双風亭日乗

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2010年8月31日 (火)

こんにちは。

『脳と心』ですが、アマゾンドットコムからは、無事、みなさんに発送されたようで一安心です。

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さて、今日は、同書の装丁の話です。まず、右の画像をごらんになってください。これは、茂木健一郎著『脳と仮想』(新潮文庫)の装丁です。












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つづいて、こちらをご覧になってください。これは、弊社刊『脳と心』の装丁です。同書の装丁は、「できるだけ茂木さんの読者に身近なもの」というコンセプトでつくられました。いろいろ考えた末、リスペクトの意味も込めて、茂木さんの代表作のひとつである『脳と仮想』(文庫版)のデザインを参考にさせていただいた、というわけです。

『脳と心』では、文字も線も、デザイナーの小林義郎さんが「手書き」で書いてくれました。ていねいなお仕事に、感謝いたします。

お断りしておきますが、けっしてパロディなんかではありませんので。あしからず。

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2010年8月28日 (土)

昨日に引きつづき、『脳と心』の本文を公開します。今回は、「あとがき」です。

サブタイトルにあるとおり、「この往復書簡でなにがわかったのか」が概説されています。こちらも、「まえがき」と同様に、山本貴光さんと吉川浩満さんによるものです。

お楽しみください。


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2010年8月27日 (金)

おはようございます。

以下、アマゾンドットコムにてご予約・ご購入いただいたお客さまにお知らせします。

弊社の新刊『脳と心』ですが、アマゾンドットコムでお買い上げいただいたお客さまも多いことと存じます。そして、現在、同書のカタログページでは、「通常2~4週間以内に発送します。」と表示されていることから、「そんなに時間がかかるの?」と思われている方もいらっしゃると思います。

同書は、8月26日に弊社からアマゾンドットコムに発送しております。ついては、本日中に同書はアマゾンに搬入され、順次、お客さまに出荷される予定です。また、本日中に追加分も発送しますので、現状では品切れということはありません。

注文が「殺到(笑)」しないかぎり、数日中には「在庫あり」の表示に切り替わると思われますので、ご安心ください。

では、引きつづき新刊の『脳と心』を、なにとぞよろしくお願いいたします。


双風舎 谷川 茂

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2010年8月27日 (金)

茂木健一郎・斎藤環著『脳と心』の「まえがき」を公開します。

これを読んでいただくと、「なぜいま、脳と心に関する往復書簡が必要だったのか」が理解いただけると思います。双風舎編集部の名義になっておりますが、実際には山本貴光さんと吉川浩満さんに執筆していただきました。

ぜひとも、ご一読いただき、同書に興味を持っていただければ幸いです。

明日は、「あとがき」を公開します。ご購入のきっかけになれば、うれしく思います。

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2010年8月25日 (水)

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ようやく、配本の日がやってきました。

茂木健一郎・斎藤環著『脳と心』は、本日、全国の書店に配本されます。定価は、税込2000円。入魂の一冊。ご一読いただければ幸いです。

斎藤さんの第1信で往復書簡の企画がはじまってから、早くも3年余……。双風舎が新刊を出すのは、1年ぶり。いろんな意味で、感慨深いものがあります。

この本は、斎藤さんの読者はもちろんですが、なによりも茂木さんの読者に読んでいただければと思っています。その理由は、以下の茂木さんの発言にあります。

「(谷川注…脳科学ブームに)巻きこまれた私からいわせれば、表現活動というものはむずかしいということです。とくに、いま実際になにが起こっているのかを、正確に読者や視聴者にわかってもらうことは、ほんとうにむずかしい。
 テレビでの発言は、生放送でないかぎり、編集されます。どれだけ私が、くわしく脳に関する話をしても、制作側が必要だと考える部分しか、実際には放送されません。
 男女の脳差を考えてみても、それは単なる統計的な有意さの違いです。女性のほうが男性よりも脳梁が太いといわれますが、ある女性よりも脳梁が太い男性だっているでしょうし。でも、たとえ収録のときに私がそう語ったとしても、制作側が『男女の脳差に関する話が欲しい』と思えば、差がある部分の発言だけ使われたりします。
 こうした経験をとおして、ようやく最近になって、ものの言い方がわかってきたような気がします。『最近』というのは、斎藤さんとの往復書簡が本格的に始動した2010年初頭あたりの時期でしょうか。ほんとうのこと、すなわち脳科学で実際になにが起こっているのかということを、正確に伝えなければならないと考えるようになりました」(『脳と心』の茂木さんインタビューより)

マスコミでの活動、とりわけテレビでの活動について、茂木さんがこのような発言をなさるのは、おそらく初めてのことだと思います。ご著書について、テレビでの発言よりも慎重なものになっていることは、いうまでもありません。

茂木さんは、同書のなかで、この問題について、さらに踏み込んで語っています。ようは、「自分の発言が、読者や視聴者に、ちゃんと伝わっていなかった」と、茂木さん自身が振り返っているのです。こうした一連の発言を、ぜひ茂木さんの読者にお読みいただきたい。私は強く、そう考えています。

おっと、このエントリーを書いている今、見本が私の手元に届きました!

装丁も本文も、満足のいく仕上がりです。

では、ひとりでも多くの読者に『脳と心』が届くことを祈りつつ、失礼いたします。


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2010年8月23日 (月)

さまざまな仕事が一度に重なって、このところブログを書く時間がとれませんでした。スミマセン!

『脳と心』は、24日に納品される予定なので、25日には東京都内の大きめの書店に並ぶと思います。双風舎にとっては、1年ぶりの新刊です。なにとぞ、なにとぞ、よろしくお買い求めくださいませ。

この本については、編集こぼれ話みたいなものがあるので、ぜひ発売前に書こうと思っていました。しかし、それはかないそうもないので、発売後に書きます。

イベントも予定していますが、いまだ準備できず……。最期まで予定調和は「なし」ということで、茂木さんと斎藤さん、それぞれ個別におこないます。テーマは「脳科学ブームを考える」とか。

以上、走り書きで失礼しました。

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2010年8月 4日 (水)

8月3日の「痛いニュース(ノ∀`)」で、「政府、朝鮮学校を無償化とする方針を固める」というネタが取りあげられました。そして、このネタに対する2ちゃんねるの反応も。

この「反応」を読んでいて、「おっ、似てるなあ~」と思ったことがあります。似てるのは、ある人たちの脳科学に対する反応と、ある人たちの朝鮮高校に対する反応です。では、どこが似ているのか。

それは、「よくわからないのに、なんとなく信じている」という点です。脳科学でいえば、「脳にいい……」とタイトルに書かれているだけで、疑うことなくその本を買い、書かれていることを実践したり。朝鮮高校でいえば、誰も証明していないのに、スパイを養成しているとか、支援することは北朝鮮を支援することだとか思いこんでいたり。

なにをすると脳にいいとか、男脳・女脳とか、ゲーム脳とか、脳トレなど、ちまたでは脳に関するいろいろなことがいわれてます。しかし、それらのことがほんとうかどうかを判断するためには、かなり高度な脳科学の知識が必要です。なおかつ、それらは可能性や予測の域を出ず、誰も実証していないことでしょう。

朝鮮高校の話でいえば、まず考えるべきことは、そこで学ぶ学生のことだと思います。なぜ彼らがいま朝鮮高校で学んでいるのか(学ばざるをえないのか)。なぜ朝鮮高校があるのか。なぜ在日朝鮮人がいるのか。この100年の近現代史を振りかえれば、その理由はわかるでしょう。

そういう思考は停止して、ただただ「北朝鮮」と「朝鮮高校」をつなげて、アンチ北朝鮮だからアンチ朝鮮高校というのは、テレビに出ている芸能人の顔が気にくわないから「嫌いだ」といっているのと、同じレベルの陳腐な話なのではありませんか。

なおかつ、アンチの理由が「スパイ養成」とか「朝鮮学校支援=北朝鮮支援」などという、誰も実証できないものですからね。「よくわからないけど、なんとなく信じている」という点では、なんとなく脳によさそうだから「脳トレ」をやっているのと、ほとんど同じ発想だと思います。

私自身は、一部のうさんくさい脳科学に関しては、まず「ほんとかよ」と疑ってかかることが重要だと思っています。また、朝鮮高校については、党派がどうこういう前に、そこで学ぶ学生のことを考えて対処すべきだと考えています。

「よくわからないのに、なんとなく信じている」のも別にいいとは思います。なんでもかんでも、実証されていることだけを信じるなんて、つまらないですからね。でも、「それって、ほんと?」と疑う気持ちをなくしてしまうと、とんでもないことが起きたりするということを、私はカンボジアで学びました。

疑いなく「資本主義は敵だ」「知識人は敵だ」「ベトナム人は敵だ」「内部にも敵だ」と政府が唱え、それを人々が信じた結果が、根拠なき排除の構造を生みだし、大量虐殺へとつながりました。

極端な話かもしれませんが、「よくわからないのに、なんとなく信じている」と「アンチ」がつながると、世界のどの社会でも、そういった根拠なき排除の構造が、いとも簡単にできてしまう。とりあえず、そういうことを心得たうえで、アンチになるならなってほしいものです。

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2010年8月 3日 (火)

茂木健一郎・斎藤環著『脳と心』の入稿がすみ、ようやくブログを書ける状況になりました。編集者の入稿前は、ほんとに忙しいんですよ。私の場合、年に数冊しか出していませんから、年に数回ほど超多忙になります。しかし、大きな会社の編集者だと、年に10冊とか15冊とか担当しているわけですから、年中忙しいのでしょうね。

さて、昨年から今年にかけて、「ツイッターがいかにすごくて便利か」という話が、ネットを中心としたマスコミ界隈でささやかれてきました。しかし、そういったツイッター至上主義みたいな言説は、なぜか最近はあまり見られなくなったようです。

ツイッターのなにがよいのか。私の理解では、人と人とのコミュニケーションを「速く」「広く」「浅く」おこなうツールとして、たいへん有用なものだと考えています。逆に考えると、そういうコミュニケーションが必要なかったり、不得手だったりする人には、無用なものだといえるかもしれません。

必要かどうかの基準は、140文字に書かれる文章の内容につきると思います。不思議に思うのは、ツイッターのキャッチフレーズでもある「いまどうしてる?」です。というのも、私自身は、他人が「いまどうしている?」という情報に、ほとんど関心がないからです。

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