2009年4月21日 (火)
「子豚殺し」を語る
今回は、「子猫」の話じゃなくて、「子豚」の話ですよ(笑)。一昨日、前田哲監督「ブタがいた教室」(2008年)をDVDで観ました。以下、感想です。
第一に、一般向けの映画として公開するのは、これが限度なのかもしれないなあ、と思いました。第二に、子どもたちが「育てた豚の世話を下級生に任せる」か「食肉センターに引き取ってもらうか」という二択について議論します。この問題は、たとえおとなが一緒に議論したとしても収拾がつきにくいものであり、この映画でもっとも注目すべきシーンだと思いました。
第三に、教師は「育て、殺し、食べる」という前提で子豚を教室に持ってきたのに、その生死に関する判断を生徒に丸投げしてしまうのはどうか、と思いました。元ネタは実話なので、実際に教師がそういう振る舞い方をしたのかもしれませんが。
教師が教室に持ってきた時点で、子豚には殺されて食べられるということが決まっている、ということがもっとも重要な点でしょう。そうなると、なぜうちの子猫は殺され食べられないのに、子豚は殺され食べられるのか、すなわち殺される動物と殺されない動物がいるのか、ということを生徒が議論するのならわかるんですよ。
ところが、映画ではそういう話になっていません。食肉センターに引き取ってもらう生徒の声は、一生懸命、育てた豚が殺されるのはかわいそうだから、食肉センターに引き取ってもらうのは反対とか、普通の豚は殺され食べられるけど、私たちの豚はその豚とは違うから殺せない、とか……。
「子猫殺し」再考 | 固定リンク | コメント (4) | トラックバック (0)