双風亭日乗

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2010年4月 3日 (土)

人間力が重要なんですよね」って……

私は、ひとりで飲み屋にいくことが多いんですよ。で、聴きたくなくてもほかのお客さんの会話が耳に入ってくることも多い。

そんな飲み屋の会話で最近、よく耳にする言葉が「人間力」。誰が言いだしたのか知りませんが、この言葉、けっこう使われているんだなあ、という実感があります。

言葉って、なんとなく使われ続けていると、実態があるように感じてしまう部分があります。しかし、よく考えてみると、その意味があいまいであり、どうにでも解釈できてしまう言葉だったりする。

その典型が、「人間力」という言葉だと思います。たとえば、飲み屋の会話のなかでは、こんなふうに使われていたりします。

「あの人は、もっと人間力をつけたほうがいいんだよ」
「人間力が重要なんですよね」
「人間力がないと、なかなか成績があがらないんですよ」
「僕は、人間力を磨かなきゃいけないと思っています!」

ん~、よくわからない。ウィキペディアで検索すると、この言葉を行政が積極的に使っていることがわかります。一方で、その定義があいまいであることも認めている。

それでも、いったん流通しはじめた言葉は、そのあいまいさなど忘れられたうえで、人々の会話のなかで使われていきます。これって、けっこう怖いことだと思うんです。

だって、定義があいまいなのだから、「人間力」が高いとか低いとかいう評価の基準が、評価する側の恣意的な考え方や操作で決まってしまうでしょう。にもかかわらず、その言葉を使いつづけていると、よくわからないけれど、その恣意的な考え方や操作にもとづく人物評価を、評価される側が受けいれていくようになる。

こういった「人間力」という言葉に対する批判は、本田由紀さんや後藤和智さんによっておこなわれています。しかし、そういった批判が、「人間力を磨かなきゃ」と飲み屋で話している人たちにどれだけ届いているのか……。

批判する側の真摯な姿勢を知っているだけに、いまだ「人間力」なる言葉が日常的に流通していることが、残念で仕方ありません。かといって、お互いに酔った状況のなかで、「人間力」を連呼している人に対して、「それって、じつはあいまいな言葉なんすよ」とかいってもケンカになるだけでしょうし(笑)

「君は、人間力が足りない」なんていわれてね。

とりあえず、このブログでは批判しつづけるつもりですが、飲み屋でその言葉に出会ったらどうすりゃいいんでしょうね? 「(苦笑)」するしかないのかなぁ。

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