1月 6日 (火)

派遣村と暴言

派遣村について、坂本哲志総務政務官が昨日、「本当にまじめに働こうとしている人たちが日比谷公園に集まってきているのかという疑問がした」とか「(集まった人が)講堂を開けろ、もっといろんな人が出てこいと(言っていたのは)、40年前の学生紛争の時の戦術、戦略が垣間見えるような気がした」と述べました。

この発言について、「よくいった」「本当のこと」などという人がいるらしい。また、派遣村がサヨクによって設営されたといって、バカのひとつ覚えのように(いまだに)サヨクに文句をいっている人がいるらしい。

そんなことをいう人たちは、どれだけ恵まれた環境のなかで働いているのでしょうか。どれだけ危機感を持たずに、日々の暮らしを送っているのでしょうか。自分が派遣村にいるかもしれないという状況を、考えたりしないのでしょうか。それとも、アホな政治家の発言に乗っかって、自分が厳しい状況を我慢していることに対する不満を、派遣村に集まった人に対してぶつけているのでしょうか。

たしかに派遣村の関係者には、組合やらサヨクやらの人もいたことでしょう。でも、そういう人たちがあの活動を主導しているわけではないでしょう。村長は、湯浅誠さんですよ。彼がサヨクですか?

現在、進んでいる雇用不安は、党派性とかにこだわっている場合でないくらい、緊急に対処しなければならない問題でしょう。人の生死がかかっている。アホな政治家の発言に便乗して、恵まれている自分や我慢している自分が溜飲を下げているような場合ではないでしょう。

こういう現象を見ていると、あることを思い出します。それは、小泉純一郎元首相による改革が熱狂的に支持された時期のことです。「わかりやすい言葉」と「閉塞感を打破」するようなスローガンが並べられ、国民の大多数が損をするような政策を、多くの人が安直に支持したのは、いつのことでしょう。

いま、とりわけ雇用不安というかたちでそのツケがまわってきていることなんて、年始の「朝まで生テレビ」を見なくたってわかると思うのですが。小泉政権を支持したことについては、思慮が足りなかった。そういう前例に学ばず、アホな政治家に「よくいった」など言葉をかけてしまう神経がよくわかりません。

小林よしのりさんの影響で、「サヨ」やら「プロ市民」といっていれば、それを書いてる自分がカッコよく思えるのかもしれません。しかし、小林さんの言説は、とりあげる事柄ごとに吟味してから支持すべきだと思うし、もうそろそろ小林さんの時代も終焉しつつあるわけです。

年頭にも書きましたが、労働政策が失敗したことの尻ぬぐいを、湯浅さんらが末端で細かくすることも重要です。とはいえ、それと平行して、現在の雇用不安は政策の問題として、超党派で早急に解決すべきことだと思います。現場の活動と制度の改革を両輪として進めなければ、そのうち現場の活動のほうは破綻してしまうかもしれません。

いずれにしても、坂本総務政務官の発言は、暴言だと私は思います。

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