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帝国を考える

藤原帰一

<帝国>を考える <帝国>を考える ~アメリカ、東アジア、そして日本~

的場昭弘 編著/藤原帰一、宇波彰、中村政則、尹健次、鳴瀬成洋、後藤晃


なぜ、いま<帝国>なのか?

ネグリとハートの『<帝国>』が日本で刊行されてから、1年半がたちました。
同書は、現代社会を考えるための、ある種の「指標になった」ともいえると思います。
ただし、この本の解説や分析をするのは、たいてい哲学や現代思想を専攻する学者さんであり、他の分野の学者たちは、同書をどのように読んでいるのか、私は気になっていました。

そこで、哲学や現代思想「以外」を専門とする7人の社会科学者に、同書を読み解いてもらいたいと考え、この企画を進めました。『<帝国>』が提起した問題や概念は、アメリカによるイラク戦争が泥沼化する現状を考えるうえで、現在も重要な位置をしめていると思われます。

ただし、同書の提起したもののうち、何が重要で、何が問題なのか、ということを、現状に即したかたちで理解することは、同書が難解な書物であるがゆえに、なかなか困難だといわざるをえません。
新刊『<帝国>を考える』では、その困難さを解消すべく、<帝国>と現代社会を結びつけた議論を、以下のような分担でおこないました。

藤原帰一(アメリカ)
中村政則(日本)
尹健次(朝鮮)
後藤晃(中東)
鳴瀬成洋(経済)
宇波彰(メディア・カルチャー)
的場昭弘(思想史

以上のことから、「なぜいま<帝国>なのか」というよりも、「いまだから<帝国>を読み直す」というのが新刊を出す主旨だといえます。

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■目 次■
Ⅰ ネグリとハートの<帝国>とは何か 的場昭弘
Ⅱ アメリカ政治と国際関係  藤原帰一
Ⅲ メディアカルチャーに抗するもの 宇波彰
Ⅳ プチ<帝国>としての日本 中村政則
Ⅴ 朝鮮半島と<帝国> 尹健次
Ⅵ <帝国>と世界経済 鳴瀬成洋
Ⅶ イラク戦争と<帝国> 後藤晃


【書籍情報】

46判 並製、304頁
定価1890円(税5%)
2004年6月18日発行


【著者略歴】
的場昭弘(マトバ・アキヒロ)
1952年宮崎県生まれ。慶応義塾大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士。現在、神奈川大学経済学部教授。専門は、社会思想史。著書に『トリーアの社会史』(未来社)、『パリの中のマルクス』、『フランスの中のドイツ人』(以上、お茶の水書房)、『ポスト現代のマルクス』、『未完のマルクス』(以上、平凡社)など。編著にアエラムック『マルクスがわかる』(朝日新聞社)、『新マルクス学辞典』(弘文堂)など。
藤原帰一(フジワラ・キイチ)
1956年東京都生まれ。東京大学大学院法学政治学研究科博士課程中退。現在、東京大学法学部教授。専門は、国際政治、比較政治、東南アジア政治。著書に『デモクラシーの帝国』(岩波新書)、『戦争を記憶する』(講談社現代新書)、『「正しい戦争」は本当にあるのか』(ロッキング・オン)など。編著に『テロ後』(岩波新書)など。
宇波彰(ウナミ・アキラ)
1933年静岡県生まれ。東京大学大学院修了。元・札幌大学文化学部教授。専攻は、哲学、記号論、メディア論。著書に『映像化する現代』(ジャストシステム)、『デザインのエートス』(大村書店)、『力としての現代思想』(論創社)など。訳書に、ドゥルーズ、ガタリ著『カフカ』、ドゥルーズ著『意味の論理学』(以上、法政大学出版局)、ベルクソン著『思考と運動』(第三文明社)など。
中村政則(ナカムラ・マサノリ)
1935年東京都生まれ。一橋大学大学院経済学研究科(経済史専攻)博士課程修了。現在、一橋大学名誉教授、神奈川大学特任教授。専攻は日本経済史、日本近現代史。著書に『明治維新と戦後改革』(校倉書房)、『近代日本地主制史研究』(東京大学出版会)、『近現代日本の新視点』(吉川弘文堂)など。訳書に、ゴードン著『歴史としての戦後日本』(岩波書店)など。
尹健次(ユン・コォンチャ)
1944年京都府生まれ。東京大学大学院教育学研究科博士課程修了。教育学博士。現在、神奈川大学外国語学部教授。専攻は、近代日朝関係史、教育思想。著書に『異質との共存』、『孤高の歴史意識』、『現代韓国の思想』(以上、岩波書店)、『在日を考える』、『ソウルで考えたこと』(以上、平凡社)など。
鳴瀬成洋(ナルセ・シゲヒロ)
1954年山口県生まれ。九州大学大学院経済学研究科(世界経済論専攻)博士課程修了。現在、神奈川大学経済学部教授。専攻は、貿易論、世界経済論。共著に『ポスト冷戦の世界経済』(文眞堂)、『IT時代と国際経済システム』(有斐閣)など。主要論文に「Embedded Liberalismの解体と再編」(『商経論叢』第37巻第2号、神奈川大学経済学会)「グローバリゼーションとしての現代」(『経済貿易研究』N0.30、神奈川大学経済貿易研究所)など。
後藤晃(ゴトウ・アキラ)
1944年東京都生まれ。東京大学大学院農学研究科博士課程修了。現在、神奈川大学経済学部教授。専攻は、農業経済学。著書に『中東の農業社会と国家』、『グローバル化と世界』(以上、お茶の水書房)など。編著に『中東における中央権力と地域性』(アジア経済出版会)など。

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