2010年3月19日 (金)
若い人に起業を勧めるのはOK? それともNG?
「起業のススメは無責任?」という記事をココログニュースで読みました。若い人に起業を勧めるのは無責任かどうか、ということを簡単に分析した記事です(記事は、こちらからどうぞ)。
一応、ひとり出版社を「起業」した私からいわせると、身のほどを知ったうえであれば、やりたい人はどんどんやればいいと思います。そうなると、「身のほど」とは何かが問題になりますね。
あくまでも出版社の話になってしまいますが、第一に、会社をやっていけるようなスキルがあるかどうか。私の場合は、仕事をしながらスキルを磨いていこうという感じでした。いまだに磨いている最中ですが。第二に、会社を運営していけるだけの人脈があるかないか。これは、著者だけでなく、業者さんもふくめて。
第三に、資金が集められるかどうか。自己資金だけでなく、銀行からの借入が可能なのかということ。言いかえれば、「信用」の有無ですね。そして最後に、だめだと思ったら、すぱっと引けるかどうか。儲かってもいないのに、親などに頼って無理矢理つづけているようではいけません。もちろん、その場をしのげば復帰のチャンスがある、というときには、そういうのもアリかもしれませんが。
自分でやってて思いますが、形式的には「世のため人のために良質な人文書を」とお題目を唱えているものの、結局は自分が食うためにやっていますし、自分が満足するためにやっているのが、いまやっている会社の実態なんですよね。こんなことを書いていますが、ぶっちゃけ志はありますよ、志は。でも、それだけでは会社経営が成立しません。
カネがなくなったら、会社はまわりません。会社がまわらなければ、「世のため……」などと満足することもできません。したがって、会社を起業しようと思った場合、ちゃんとカネを稼げるかどうかという判断を、起業する前にしっかりできるかどうか。それが、起業する際に考えるべき最大のポイントであり、それができる見通しがあるのなら、老若男女を問わず、起業したい人はすればいいと思います。
その判断をするのに、年齢とか性別は関係ありません。ですから、「若い人に起業を勧めるの無責任かどうか」という記事の論点自体が、ナンセンスであるような気がします。起業しても大丈夫だという自信と裏付けがあるなら、やればいい。それがないなら、あきらめればいい。一度はあきらめたけれど、スキルを磨き、資金も貯め、自信と裏付けができたのでやってみよう、というのもアリ。
なんだか、ここまで書き進めてみると、ごく当たり前のこと書いているだけのような気がしてきました(笑)
ただし、前述した「信用」の有無の問題でいえば、まじめな人物がどれだけ儲かる見込みのある店を開こうと思っても、また経営が軌道に乗っていても、銀行や公的金融機関は、「飲食店」にはきびしいまなざしを向けつづけているようです。これまで出会った、浅草で飲食店を経営するみなさんが、口をそろえてそう言います。こりゃ、差別ですよ。とくに、規模がちいさいほど、差別されるようです。
まあ、似たような話でいうと、保証人になる親兄弟がいないからということで、私も部屋を借りることになるまでさんざんな目に合いましたが。飲食業だからとか、親兄弟がいないからとか、そんなので会社や人を判断しなくてもいいじゃん、て単純に思ってしまいます。じつに不条理ですなぁ。
あと、クロマグロ。マスコミはさんざん「禁輸案が可決されるかも……」とあおっておきながら、否決されると「否決支持が予想外に多く……」ですから、あきれてものがいえません。「予想外」っていうのは、みずから「取材力がない」といっているのと同義だと思うのですが、いかがでしょう。それとも、どうせ善良な市民は時が経てば忘れちゃうから、あんまり取材していないけど、派手に報じて数字をとろうかな、なんて思ったのでしょうか(笑)
「可決だ~!」と騒ぎ、火をつけて、「予想外だが否決だ~!」と水をかけて火を消す。これぞまさしく、マッチポンプというものではありませんか。
日乗 | コメント (0)
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