双風亭日乗

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2009年4月30日 (木)

20seiki
浦沢直樹さんの『20世紀少年』(小学館)に、「ともだち」なる人物がつくる「友民党」という政党がでてきます。物語のなかでは、最終的に「ともだち」は世界のカリスマとなり、世界大統領になってしまいます。

これと比較して語るのもなんだと思うし、陰謀論くさい話になってしまうので、以下、適当に読み流してください。

千葉県知事選挙で森田健作さんが当選しました。私には、彼に投票した方の気持ちがよくわからないのですが、まあそれは選挙権を持つおとなの振る舞いですから、ここではとやかく言いません。

当選してから、火山が噴火するように、森田さんにまつわるいろんな事がバレてきました。自民党支部の問題や企業献金の違法性などなど。そして、「週刊現代」2009年5月9日号は、森田さんと宗教法人「幸福の科学」が密接に関わっていることを報じました。

森田さんは「幸福の科学」の信者であり、森田さんの選挙運動を「幸福の科学」が全面的にバックアップしたとか。

「幸福の科学」がどうこうという話は、ここではしません。ポイントは、特定の宗教法人が知事選にコミットし、おそらく多くの県民はそのことをよく知らぬまま投票してしまった可能性がある、という点です。

最近、千葉在住の知人から、千葉の主要各所に「幸福の科学」が立派な建物を建てていると聞きました。そのことと、「幸福の科学」が県知事選でみずからが支持する候補者を当選「させた」ことを合わせて考えたとき、私には真っ先に『20世紀少年』の「友民党」が頭に浮かびました。配役は、「ともだち」が大川隆法さん、「万丈目胤舟」が森田健作さんですかね(笑)

森田さんは選挙のために「幸福の科学」と近づき、「幸福の科学」は千葉での基盤を固めるために森田さんを支持した。つまり、お互いの利害が一致して、一時的に今回のような連携をとることになったのかもしれません。

とはいえ、森田さんが「ミイラ取りがミイラになる」状況になると、その先には「民友党」みたいな「幸福の科学」の政治組織が出現することも、ありえる話だなあ、なんて思いました。まあ、そうなったらネタとしてはおもしろいのですが、一方で不気味な感じもします。

いずれにせよ、千葉県の方々が森田さんを選んだのですから、東京都民の私がとやかくいう話ではないのかもしれませんが。

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2009年4月28日 (火)

昨日、『「子猫殺し」を語る』でご協力いただいた東琢磨さんと会いました。「気は優しくて力持ち」という、まるでドカベンの山田太郎を彷彿させるようなあったかいキャラである東さんに、広島で暮らし、ヒロシマと対峙する日々について、新大久保の韓国料理屋でお話を聞きました。

その後、なぜか『なぜ広島の空をピカッとさせてはいけないのか』(河出書房新社)の編者であるChim↑Pom(チン↑ポム)のみなさんと阿部謙一さんの酒席に、東さんと私が合流。東さんが「ピカッという出来事」という文章を同書に寄稿しているご縁だとか。

その酒席で、Chim↑Pomのメンバーである水野さんの背中にあるタトゥーを見てびっくり。「こっくりさんタトゥー」という作品の一環として、メンバーが水野さんの背中に、こっくりさんでタトゥーを入れたんだそうです。

そのタトゥー自体は、あっちこっちに線が入り、たしかに「こっくりさんで入れたんだなあ」という感じがしました。その直後、私は「こっくりさんタトゥー」の近くに彫られていたふたつの文字列を見つけてしまったのです。

「うんこ」
「三浦和義」

いやいや、今年一番の大笑いをしてしまいました。タトゥーで「うんこ」と「三浦和義」ですからね。たいしたものです。彼らの話によると、亡くなった二日後に、こっくりさんを通して降臨した三浦さんが池田さんの背中にみずからの名前を刻んだ、とのこと。

次に何が出てくるのかわからない、びっくり箱のようなアート集団Chim↑Pom。今後のさらなる活躍を期待しております。

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2009年4月27日 (月)

昨日、JUST(日本トラウマ・サバイバーズ・ユニオン)主催の「多様化する母たち」というフォーラムが、永田町の星陵会館で開催されました。私は、依存症関連の情報をあまりフォローしていませんでしたが、今回は内田春菊さんが誘ってくれたので、いってみることにしました。

司会は斎藤学さん(家族機能研究所代表・精神科医)で、パネリストは「5時に夢中!」(東京MXテレビ)の水曜レギュラーである倉田真由美さん(漫画家)と中村うさぎさん(エッセイスト)、そして内田春菊さんの三人のお姉さまでした。

あっ、倉田さんは1971年生まれだから、正確には64年生まれである私のお姉さまではありませんね(笑)
まいっか。

午前と午後の二部制で、午前は上記四人のトークセッション、午後は四人と参加者とのディスカッションという構成です。長丁場でしたね。

全般にわたって、斎藤さんの話が長かったため、三人のお姉さまのお話を十分に聴くことはできませんでした。午前中のトークセッションでは、おもに「母親とは何か、家族とは何か」について話し合ったのですが、三人のお姉さまのヘビーな読者である私には、とくに目新しい情報はありませんでした。

唯一、倉田さんが「年内にバツ3の男性と再婚する予定」とうれしそうに報告していたのが印象に残っています。

400人くらい入る会場は、ほぼ満席。あとから聞いたところによると、その多くがいま依存症である方か過去に依存症であった方とのこと。ですから、午後のディスカッションでは、依存症の当事者がみずからの症例や家族関係などを赤裸々に発表したうえで、パネリストと対話をしていました。

拒食や自傷、虐待、買い物など、さまざまな依存症について当事者が語り、それについて三人のお姉さまが感想をのべるという構図は、なかなか興味深いものがありました。

トラウマで悩む方や女性の性に関する悩みを持つ方のために、JUSTはホットラインを開設しているようです。お悩みの方は、相談してみたらいかがでしょうか。

くわしくは、こちらをクリックしてみてください。

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2009年4月24日 (金)

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散歩で根津へ。
東京都文京区の根津神社はつつじの名所。いまが見ごろです。
文京つつじまつりは、5月6日まで。
つつじ苑の開苑時間は午前9時~午後5時30分。

SMAPのクサナギさん、公然わいせつ罪で逮捕。
まず、驚く。つづいて、どう報道されるのか注目。
そして、出演中の番組やCMがどう対処するのか注目。
さらに、ジャニーズ事務所の対応に注目。

昨日の「5時に夢中!」(東京MXテレビ)で、この事件について岩井志麻子さんは「『地デジ』を『チン出し』に変えれば」とコメントし、中瀬ゆかりさんは「『スマップ』を『スマッパ』に変えれば」とコメントしたのに爆笑。いうまでもなく、「マッパ」は「真っ裸」の意味。

こういうときの2ちゃんはおもしろく、クサナギさんに同情する書き込み多数。この件をネタにしちゃえばいいという意見に賛成。ただし、クサナギさんと韓国とからめて罵るコメントは、あまりにもくだらなくて辟易しました。

マスコミの対応は、あきらかに過剰反応。だって、酒飲んで、真夜中の公園で裸になり、でかい声をだしていた「だけ」の話でしょ。

興味深いのは、クサナギさんのファンの反応です。この件があったから、あっさりとファンをやめてしまうのでしょうか。それとも、この程度のことではファンをやめないのでしょうか。

ちなみに、元はっぴいえんどの鈴木茂が逮捕されても、私は鈴木茂が好きですし、今後も彼の音楽を聞き続けるでしょう。逮捕された「から」、CDの発売を中止するなんて、バッカみたいな話です。まあ、犯罪の質とかにもよるのかもしれませんが。

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2009年4月23日 (木)

赤木智弘さんがライブドアで連載している「眼光紙背」が話題になっていますね。タイトルは、「タバコが迷惑なら、子育てだって迷惑だ!」

この論考の論点は、「人は誰しも、他人に何らかの迷惑をかけながら生きている。人権を主張することも大切だけれども、だからこそまずは他人の権利を認めることから始めてみてはどうだろうか?」という、いたってわかりやすいものです。

タバコと子育ての話を引き合いに出しているものの、ようするに「タバコ」も「子育て」も入れ換え可能なものの例えでしょう。何に入れ替えが可能なのかというと、何かを好む人がいて、その何かを嫌う人がいるような、ありとあらゆる行為や振る舞い、物品などがあげられると思います。

私が読むかぎりでは、ごく普通の時評です。にもかかわらず、「タバコ」と「子育て」という単語につられて、怒りを炸裂させている多くの人が、同記事のコメント欄に書き込んでいます。

赤木さんの文章は、べつに論理の破綻など見られないのに、「論理が破綻している」などと騒ぐ人たち。坂東さんを中傷する際にも、軽々と「論理が破綻」などと書いている輩がたくさんいたのを思い出します。読解力のなさを露呈しているという意味で、こういう人たちの書くものは自家撞着のよい例だといえましょう。

読んだ文章が「不快」だったり気に入らなかったりした場合、「論理が破綻」と書いておけば相手にダメージを与えられると勘違いしている人がたくさんいます。論理が破綻していない文章に対してそんなことを書けば、自分の論理が破綻してしまうことに、どうして気づかないのでしょうか。

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2009年4月22日 (水)

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昨日のエントリーで中吊り広告を紹介しましたが、「週刊文春」2009年4月30日号に「茂木さんの『頭の中』が心配です」という斎藤環さんによる論考が掲載されました。くわしくは同誌をお読みいただければと思いますが、ここで論考の概要を紹介しておきます。

まず、弊社企画で茂木さんとの「往復書簡」をはじめたが、茂木さんからの返事が「ナシのつぶて」であることを斎藤さんは述べます。つづいて、「脳の機能によって人間の社会的行動を説明できるというのは、現時点では『トンデモ脳科学』だ」という斎藤さんの持論を紹介。そして最後に、「『クオリア』を過度に賛美すると、神秘体験を重んじるカルト宗教につながりなねない」ことが指摘されます。

文末では、「企画のほうはもう集結してしまったけれど、いつまでも、手紙の返事をお待ちしています。涙目で」と皮肉なラブコールを送る斎藤さん。私の問題意識も、斎藤さんとまったく同じでした。往復書簡をとおして、茂木さんには、斎藤さんの問いに対する説得力のある回答をいただきたかったんですよね。ただそれだけです。

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2009年4月21日 (火)

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明日(22日)発売の「週刊文春」中吊り広告です。
この画像のオリジナルは、こちらからどうぞ。

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2009年4月21日 (火)

Buta
今回は、「子猫」の話じゃなくて、「子豚」の話ですよ(笑)。一昨日、前田哲監督「ブタがいた教室」(2008年)をDVDで観ました。以下、感想です。

第一に、一般向けの映画として公開するのは、これが限度なのかもしれないなあ、と思いました。第二に、子どもたちが「育てた豚の世話を下級生に任せる」か「食肉センターに引き取ってもらうか」という二択について議論します。この問題は、たとえおとなが一緒に議論したとしても収拾がつきにくいものであり、この映画でもっとも注目すべきシーンだと思いました。

第三に、教師は「育て、殺し、食べる」という前提で子豚を教室に持ってきたのに、その生死に関する判断を生徒に丸投げしてしまうのはどうか、と思いました。元ネタは実話なので、実際に教師がそういう振る舞い方をしたのかもしれませんが。

教師が教室に持ってきた時点で、子豚には殺されて食べられるということが決まっている、ということがもっとも重要な点でしょう。そうなると、なぜうちの子猫は殺され食べられないのに、子豚は殺され食べられるのか、すなわち殺される動物と殺されない動物がいるのか、ということを生徒が議論するのならわかるんですよ。

ところが、映画ではそういう話になっていません。食肉センターに引き取ってもらう生徒の声は、一生懸命、育てた豚が殺されるのはかわいそうだから、食肉センターに引き取ってもらうのは反対とか、普通の豚は殺され食べられるけど、私たちの豚はその豚とは違うから殺せない、とか……。

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「子猫殺し」再考 | | コメント (4) | トラックバック (0)

2009年4月21日 (火)

本日より、拙ブログのコメントは承認制にいたします。
コメント欄は原則オープンですが、以下のようなコメントは載せないこともあります。

1.無礼なコメント
2.事実誤認
3.ナンセンスな思い込み
4.異常な長文


載せないコメントの選定方法については、池田信夫さんのブログを参考にさせていただきました。
みなさま、今後ともよろしくお願いいたします。


追記…承認制にする理由は、ココログの設定をいじっているときに「おぉ、こういう機能があったのか!」と気付き、たまたま試してみたくなっただけです。誰がどうこうという話ではありませんので、あしからず。

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2009年4月20日 (月)

タレントの北野誠さんが芸能界から干されたという事実については、芸能プロダクションとあまり利害関係のない「週刊誌」という媒体で報道されています。その理由についても、おなじく「週刊誌」で報じられています。

「週刊文春」は「サザンの版権」説。「週刊新潮」は「バーニングの社長が怒った」説。実際には、北野さんは複合的な理由で干されたのかもしれません。私の個人的な見立ては、以下の村西とおるさんの見解にもっとも近いところにあります。

http://muranishi-ch.com/new/news/blog.cgi?mode=main&no=62

正直、バーニング・プロダクションに手を出したら火傷をする(バーニングを批判したら干される)、というのがマスコミで働く誰もが思っていることなのではありませんか。以前、北村肇さん(現在は「週刊金曜日」編集長)が編集長だった「サンデー毎日」が、火傷を覚悟で「バーニング帝国の素顔」という連載を実現しました。

ほんとに火傷をしたのかどうか、くわしいことは聞いておりません。私は同連載を読んだ直後に、北村さんに「あの連載を元に、バーニング批判の本を出してはどうか」と話を持ちかけ、できるところまでやってみようという話に、一度はなりました。

その後、私が知る芸能プロやテレビ、新聞、雑誌に勤める方々から、「妻子がいるのなら、やめておいたほうがいい」とか「殺されるかもしれんよ」とさんざん忠告されました。結果として、それらの声にびびった私が、「この企画、時期を見計らったほうがいいかもしれない」と思いなおしたことで、企画は空中分解してしまったのです。

北野さんの件であらためてバーニングがクローズアップされたわけですが、この件について「バーニングに楯突いたのだから……」とか「暴露話をネタにしていたのだから……」という理由で、「干されて当然」などと訳知り顔でいっている人がいます。そういう意見には、違和感を持たざるをえません。

北野さんの件でまっさきに批判されるべきなのは、ジャニーズにしろバーニングにしろ、儲けるために有力芸能プロダクションに尻尾を振っているマスコミ業界と、マスコミ業界をなかば私物化している一部の有力芸能プロダクションなのではありませんか。

昨日に放送された「噂の東京マガジン」で、以前はレポーターをやっていた北野さんがいきなりいなくなり、レポーターの座席の間隔を広くして、あたかも北野さんがはじめっからいなかったかのようによそおい、北野さんがいなくなった理由のひとつも述べない放送局の姿勢は、あまりにも薄らさむいものではありませんか。

なぜ北野さんが芸能界から干されたのか。この件でまっさきに批判されるべきものは、けっして北野さんではありません。「どうせそんなこと、視聴者や読者はどうでもいいと思っているから」と視聴者や読者をなめきっている有力芸能プロダクションと、その有力芸能プロダクションに茶坊主のごとく寄りそうマスコミ業界が批判されるべきだと思います。

バーニングの力に一度はびびった私ですが、ひとこと言わずにいられません。

あなたは、なめられっぱなしでいいんですか?


追記…ちなみに、この件に関し、まともに言及できると思われる唯一のテレビ番組は、東京MXテレビの「5時に夢中!」だと私は考えています。先週の同番組をウォッチしたところ、月曜コメンテーターのマツコ・デラックスさんは「ノーコメント」で、木曜コメンテーターの中瀬ゆかりさんはバーニングの名前を出さず、「このまま放っておいてはいけない」という主旨のコメントしていました。

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2009年4月18日 (土)

斎藤環さんがご自身のブログで、往復書簡の「返信を待ち続けている間に、2度ほど対談の申し入れがあった」ことを暴露しています。もちろん、茂木さんからの申し入れですね。

ん~、よくわかりません。

往復書簡でやればいいことを、どうしてわざわざ対談でやろうとするのでしょうか。私の知らないところで茂木さんが斎藤さんに対談を申し込むということは、別の出版社が動いていたということになりましょう。

まさに、「鳶に油揚げをさらわれる」という状況になりそうなところを、斎藤さんが対談を断ったので、そうならなかったことが予想されます。斎藤さん、ありがとうございます(と、お礼をいうのも不思議な感じですが)。

ん~、茂木さん&別の出版社さん、なんと姑息な……。

昨今、書店にならぶ本を見ていると、「タイトルに『脳』とつければ売れるかも」みたいな風潮を感じざるをえません。「脳のことって、そんなに簡単に語れるのかよー」と私は思うのですが、そのリーダー的な存在が茂木さんであることも事実です。

だからこそ、ここらで一発、脳と心の関係について真剣に考えるような本を出してはどうか、と考えた末、斎藤さんに茂木さんとの対話の可能性を検討していただき、茂木さんも了承したうえで、往復書簡というかたちで対話を実現できることになったんですけどね。


浅き夢見し 酔ひもせず


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2009年4月18日 (土)

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「朝日ジャーナル」の創刊は1959年で休刊が92年。そのうち、私が一号も欠かさず読むようになったのは、夜間大学に通いだした86年から、カンボジアに旅立つ90年まで。

その時期の編集長は、たしか筑紫哲也さんや伊藤正考さんがやっていて、ちょうど下村満子さんになったころ、日本を離れたような気がします。下村さんになって、「朝日ジャーナルは死んだな」と思いましたね。

同誌を読みはじめたころ、統一教会の霊感商法追求キャンペーンが開始されたり、筑紫さんによる新人類と呼ばれる人たちへのインタビュー「若者たちの神々」が連載されていました。

以上、ノスタルじじいの戯れ言でした。

さて、夢中になって読んだ雑誌のひとつであり、いろんなことを教わった雑誌のひとつでもあった同誌が、先日、いきなり駅の売店に並んでいたんで、驚きました。「えぇ、復刊するのかよ」と思いましたが、手に取ってみると「週刊朝日 緊急増刊」と記されていました。

私が興味を持った記事は、青森と沖縄の高校生2500人へのアンケートを分析した玄田有史さんの「18歳の実像と憧憬」と、本田由紀さんの「見殺しにしつつ自らの首を絞める「正」と「非正」のパラドキシカルな関係」、そして「赤木智弘・思想の源流」という三つでした。

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2009年4月17日 (金)

昨日のエントリーで紹介した『隠蔽捜査』三部作、さきほど読了しました。ほかにも読むべき本があったのですが、すべてすっとばして読んでしまいました。あー、おもしろかった!

さて、最近いろんなところで、いろんな人から、週刊誌は終わりなのではないかという話を聞きます。週刊誌編集者(プロパー)だけでなく、作家やライター、学者など、週刊誌に関わる多くの人が声をそろえて、「そろそろヤバい」とおっしゃっています。

新聞系では、すでに「読売ウィークリー」はなくなりましたし、「週刊朝日」や「サンデー毎日」にしても、元がとれるほど売れているのか疑問です。

出版社系では、大相撲八百長疑惑の報道でつまづいた「週刊現代」は風前の灯だと聞くし、「週刊ポスト」の売れ行きもかんばしくないようです。また、「週刊新潮」も朝日新聞「阪神支局」襲撃事件の誤報で大打撃をうけました。

そうなると、とりあえず生き残りそうなのは、「週刊SPA!」と「週刊文春」くらいでしょうか。あっ、「AERA」というのもありますが、すでに女性向け情報誌みたいになっているので、長続きするとは思えません。

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2009年4月16日 (木)

Impei
欠かさず読んでるブログのひとつが、ライター・編集者の南陀楼綾繁さんによる「ナンダロウアヤシゲな日々」。同ブログでは、しばしば本が紹介されます。短い文章なのですが、「おっ、読んでみようかな」と思わせるような本の紹介の仕方が絶妙です。

たとえば、以下の文章を読んだ私は、「これは読まねばならぬ!」と思い、今野敏さんの『隠蔽捜査』シリーズを3冊、買っちゃいましたから(笑)。

今野敏『疑心 隠蔽捜査3』(新潮社)を、ゲラゲラ笑いながら読む。前作『果断』で、息子からアニメの素晴らしさを説かれて、『風の谷のナウシカ』に感動する竜崎に大笑いしたのだが、今回はもっとスゴい。米大統領の訪日の警備の責任者に任命された警察署長の竜崎は、秘書として配備された女性キャリアに恋焦がれてしまい、まともに仕事ができなくなるのだ! 彼女と話す部下に嫉妬する警察署長。恋の悩みを解決するために、禅の公案を読む警察署長。テロ計画を防ぐ竜崎たちの活躍を描くのが本筋のハズなのに、いつの間にか恋愛問題の方が前面に出ている。今野敏は意図的にコレをやっているのか、無意識だとすれば天才的だ(担当編集者は絶対この面白さに気づいてるはずだが)。しばらく、このヒトから眼が離せない。

(「ナンダロウアヤシゲな日々」、2009年3月25日)

で、とりあえず同シリーズ第一作の『隠蔽捜査』(新潮文庫)を読んでみて、驚きました。その直前に、昨日紹介した寺澤有著『報道されない警察とマスコミの腐敗』(インシデンツ)を読了していたのですが、『隠蔽捜査』であつかわれるテーマも、警察の腐敗やマスコミとの癒着だったからです。

警官による殺人事件をもみ消そうとする警察官僚。隠蔽に疲れ果てて自殺しようとする警視庁の刑事部長。警察官僚を接待で手なずけようとするマスコミ。さらに、少年法の賛否などについても物語のなかで取り上げられており、作品世界にグイグイと引き込まれていきました。

今野敏さんの本は、はじめて読みましたが、『果断――隠蔽捜査2』も『疑心――隠蔽捜査3』(いずれも新潮社)も、内容に期待が持てそうです。これから、主人公の警察署長がアニメに刺激をうけ、恋愛に目覚めるんですから、今日明日は眠れそうにありません!

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2009年4月15日 (水)

Pochi
先日、ジャーナリストの寺澤有さんと食事をしました。寺澤さんが出した『報道されない警察とマスコミの腐敗』(インシデンツ)と弊社刊『「子猫殺し」を語る』がほぼ同時期に発売されたので、飯でも食いながらお互いの新刊を交換しよう、という話になったのです。

『報道されない警察とマスコミの腐敗』は、いただいてた夜に、一気に読んでしまいました。映画『ポチの告白』に関係する人々へのインタビュー集なのですが、かなりおもしろい。映画を観たときには、どのシーンがどの事実にもとづいているのか、よくわかりませんでした。

しかし、同書を読むと、「個々の警察による不祥事」と「記者クラブ制度のなかで疲弊しきったマスコミの実態」という事実で、映画全体が構成されていることに気づきます。

警察で、警官が偽造領収書を書くのも、裏ガネをつくられているのも、拳銃のやらせ押収がおこなわれているのも、すべてホントのこと。記者クラブ制度のもと、記者と警察が癒着しているのも、各社が他社よりすこしでも警察に気に入られようとしていることも、フリージャーナリストを警察情報から排除していることも、すべてホントのこと。

現職の警官でありながら愛媛県警の裏ガネづくりを内部告発した仙波敏郎さんや、退職してから裏ガネづくりを告発した元釧路方面本部長の原田宏二さん、長年にわたって警視庁で裏ガネづくりを担当した大内顕さんの告発など、警察関係者の証言からはあきれた警察の実態が浮き彫りになります。

とりわけ、元警視庁巡査部長の黒木昭雄さんが発したこの言葉が、印象に残っています。

「警察では、途中で退職した奴は食っていけないという教育をするんです」(『報道されない警察とマスコミの腐敗』、185ページ)

警察は、どこぞの新宗教と同じではありませんか(笑)。

その他、『ポチの告白』の監督や元朝日新聞記者、裁判官、弁護士、警察と関わるジャーナリストの発言が掲載されていますが、どれも興味深いものばかり。拙ブログの読者の方々にも、ぜひご一読いただければと思っています。

それにしても寺澤さん。ひとり出版社を立ちあげ、企画から流通までひとりでこなし、一冊の本をつくりあげたことに敬意を表します。そして、次回作も期待しております!

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2009年4月14日 (火)

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エッセイストの酒井順子さんが、「週刊文春」2009年04月9日号の「私の読書日記」で、弊社刊『「子猫殺し」を語る』について言及していることを知りました。拙ブログにコメントしていただいた方、そして2ちゃんねるのみなさん、ご教示いただきありがとうございました!

坂東さんの本を出したのは、まさに酒井さんが書かれていますが、「自然の中で、人間がいかに不自然かつ傲慢な存在であるか、考えるきっかけに」なればと思ってのこと。「子猫殺し」と「避妊・去勢」のどっちがいいかという議論に固執したり、坂東さんが不快だから叩くような振る舞いは、まったく的はずれなわけです。何度もいっているとおり。

というわけで、酒井さんが「私の読書日記」で『「子猫殺し」を語る』について言及した部分を、同誌同号より引用します。

×月×日

 身体の所有と、生命の所有。『「子猫殺し」を語る』(坂東眞砂子 双風舎 1700円+税)を読みながら、再びそれらの感覚が揺らぐような気持ちになってくる。
 二〇〇六年、日経新聞に「子猫殺し」と題された坂東さんのエッセイが載った時、坂東さんは特にネット上において、ずいぶん叩かれた。生まれたばかりの子猫を殺した(実際には「捨てた」のだが)と告白する坂東さんは、どれほどバッシングしても構わない相手として、世間から認識されたのである。
 「子猫殺し」は、日経新聞夕刊に坂東さんが二十四回書かれたエッセイのうちの、一本である。本書には生をテーマとして書かれたその二十四回分が全て掲載されており、まずはその全てを読むことによって、坂東さんがいかに生および死を真摯に考えているかが、理解できる。それは、タヒチという地に移り住み、人間が生きていくことの根源を見つめなおしたからこそ生まれた、価値観であろう。
 ここで坂東さんは、人間にとっての生と幸福ばかりでなく、獣にとっての生と幸福を考える。「獣の雌にとっての『生』とは、盛りのついた時にセックスして、子供を産むことではないか」と。そして坂東さんは、飼い猫に避妊手術をしないという選択をするのである。
 子種を殺すか、住まれてすぐの子猫を殺すか、そのどちらが正しいのか、正直に言って私にはわからない。が、私はそれまで、猫にとっての「生」とは何かという問題を、真剣に考えたことはなかった。猫は人間に所有されていて、だからこそ人間が猫に避妊手術をするのは当然のことだ、と思っていたのである。
 いかなる生物も、他の生物に所有などされたくはなかろう。猫は、毛がはえていて愛らしいが故に人間に所有され、避妊手術をされる。対して、ゴキブリやゲジゲジのように可愛くない生物や、蚊や蝿のように小さな生物は、誰がどう殺しても問題にはならないのである。
 害獣、益獣、ペットなどという分類は、人間の都合から来るものである。自然の中で、人間がいかに不自然かつ傲慢な存在であるか、考えるきっかけになるこの本。その不自然さと傲慢さを自覚するだけの謙虚さは、持っているべきだろう。
 そして人間の死に関しても、「おくりびと」に任せてしまえば安心、というこの世。生きることと死ぬことから、いかに私達が目を逸らせようとしているかも、思い知らされる。

(「週刊文春」2009年4月9日号、126-127ページ)

「子猫殺し」再考 | | コメント (2) | トラックバック (0)

2009年4月13日 (月)

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雷門から北上し、浅草寺を抜け、しばらく歩くと言問通り(ことといどおり)にぶつかります。浅草では、言問通りの北側一帯を「観音裏」と呼ぶんです。浅草寺の通称は「観音さま」で、その観音の裏側(北側)の地域にあたるので、観音裏というわけです。

4月11日は、観音裏で一葉まつり。このまつりの見ものは、江戸吉原おいらん道中です。映画『さくらん』で見たおいらん道中を思い出しました。

隅田公園の桜は、すっかり散ってしまいました。桜が散ると、「花びらが散ったあとの 桜がとても冷たくされるように……」という歌い出しの、「ささやかなこの人生」という風(伊勢正三らが「かぐや姫」のあとで結成したフォークデュオ)の歌をいつも思い出します。古いなあ~(笑)

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2009年4月 9日 (木)

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最近の「週刊現代」は、見出しで飛ばして中身が薄い、と感じています。ですから、買うことはほとんどありません。でも、飛ばした見出しにつられて、読みたくなる。そこで、浅草のローヤル珈琲店で毎週、ウマいコーヒーを飲みながら読んでいるんですよ。

同誌に連載中の「人生を変えたあのとき 借りたカネ、貸したカネ」は、いつも楽しくよんでいるのですが、今回はアダルトビデオの帝王・村西とおるさんが登場していました。1980年代半ばから90年代前半まで、村西さんの作品に世話になった男性はたくさんいるのではありませんか。

記事のなかで紹介されているのは、村西さんの経歴とカネにまつわるエピソードです。とくにおもしろかったのが、80年から無修正の裏本を売りまくった末、84年には警察に逮捕されたときの話。

刑事さんが「この写真の男優は、お前だろう」と。「とんでもございません」ってトボけたら、「この金玉のホクロが証拠だ。科捜研と勝負するか?」って。「私でございます」と認めるほかないでしょう。店は解体、無一文になりました。
(「週刊現代」2009年4月18日号、147ページ)

村西さんは男優もやっていたから、裏本の画像に写り込んでいるんですね。そして、身体に刻まれた決定的な証拠までも写り込んでいたから、モデルが別人だとは言い逃れができない。こういうやりとりって、想像ではなかなか思いつかないだけに、おもしろく読めるんでしょう。

思わず私は、記事を読みながら喫茶店でケラケラと笑ってしまいました。「科捜研と勝負するか?」ですよ。馴染み店員さんから、「おもしろそうですね!」なんていわれましたが、何がおもしろいのか説明しずらかったです(笑)。

今回は記事を引用させてもらうので、コンビニで同誌を買いました。書評コーナーで紹介されていた石井光太著『絶対貧困』(光文社)がおもしろそうなので、さっそくアマゾンで注文。石井さんって、『物乞う仏陀』(文春文庫)を書いた方ですよね。たしか「週刊金曜日」で同書の書評を書いたことがあります。

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2009年4月 8日 (水)

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「週刊SPA!」2009年4月14日号で『「子猫殺し」を語る』が紹介されました(同誌、106ページ)。そして、そのとなりには赤木智弘さんの新著『「当たり前」をひっぱたく」(河出書房新社)の書評が!

さらに、今週から赤木さんは同誌に、「赤木智弘の無茶を承知で」という連載を開始しました。この連載、なんと『バックラッシュ!』で全面的にお世話になった荻上チキさんとの交互連載になるとのこと。

赤木さん、チキさん、すごいぞ!!!

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2009年4月 7日 (火)

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バーで飲んでいると、興味深いお客さんがたくさんいます。

一番多いのは、男女で来て、男が酒のうんちくを語るパターン。うんちくが正しい場合もあれば、正しくないこともたびたび。話が耳に入ってくると、「どうして、あんなに語りたがるのだろう……」と私は思ってしまいます。

あと、店でかけてるBGMについて、「この曲、トッド・ラングレンのキャン・ウィー・スティル・ビー・フレンドっていうんだよね」てな感じで、熱く語る人。酔っぱらっていると、曲とアーティストが一致しないこともしばしば。

さらに、「オレ、長渕剛と飲んだことあるんだ」などと、自分と有名人の関係を語る人がいます。「オレの友だちが、桑田佳祐を知ってるんだよね」というように、間接的に有名人を知っているという場合も多々ありますね。

私はたいてい、隅っこの席でだまって飲んでいるのですが、ほかのお客さんの話を耳にするたび、「人っていうのは、自分の知っていることを、(自慢げに)他人に伝えたがるものなんだなあ」とつくづく感じます。とくに、バーでは酒のうんちくと音楽、有名人の知り合いネタが、ほんとに多い。それも自慢げに(笑)

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2009年4月 6日 (月)

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昨日は、夕方からZepp TokyoでThe Birthdayのライブでした。

The Birthdayは、元thee michelle gun elephantのチバユウスケとクハラカズユキ、元フリクションのイマイアキノブらがやってる、すごいロックンロールバンドです。非の打ち所がない演奏と歌で、あっという間の2時間でした。

ライブの前に、お台場海浜公園を散歩しました。桜は満開。気温は温暖。久々に海を見て、なんとなくいい気分。
タバコを吹かしていたら、飛行機が空になが~い線を引きました。

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2009年4月 4日 (土)

音楽は大好きですが、オーディオとかにはまったく興味がありません。パソコン経由で聴くiTUNEの曲も、カンボジアで8年前にロケスタッフの音声さんにいただいたものを、ずーっと使って聴いていました。

その現物が、コレです(笑)。横幅が20cmくらい。
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ところが、数日前になんかの拍子で「価格.com」のPCスピーカーのページにいったところ、やけに安くて評判のよいスピーカーがあることを知りました。ロジクール社の「LS21 2.1 Stereo Speaker System LS-21」というやつです。

その現物が、コレです。真ん中のサブウーファーの横幅が14cm。
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アマゾンにて、3000円ちょっとで買いました。さっそく設置して、音を聴いてみましたが、すぐに「買ってよかった!」と思いました。スピーカーというのは、上を見たらキリがない商品のひとつだと思いますが、「この値段でこれだけの音が出れば文句なし」と思いました。

そもそも私は、本以外だとあまりモノを買わないので、偉そうにいえる筋合いはないのかもしれませんが、このスピーカーの音を聴いて、技術が進化すると、安価でもそれなりによいものが提供できるものなんだなぁ、とつくづく思いました。

スピーカーの音がちょっとよくなっただけなのですが、前より気分よく仕事ができるようになりました。さあ、今日もソウルミュージックを聴きながら、ある宗教に関する資料(謎)を読みまくるぞー!

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2009年4月 3日 (金)

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「週刊SPA!」2009年4月7日号の「今さらながら裁判員制度に大反対!!」という記事で、漫画家の蛭子能収さんが吠えています。

蛭子さんが裁判員制度に反対するおもな理由は、単に「面倒くさいから」というもの。また、「手紙が届いたら、強制的に行かなきゃいけないなんて、『赤紙』といっしょ」と、辞退できない仕組みを批判します。

もっとも興味深かったのは、蛭子さんが「裁判員になっちゃいけない人」と定義する人のこと。それは、どういう人かというと……。

「芸能人になってからわかったんですが、一般人の怖さってスゴいんですよ。自宅のピンポンとか平気で鳴らすし、窓に石は投げられるし、玄関の前に犬のクソは置かれるし……とにかく、世の中ってろくでもない人がいっぱいいるっていうことですよ。そういう人たちを裁判員にしちゃっていいものなのかな、って思いますよ。万が一オレが被告とかになったら、『コイツは芸能人だしいい気になってそうだし、死刑とか重い刑にしてやれ』とか、そういう考えの人が意外に多いんですよ」
(「週刊SPA!」2009年4月7日号、28-30ページ)

この蛭子さんのコメントを読んで思い出すのが、「子猫殺し」騒動で坂東さんをバッシングした人たちの振る舞いです。今回、写真で引用しましたが、同記事とともに掲載された四コマ漫画を見てください(同誌、29ページより)。

これは、裁判員たちが話し合っている様子を風刺したものです。1コマ目の「計画殺人だからね」という吹き出しを「子猫殺しだからね」に変更し、2コマ目の「でも殺された人もかなり悪かったかも……」を「でも避妊や去勢をしている人も、絶対に正しいとはいえないかも……」に変更してみましょう。

あっという間に、裁判員たちの会話が、「子猫殺し」反対派による坂東バッシングの構図に早変わり。ようするに、坂東さんの「子猫殺し」エッセイが、いとも簡単に過剰なバッシングをうけるような状況で裁判員制度をやっても、ろくなことはないということかもしれません(笑)。

蛭子さんはさらに、裁判官3人と裁判員6人でおこなわれる裁判員裁判について、裁判官主導のものにならざるを得ないと指摘したうえで、こう述べています。
「結局、裁判員なんてバラエティ番組のひな壇芸人みたいなもんですよ。そう考えると、声が大きくて、口がうまくて、バックの事務所が大きい人の意見が強くなる」
(同誌、29ページ)

うまい言い方をしていますね。そのとおりだと思います。そして、上記で蛭子さんが指摘する状況も、「子猫殺し」騒動が盛りあがったときの様子と同じではありませんか。

「バックの事務所が大きい人」がいたかどうかわかりませんが、「声が大きくて、口がうま」い人がネットでの坂東バッシングをリードしいつの間にかその声が「正義」のような雰囲気がかもしだされましたから。

私見では、裁判員制度を実施したほうがいいのかどうか、いまだによくわかりません。とはいえ、蛭子さんの指摘を読んでいるうちに、あまりにも「子猫殺し」騒動であきらかになった問題との類似点が多いので、「制度の実施は、時期尚早なのでは……」と思いつつあります。

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2009年4月 2日 (木)

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論創社という出版社のウェブページで連載されている小田光雄さんの「出版クロニクル」という連載は、出版に関心をもつ多くの人たちにより、ブログなどで参照され、言及されています。

私が思うに、小田さんの連載は、日本の出版業界の動向を俯瞰して見るための、もっともコンパクトにまとめられた情報源であり、また業界批評でもあります。

出版社で働く営業さんや編集さんのみならず、書店、取次、コンビニ、キヨスクなど流通の現場で働く人、そして印刷、製本、デザインなどの業者さん、さらには本を書く著者の方々にも、ちらっとでもかまわないので目を通していただきたい連載です。

今回は、2009年2月26日から3月25日のトピックスをまとめた「出版クロニクル 11」のなかの、「サイゾー 4月号」に掲載された記事についての小田さんのご意見を紹介し、私見を述べようと思います。くだんの記事は、特定の知識人の本ばかりが売れるのはなぜか、というネタです。まず、小田さんは7人の著者名と刊行冊数を示します。

20. 『サイゾー』4月号が「最近人気の“知識人”7人彼らばかりがなぜ売れる?」という特集を組み、その7人の書籍刊行数、08年雑誌登場回数、「この人がわかるキーワード」などを列挙している。7人の名前と刊行冊数を引いておく。

・茂木健一郎 全97冊
・勝間和代 全25冊
・内田樹 全85冊
・佐藤優 全85冊
・森永卓郎 全72冊
・香山リカ 全109冊
・斎藤孝 全293冊

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2009年4月 1日 (水)

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毎年、4月1日になると円谷プロのウェブページが嘘モードに切り替わります。今年は、「帰ってきたカネゴンの78ちゃんねるまとめブログ」。

アクセスが集中しているようで、重くて仕方ありませんが、何度もクリックしていれば読みたい記事は読めます。

おもしろいネタ満載で、別にウルトラマンのファンでなくても楽しめます。たとえば、「またもやウルトラマンだけど何か質問ある?」というエントリーのなかには、スタッフとウルトラマンのこんなやりとりがあったりするんですよ(笑)。

52 名前:スタッフY 2009-03-30 00:13:52
携帯サイトの問い合わせ窓口に
「ウルトラマンにちんちんはありますか?」
という質問がよく送られてくるのですがなんと答えたらよいでしょうか?

55 名前:ウルトラマン 2009-03-30 00:13:55
>>52
子供用サイトの「ケータイウルトラマン○(%)o」から
お友達が送ってくれているのかな?
「今度ウルトラマンとお風呂に入る事があったら見ておきますね」というのはどう?

たった1日だけ公開するため、カネゴンのギャグブログ制作に、何人ものおとながものすごい労力をかけている。いい会社ですねぇ。

1日限定のサイトなので、リンクは貼りません。以下のurlをコピーして、ご覧になってみてください。

http://kanegon2009.m-78.jp/

その他のエイプリールフール・ネタを提供するサイトは以下で。各社、おもろいことをやってます。

http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0904/01/news030.html

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