書籍一覧

斎藤環, 茂木健一郎

9784902465174


脳と心
――クオリアをめぐる脳科学者と精神科医の対話

茂木健一郎 ・ 斎藤環


いま、脳にまつわる話をとりあげた本が、書店の棚に目立つ。
ゲーム脳や男女脳など、脳に関する言説が次々に生まれては消えていく。
それでも脳についての本は、あとを断たずに刊行されている。

なぜ、読者は、これほど脳に関心を示すのか。
それは、脳が誰の身体にも備わっており、重要な機能を担っている部分であるにもかかわらず、その機能の複雑さゆえに、くわしい実態がつかめないからであろう。

脳科学は日々、進化しており、さまざまなことが明らかになっている。
しかし、どれだけ最先端の技術を駆使しても、わからないことがある。それが、脳と心がどうつながっているのか、という問題だ。

茂木健一郎は、脳と心をつなげる橋のようなものとして、「クオリア」という概念を提起した。仮に、この「クオリア」がほんとうにそのような役目を持つのであれば、茂木の提起したことは、これまでの脳科学を揺るがすようなものだといえる。

だが、斎藤環は、茂木の「クオリア」という概念に対して、大いなる疑問を投げかける。脳と心をつなぐものなど、いまだ明らかにはなっていないし、今後も明らかになる見通しは立っていない、と。

本企画では、茂木と斎藤の往復書簡とふたりのそれぞれに対するインタビューをとおして、「クオリア」について、そして脳と心のつながりについて、徹底的に考える。すべての書簡には、『心脳問題』の著者である山本貴光と吉川浩満さんによる実況が入り、難解な表現をやさしく解説する。

全編にわたって、なれ合いなし。社交辞令もなし。気鋭の知識人による、予定調和では終わらないスリリングな対話をお楽しみください。

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仲正昌樹

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Nの肖像
――統一教会で過ごした日々の記憶

仲正昌樹


現代思想や哲学に関する多くの著書で知られる仲正昌樹(金沢大学教授)は、東大入学と同時に、統一教会に入信した。
信仰の深さを証明するために、入信後は布教や物売りにはげみ、合同結婚式にも参加。原理研究会では左翼と闘い、統一教会系の新聞である「世界日報」では第一線の記者として活躍した。

そして、入信から11年半後、仲正は自力で脱会する。

誰もが疑問に思うことがある。
広島の高校ではトップの成績をおさめ、現役で東大に入った著者が、なぜ学問を放棄して宗教に走ったのか。統一教会では、どんな暮らしをしていたのか。
そして、どうやって脱会したのか。

いま第一線で活躍する政治思想史学者の仲正が、これまで語らなかった数奇な半生をつづりつつ、みずからの宗教体験を深くかえりみる。

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坂東眞砂子

Photo_3「子猫殺し」を語る
――生き物の生と死を 幻想から現実へ

坂東眞砂子


2006年8月18日付の日本経済新聞夕刊コラム「プロムナード」に、坂東眞砂子による衝撃的なコラムが掲載された。タイトルは「子猫殺し」。このコラムをめぐり、おもにネット上では、猫好きの人々による坂東バッシングが一斉に起こった。

「熱しやすく冷めやすい」というネットの特徴を体現するように、その後、あれだけ加熱した「子猫殺し」に関する議論は終息。けっきょく、坂東による問題提起は中途半端な状態で、世の中に受け入れられてしまった。

本書は、「子猫殺し」の議論を中途半端な状態で終わらせてはならない、という著者と出版社の意向でつくられた。人も獣も含めて、この世に生を受けた生き物が「生きる」こと、そして「死ぬ」こととは、どういうことか。また、「子猫殺し」バッシングとはいったい何だったのか。このふたつの問題について、2006年の騒動を検証することによりあきらかにする。

本書の第一部では、問題となった「子猫殺し」を含む24本のエッセイ(日経夕刊に連載されたもの)を掲載。この連作エッセイは、「生き物の生と死を考える」というテーマで書かれており、「子猫殺し」もエッセイ全文の文脈のなかに位置づけたうえで読んでもらえればと考えている。

第二部では、本書のテーマを掘り下げるために、東琢磨さん(音楽評論家)と小林照幸さん(ノンフィクション作家)、そして佐藤優さん(起訴休職外務事務官、作家)が、それぞれ坂東さんと徹底討論をおこなった。

東対談では、「管理されないものは愛されない」というテーマで、ネット社会、正義とは何か、日本社会の現状などについて議論してもらった。小林対談のテーマは、「人が動物を飼うことの責任を考える」。生き物に対する責任、食育のたいせつさ、動物愛護などについておふたりが語る。そして、佐藤対談では、「『子猫殺し』バッシングというファシズム」というテーマで、騒動の原因、愚行権、「猫とファシズム」などが議論される。

坂東さんがなぜ子猫を殺したのか。そして、坂東さんはなぜ叩かれたのか。その真意を探り、状況を検証してみる。すると、「子猫殺し」から見えてきたのは、日本社会の現状であった。

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藤井誠二

重罰化は悪いことなのか—罪と罰をめぐる対話重罰化は悪いことなのか
罪と罰をめぐる対話

藤井誠二


罪を重くすれば、犯罪は減るのか?
死刑には、犯罪への抑止力があるのか?
被害者と加害者の立場は、どう変わっていくのか?

無差別な凶悪事件が立て続けに起き、社会を震撼させている。また、加害者への厳罰化が急速に進み、現政権下では死刑執行も増えつつある。一方で、犯罪被害の当時者や遺族の権利拡充(刑事裁判や少年審判への参加、知る権利の保証、経済的支援など)が法律的にはかられるようになり、裁判員制度も間もなくはじまろうとしている。

日本の司法はこの10年で、さまざまな社会背景とからみ合いながら、思い切った変化をしようとしている。そんな時期だからこそ、私たちの社会と犯罪とが、どう向き合っていけばいいのかを、突っ込んで議論すべきであろう。

この本は、一般的かつ表層的な報道からは読み取れないような、多様な「視点」と「事実」を読者に提供をする。思い切った変貌を遂げようとする日本の「罪と罰」をめぐるシステムや社会環境。それらを読み解き、対立する議論を整理し、同時代を生きる私たちが考えなければならないことを提供すること。それが本書の目的である。

対話の相手は、芹沢一也(社会学者)、松江哲明(ドキュメンタリー監督)、
郷田マモラ(漫画家)、宮台真司(社会学者)。

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本田由紀

軋む社会—教育・仕事・若者の現在

軋む社会
教育・仕事・若者の現在

本田由紀


いま、日本社会が軋んでいる。
夢を持てない。将来の展望が見えない。希望が見いだせない。
そんな若者の声が聞こえてくる。

こんな社会に、誰がしたのか?
この社会の何が問題なのか?
社会の軋みをなくすための糸口はあるのか?

気鋭の教育社会学者・本田由紀には、
いま、どうしてもいっておくべきことがある。
あきらめと失意、そして絶望が渦巻くこの社会を、変えていくために。
未来を支える若者が、生きやすい社会をつくるために。

本書で本田は、仕事や教育、家族、そして若者をとおして、
社会が軋む理由を考え、解決への道のりを考える。

巻末には、いまを生きるすべての若者に対する、本田からの熱いメッセージ「いま、若い人たちへ」を掲載。

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赤木智弘

若者を見殺しにする国若者を見殺しにする国
私を戦争に向かわせるものは何か
赤木智弘 著

週刊SPA!(2007年12月7日号)の「エッジな人びと」で紹介されました。
週刊朝日(2007年12月7日号)の書評欄で紹介されました。
SIGHT 2007年冬号で、ブックオブザイヤーの一冊に選ばれました。
TBSラジオ アクセス(2007年12月5日)で紹介されました。
週刊文春(2007年12月13日号)の「著者は語る」で紹介されました。


「『丸山眞男』をひっぱたきたい――31歳、フリーター。希望は、戦争。」
赤木智弘の衝撃的な論考が、月刊誌「論座」2007月1月号に掲載された。

フリーターである自分が、なぜ戦争に希望を見いだすにいたったのか。
それは、俗流若者論を通して、社会全体がすべてを「若者がおかしいから悪いのだ」というイメージで了解していること。
バブル崩壊後に何の責任もとらず、正社員として安定した生活を送ってきた「おとな」たち。彼らが、一部の世代を見殺しにしている現状から、必死に目を背け続けていること。

見殺しにされている団塊ジュニア世代の自分が、人間としての尊厳を得るためには、まず国民全体に「見殺しの罪」を直視させなければならない。
赤木は、若者を見殺しにするこの国の現状を、右派も左派も含めたかたちで、徹底的に批判する。そして、彼に説教をする知識人に対して、こう訴える。

説教するなら、職をくれ!

ひっそりと「声を押し殺して生きる若者」たち。その当事者のひとりが声をあげた。
その声が、行き詰まる若者の姿を、私たちの目に見えるようにした功績は大きい。
「論座」に掲載されたふたつの論文のほかは、すべて書き下ろしで構成。

赤木智弘。32歳、フリーター。希望は、戦争。
衝撃のデビュー作。

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仲正昌樹

思想の死相思想の死相
知の巨人は死をどう見つめていたのか
仲正昌樹 著

「生き生き」とした言葉があふれかえる現代日本。人びとはなぜ、紋切り型の言葉を求めるのか。マスメディアや知識人はなぜ、「生きた言葉」を発するのか。そして、その歴史はどう語り継がれてきたのか。「生き生き」とした言葉の裏側を覗いてみると、そこには死に絶えつつある思想の死相があらわれているのではないか。

本書は、「生き生き」とした言説を徹底批判した『デリダの遺言』の続編である。アドルノ、ベンヤミン、アーレント、デリダ、ハイデガー、フーコー、マルクス、ニーチェ、ラカン、スローターダイク。10人の知の巨人が登場する。

彼らは、「生き生き」とした言葉に対して、どのような警鐘を鳴らしてきたのか。「生き生き」とした思想の中から、どのように思想の死相を読み取り、語ってきたのか。思想が死相にひんする現代日本の状況に、彼らの「死の思想」は何を語りかけるのか。日本の思想は、死相から甦ることができるのか。

現代思想研究の最先端を走る仲正昌樹が、10人の知の巨人の思想をコンパクトに解説しつつ、彼らのテクストにひそむ「死の思想」を探る。

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内藤朝雄

Ijime いじめと現代社会 ~「暴力と憎悪」から「自由ときずな」へ~

内藤朝雄


いじめが原因で自殺する子どもに関する報道があとを断たない。いじめはなくならないのか、なぜいじめるのか、いじめは学校だけの問題なのか……。


本書は、いじめを緻密かつ理論的に分析した国内唯一の書『いじめの社会理論』の著者で、いじめ研究の第一人者である内藤朝雄が、学校のみならず職場や社会でのいじめや人びとが抱く憎悪のメカニズムを考察した待望の新刊。


本書での内藤のいじめ研究の視座は、学校という子ども社会論から天皇問題を含む国家論、教育基本法改正まで、広範にわたるものとなっている。そして、自由な社会をめざすための論理として、リベラリズムへの希望が語られる。


本書の目玉は、ふたつの対談である。まず、『「ニート」って言うな!』の共著者である本田由紀との対談では、マスコミで取り上げられる若者論と実社会に生きる若者像のギャップに関する深い議論がおこなわれる。また、宮台真司との対談では、職場におけるおとなのいじめ問題について激論がかわされ、望ましい社会の在り方が両者から提案される。


もう一度、問う。若者は、なぜ排除されるのか。おとな社会のいじめは、どうなっているのか。憎悪の連鎖は断ち切れるのか。これらのタイムリーかつ普遍性のある問題について、いま内藤が語りつくす!


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上野千鶴子, 宮台真司, 小谷真理, 斎藤環

バックラッシュ!~なぜジェンダーフリーは叩かれたのか?~バックラッシュ! ~なぜジェンダーフリーは叩かれたのか?~
上野千鶴子、宮台真司、斎藤環、小谷真理ほか


「ジェンダーフリー」が性差をなくす?
伝統文化を破壊する?
過剰な性教育?
なんでも男女混合?


豪華執筆陣が、デマやバッシングを分析しつつ、「男女平等」の未来を描きなおす。

そろそろバックラッシュなんかやめて、ネクストステージに向かって歩こうよ。

すべて書き下ろし& 語り下ろしで双風舎がお届けする快心の一冊。


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韓東賢

4902465086 チマ・チョゴリ制服の民族誌 ~その誕生と朝鮮学校の女性たち~

韓 東賢 著


制服の歴史から、在日の歴史が見える!


朝鮮学校の制服は、なぜチマ・チョゴリなのか?

政治的に語るだけでは、けっして見えてこない制服誕生の史実を、歴史の検証と当事者への聞き取りによってあきらかにする。日本で初めての本格的なチマ・チョゴリ制服の研究書。


北朝鮮バッシングが起こるたびに、朝鮮学校の女子が着るチマ・チョゴリ制服が切られてきた。なぜ切られるのか。

そもそもチマ・チョゴリ制服は、北朝鮮を表象するような民族衣装なのか。

そして、本国にもなかったチマ・チョゴリ制服が、日本の朝鮮学校の制服として、なぜ採用されることになったのか。


本書は、これらの素朴な疑問を抱いた著者が、在日朝鮮人社会で複雑に交錯するナショナリズムやエスニシティ、ジェンダーを、女性たちの「着衣」という行為を通じて考察することにより、何が問題なのかを解き明かしていく過程を記したものである。

在日朝鮮人である著者の特徴を最大限に活かして採取された、在日女性らによるチマ・チョゴリ制服に関する貴重な証言は、これまで類を見なかったものである。


越境者としての在日社会の歴史や文化を、チマ・チョゴリ制服をキーワードに考える。
そして、「北朝鮮=チマ・チョゴリ制服」と短絡的に考えることの愚かさを思い知らされる一冊である。


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