双風亭日乗

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2010年3月26日 (金)

毎日ブログが更新されるようになった件

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これまでほとんど更新されなかったブログが、3月に入ってからほぼ毎日更新されている……。不思議に思った読者も多いことでしょう。不思議というか、奇妙というか、謎というか。

大きな理由は、ある人に「文章、ほんとへたね」と何度もいわれたことでした。それで、文章修行だ~、ということで更新しているというわけです(笑)

いわれてみれば、そうかもしれません。自分でも、けっしてうまいなどとは思っていません。しかし、口に出して人から「下手」といわれたときは、さすがにちょっとショックでした。「そんなこと、平気でいう人いるんだ~」ってな感じで、驚いたんですね。

同じ人から「編集者、やめたほうがいいんじゃない」ともいわれました。それも、何度も。その理由は、「能力がない」からとのこと。これまた、驚きました。たしかに、30代後半から編集者をやりだし、今年で8年目ですから、さまざまな面でいたらぬ点が多いことも自覚しています。でも、そういうことって、思っていても口には出さず、別の言い方でやんわりと指摘するのが、日本における職場などのルールというものだと思っていました。

いやいや、日本だけじゃありません。なぜ別の言い方をするのか。たとえば、私はカンボジアで現地の人を20人くらい雇っていましたが、そのなかの誰かに「能力がない」なんていった日には、いつ刺されるかわかりません。やっぱり、人にはプライドとか尊厳があるじゃないですか。「文章がへた」程度ならまだしも、「能力がない」とかいうのは、いわれたほうは大いに傷つき、いったほうだっていい気持ちがしないでしょうに……。

仮に、職場などのなかでの地位がうえだったり、人事権を持っている人がそういうことを口にすれば、いうまでもなく「パワハラ」になると思います。私自身は、相手のプライドを傷つけたりおとしめたりするようなことを、職場の仲間にいうことなんて許されないと思います。能力うんぬん以前の問題として。

結果として、私の場合は、そういわれたことが毎日ブログを更新することの契機になったわけですが、だからいいじゃんなんて、けっして思いません。もし、それをいわれてもいいような「関係性」があれば、問題ありません。でも、そんな関係性などない人から、そんなことをいわれた日には、驚き、幻滅し、やる気をなくすのは当然でしょう。

このように、職場などでプライドや尊厳を傷つけられている人は、きっとたくさんいるんでしょうね。相談できる人がいればいいけれど、いなければ「うつ」になったり体調が悪くなったりするであろうことは、簡単に予想がつきます。

そういう徴候が出はじめたら、相手の発言を「録音」するのが一番ですよ。いっているほうは、パワハラの自覚がない場合が多いので、職場などで解決するのは困難です。「特上カバチ」じゃありませんが、そういうときには「録音」したうえで、行政書士や弁護士に相談し、法に訴えるのがいいと思います。

日本では、ガマンすることも仕事のうち、なんていわれたりしますが、そのガマンも度を超したら対処すべきです。会社や職場や組織のために自分が壊れる必要なんて、絶対にありませんから。

今回は、愚痴モードで失礼しました。いずれにしても、「編集者、やめたほうがいい」というのは、完全に余計なお世話ですね。それは、その人じゃなくて、私自身が判断することでしょう、ねえ。やめたくなったらやめるし、やる気があるうちは続けますよ、そりゃ。そこで本日のことわざ。

「人の振り見て我が振り直せ」

日乗 | コメント (1) | トラックバック (0) |

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コメント

面と向かってそういうことを言う人というのは一体どのくらいエラい人なのでしょうね(苦笑)。

> このように、職場などでプライドや尊厳を傷つけられている人は、きっとたくさんいるんでしょうね。相談できる人がいればいいけれど、いなければ「うつ」になったり体調が悪くなったりするであろうことは、簡単に予想がつきます。

そうですね。

仕事において「コミュニケーション力」の大事さがかつてないほど強調される世の中になりましたが、そういう時代においては、仕事の能力のあるなしは属人的な資質としてみる傾向が強くなってきている。

そうなると、仕事が「できない」と見なされた人間に対する説諭の仕方もまた、パーソナルな部分に触れる言い方に、悪気がなかったとしてもなりやすくなるし、人間性の否定めいたこともつい言ってしまう。それがパワハラの背景にあるような気がしてならないのです。

前職で、同期が上司に「お前はどういう育てられ方をしたんだ!」と同僚の前で怒鳴られているのを見てひしひしと感じましたが・・・。

最近はパワハラ事件の数も増えているそうですが、それは「パワハラという概念がひろく受容された結果、表に出やすくなって件数が増えた」ということだけではなくて、そうした「コミュニケーション」重視の流れが絡んでおるのではないか、という気がしてなりません。

ともあれ、ご指摘の通り、問題はそうした物言いを、言われている当人は、多くの場合、黙って受け容れるしかないということでしょうな。ハラスメントにはいつでもついて回る現象ですが・・・。

これは特に組織の中で立場の弱い人―非正規雇用、女性、重篤な持病があって出勤が安定しない人など―ほどそうでしょう。「自分が至らないから」、そう思っているまじめな人間ほど実際に鬱病になりやすかったです。

投稿: Lee | 2010/03/30 13:46:59