2009年3月31日 (火)
きっこさんから返品?
『「子猫殺し」を語る』の配本と同時に、ヤマトのメール便できっこさんに同書を献本しました。本人の住所は不明なので、『きっこの日記』の版元である白夜書房気付けで。2月26日のことです。
同便は、通常だと翌々日、遅くても出荷から4日後に配達されます。つまり、速ければ2月27日、遅くても3月2日には、白夜書房に届いているはずです。しかし、白夜書房気付けできっこさんに送った同書は、なぜか昨日、返品されてきました。
返品理由は「該当者無しとの事」、返品の日付は3月27日。未開封です。では、遅くても3月2日に届いていたはずの同書が、約1カ月後に返品されたことの意味を考えてみましょう。
第一に、白夜書房に届いた同書は、1カ月ほど寝かされたのち、きっこさんに連絡もしくは転送されることなく、同社の判断で返品された。第二に、1カ月のあいだに同社はきっこさんに連絡もしくは転送したが、きっこさんから受けとり拒否の意思表示があり、同社が弊社に返品した。
第一のケースであれば、白夜書房の対応はマズいような気がします。出版社気付けで著者宛に来た郵便物を著者に転送するのは、出版社の役目のひとつだと思うからです。すくなくとも、弊社に来た著者宛の郵便物は、著者に転送しています。
第二のケースであれば、きっこさんの対応には疑問を抱かざるをえません。もちろん、送られた本を受けとるかどうかは、基本的に受取人の自由でしょう。とはいえ、きっこさんは坂東さんに対し、さんざんひどい言葉を投げかけ、それをいまでもネット上に放置しているわけです。
「おい! この猟奇殺戮変質女! お前こそが今すぐ崖から飛び降りて死ね!」
「現実を何も知らないバカ女」
「『誰か坂東眞砂子を妊娠させて、赤ちゃんが生まれたら、崖から投げ捨ててやれ!』」
「『このキチガイ女を今すぐ射殺しろ!』って思った人は、クリックお願いしま~す!」
「きっこのブログ」のこのページには、以上のような坂東さんに対する最高レベルの誹謗中傷が記されています。何度も書いていますが、坂東さんと同書の対談者である東さん、小林さん、佐藤さん、そして同書の発行人である私の認識で共通しているのは、「子猫殺し」エッセイの内容は坂東さんが誹謗中傷されるような筋合いのものではない、というものです。
「子猫殺し」(=間引き)が悪で、「避妊・去勢」が善だなんてことは誰にもいえることではないでしょう。猫の子どもを増やさないための選択肢として、いずれの道をとるかは趣味または差異の問題です。その手前の問題として、そもそも人が動物を飼っているという時点で、動物に対する人のエゴがはじまっている。
動物に対する人のエゴについて考える契機として、「子猫殺し」エッセイは書かれました。にもかかわらず、子猫に感情移入した多くの人から、坂東さんはバッシングを受けたのです。考えてみてください。人は動物の気持ちになんてなれないし、人には動物の気持ちなんてわからないんですよ。
この話を極端に解釈してみると、動物が「飼われたい」と思っているかどうかわからないのに、人が勝手に「この動物は飼われたいのだろう」とか「飼われたほうが幸せ」なんて思いこんで飼っていたら、動物にとってはいい迷惑なのかもしれないわけです。
こういった議論を踏まえたうえで、もう一度「子猫殺し」について考えていただきたいと思い、きっこさんに本を送りました。しかし、どのような理由であれ、届かなかったのは残念で仕方ありません。
同書をじっくり読んでいただき、反論があれば反論をしていただく。そして、人としての最低限の礼儀として、上記のような誹謗中傷については、何らかの対応をしていただきたかったところです。
何かが不快で、感情的になって誹謗中傷を書いて、終了。それじゃあ、掛川西高校が気に入らなかったからといって、携帯サイト上のブログに同校メンバーの悪口を書き連ねた利府高校の野球部員とおんなじですよ。
きっこさんのブログには、おもしろい記事がたくさんあります。参考になる視点が、多く提示されています。ですから、「子猫殺し」の一件があったから読まないなどと、野暮なことは言いません。でも、坂東さんへの誹謗中傷については、しっかりと落とし前をつけてもらいたい。ただ、それだけなんです。
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